失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「無造作紳士 (L'aquoiboniste)」 ジェーン・バーキン 1978年、岡崎律子 1999年

2017-05-03 | フレンチ
"L'aquoiboniste" Jane Birkin 1978

ジェーン・バーキンのおそらく日本のみのシングルと、その日本語カヴァー。


1999年10月27日発売のジェーン・バーキン盤は以前に紹介したがもう一度。

①無造作紳士(L'aquoiboniste) TBS系ドラマ「美しい人」テーマ曲
(Serge Gainsbourg)
1978年のアルバム『Ex fan des sixties』収録曲で、日本以外ではシングルカットされていないはず。シンプルなユニットが6回繰り返されるだけのミニマルな構成。サビもブリッジもない(あるいはサビしかない?)2分23秒の小品。

②無造作紳士 L'aquoiboniste(LIVE)
Enregistrement integral au Casio de Paris
アカペラで始まり、後半にアコーディオンの薄い伴奏が入る。2分17秒。

③ジョニー・ジェーンのバラード
Ballade de Johnny-Jane (Serge Gainsbourg)
「ヘイ、ジョニー・ジェーン 君は覚えてる? ゲンズブールの映画の『ジュテーム・モワ・ノン・プリュ』って素敵なテーマ曲を」で始まる曲を映画「ジュテーム・モワ・ノン・プリュ」で使用。入れ子構造、あるいは自己言及モノ好きにはたまらんな。

定価1020円、中古で600円。
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」日本盤7インチと同じ写真の鏡面像。どっちかが裏焼き。


岡崎律子の7thシングルは1999年12月8日発売。

①L'aquoiboniste(無造作紳士)~日本語カヴァー~
作詞・作曲:Serge Gainsbourg、訳詞:かの香織、編曲:門倉聡
原曲よりややスローテンポだが、ほぼ忠実なアレンジ。岡崎さんの儚げな声は、ウィスパーではなけど和製ジェーン・バーキンと言って差し支えない。かの香織は一部仏語を残しつつ「『何もならない』、は あなたの口癖」とわりと直球な日本語化を試みた。4コーラスと5コーラスの間にたっぷりした間奏が入って3分41秒。

②Moonshadow
作詞:岡崎律子、作曲:村山達哉、編曲:村山達哉・磯江俊道・加藤敏樹・加藤道明
打ち込みのゆったりしたリズムにつぶやくように歌う律子さん。声の線は細いがしっかり主張してくる歌声。抑えた感情をじっくりと時間をかけてクレッシェンドしていく。暗い空に光が差して、だんだん空気が温まってくるような6分33秒。

③①のカラオケ

定価1020円、中古で54円。
これをハードオフで見つけたのは昨年のハイライトだった。


後ろのアナログLPはJane Birkin『Ex fan des sixties』。安田成美「思い出のロックンロール」の回でも下に敷いた。



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