失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「贈る言葉」 武田鉄矢 1989年

2014-03-31 | 
オリジナルは海援隊、1979年。金八主題歌として大ヒット。

武田鉄矢ソロとして、10年後にリメイクしたシングルがこれ。

①贈る言葉 
作詞:武田鉄矢、作曲:千葉和臣、編曲:矢野立美
海援隊ヴァージョンの編曲は惣領泰則。矢野立美はほぼオリジナルに忠実なアレンジを施している。鉄矢のヴォーカルは年齢を重ねてやや落ち着いた雰囲気になってはいるが、もともとの説教臭さは相変わらず。ほぼ作り直した意義が感じられない、そっくりリメイク。オリジナルは「3年B組金八先生」第1シリーズ主題歌としてあまりにも有名。卒業ソングの定番として卒業式でもよく歌われる曲だったが、最近はどうなんだろ。さすがに今の中高生には「何この曲?」かもしれないな。
海援隊のギタリスト、千葉和臣の曲は起承転結がくっきりしていて、よく練られている印象。とくにAメロ最後とサビあとに「♪贈るー言葉ー」と念を押すように同じメロディが登場するのがキャッチーだな。ここにタイトルをはめ込んだのは上手い。鉄矢作の歌詞は、とくに卒業をテーマとしているわけではなく、普通に読めば男女の別れを描いているように思える。その「贈る言葉」の内容、「人は悲しみが多いほど 人には優しくできる」はまだギリギリいいとしても、「求めないで優しさなんか 臆病者の言いわけだから」って何?別れのタイミングで言われてもちょっとリアクションに困る。とどめに「誰かがあなたを愛するでしょう だけど私ほどあなたのことを深く愛したヤツはいない」と未来に呪いをかけて終了。そりゃ遠ざかって人混みに消えたくもなるわ。3つめの「贈る言葉」はもう届いていない感じならいいんだけど。

②声援 TBS系テレビ金八先生シリーズ主題歌
作詞:武田鉄矢、作曲:中牟田俊男、編曲:瀬尾一三
カップリングが当時の金八最新作、第3シリーズの主題歌。1979年、1980年と短いインターバルで放映され、熱狂を巻き起こした金八シリーズが、8年ぶりに帰ってきた!「贈る言葉」「人として」クラスのヒットを期待されただろうが、元海援隊(1982年に解散)のふたりによる作品は、はっきり言ってクオリティ低すぎ。「がーんばれ、がーんばれ、頼むがんばれ、がんばってくれ」の間延びしたサビに、無性にエンケン「不滅の男」を聴きたくなった。

定価937円、中古で50円。
眼で語りかける鉄矢。

同じ2曲+カラオケ付きで1992年に再発されている。
そのジャケットがこちら。



完全に説教が始まる顔だろ、これ。


今年卒業を迎えた皆様、おめでとうございます。
とくにチャンユメ&みやまゆ、いい卒業式だった!
タモリもお疲れさま&ありがとう!


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