失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「抱きしめたい」 benzo 1998年

2014-03-19 | 
benzo are; 平泉光司、佐々木一也、伊賀航、キンドー

ベンゾのデビューシングルにして、唯一の8㎝シングル。全編曲はbenzoによる。

高野勲は加入前なんだな。キーボードはキンドーという女性が担当していた。

①抱きしめたい
作詞・作曲:平泉光司
ピアノのイントロから、ビートが刻まれ平泉光司が歌い出すといきなりソウルフルに。ヴォーカルは高音での焼けつくような張りがいい味を出してる。田島貴男やトータス松本と共通する男くさい系。サウンドはどうしてこんなにシュガー・ベイブぽく感じるのだろう。全体に、というは正解だろうけど、とくにギターとキーボードの絡みに『SONGS』を聴きこんでる雰囲気をビシビシ感じる。あとは録音とミックスかな。ドラムの音なんて90年代とは思えない70年代志向なアナログ感あり。「黙って今を 見届けていよう」倦怠期を迎えたふたりの行く末をぼんやり見つめる男。曇り空の下で光を待ちわびるような、焦りとも諦念ともつかない感情が渦巻く、傑作ソウルナンバー。

②It's Alright ~考えちゃソンさ~
作詞・作曲:平泉光司
こちらはデビューアルバム『benzoの場合』のエンディングに収録されている。コーラスが華やかなアッパーな曲で、ライブで盛り上がりそうだけど、歌詞はどこか弾けきれない空虚を抱えている。

③泪とタタミの日々(ストリート・ヴァージョン)
作詞:キンドー・平泉光司、作曲:平泉光司
アルバム収録曲の別ヴァージョン。「ストリート・ヴァージョン」てことは路上ライブ録音?車の往来の音が聴こえる。アコギ、ベース、ドラム、ピアニカの薄いサウンドをバックに、平泉さんはいつになくぶっきら棒に、ちょっと清志郎ぽく吐き捨てるように歌っている。アルバムではオルガンが効いたタイトなレゲエサウンドだったのと対照的。内容的には、このシングルヴァージョンのルーズなムードが合っているかも。昨年再発された『benzoの場合 -Deluxe Edition-』に当然入るべきトラックだと思うが、なぜか収録されなかった。おや、『DAYS -Deluxel Edition-』のボートラに「 泪とタタミの日々(Studio Session Ver.) 」てのがあるけど、また別ヴァージョンなのかな。


定価1000円、中古で100円。
同時発売のアルバムと同じ日に撮られた写真だろう。砂浜で所在なさげに坐り込む4人は、やたら小さく右下に配置されている。コントラストの強いモノクロ写真が上部の空白を強調する。


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2 コメント

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Unknown (あや)
2014-03-19 23:45:48
わーなになになに? 知らなーい! 泪とタタミの日々(ストリート・ヴァージョン)??
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Unknown (nakamura8cm)
2014-03-19 23:54:01
平泉マニアの方から!今度お聞かせしましょ。
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