失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「もう青い鳥は飛ばない」 hàl 1998年

2014-03-07 | 
hàlの4thシングル。

①もう青い鳥は飛ばない
作詞・作曲:丸木戸定男、編曲:高野勲
丸木戸定男=曽我部恵一。曲提供は少なくないが、なぜかハルに提供するときだけ使用しているペンネームらしい。呉田軽穂に憧れて?言われてみれば曽我部さんらしい、シリアスかつ抒情的なロック。元benzo、サニーデイ・サービスのサポートキーボーディストとしても活躍した高野勲のテンション高いアコギのストロークで始まる。つづくハルのヴォーカルは、それまでのオシャレ系なイメージとは異なり、生々しく重いムード。ちょっとCoccoに近い印象を受ける。歌詞も「あなたはやって来て 私を誘うのね 街の向こうの水辺へと」と、不穏な導入。で、サビは力強いメロディで「もう青い鳥は飛ばない 花が色づくだけ」と宣言される。空虚さを表現したようなジャケと合わせると、少女性の喪失のようなテーマが浮かび上がってくる。この後、SSWとして開花していくハルの転換点と言えそうな、新境地。

②ひこおきぐも
作詞:hal、作曲:木戸功、編曲:パレード
こちらは初期ハルっぽい、スウェディッシュ風の軽快な曲。ミックスも(これは違うけど)タンバリンぽいし。アレンジ担当「パレード」とは木戸功、津崎博昭、平見文生によるバンド名。

③①のカラオケ

④もう青い鳥は飛ばない (Tambourine Mix)
ジャケには一切記載のない、シークレットトラック。Wikiに載ってたのと、iTunesでトラック名が出たので「Tambourine Mix」は間違いない。
スウェディッシュ音楽の総本山、タンバリン・スタジオの名を冠したリミックス。ヴォーカルの処理はいかにもタンバリン。①より1分短く、アウトロのギターソロなんて興味なさげにぶった切る。

定価1020円、中古で100円。
初回盤のみの見開き仕様で、上半分が表ジャケ。通常盤は同じ写真を縮小したジャケのようだ。黒バックにシンプルな衣装のハルさんが、空のマグカップをこちらに向けている。初期ハルとの決別を感じさせる、内省的な雰囲気。

ハルさんのオフィシャルサイトは閉鎖されたようだし、ブログ、ツイッターもしばらく更新なし。主婦に専念していらっしゃるのだろうか。


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2 コメント

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Unknown (k-hiko)
2014-03-10 09:13:34
男前な名曲ですね。
ファンを自称していますが、これ、8cm持ってませんでした。

主婦なんですね。
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Unknown (nakamura8cm)
2014-03-12 00:17:25
うん、たしかに男前な、ぐいぐい迫られて押し倒されるような迫力です(笑)

アルバムと別ヴァージョンらしいので、タンバリンミックス含め、シングルでしか聴けないようです。
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