失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「SPRING LOVER 大作戦」「SUMMER LOVER 大作戦」 クレア 1993年

2007-03-23 | アイドル系
Qlair are:
今井佐知子
井ノ部裕子
吉田亜紀

「乙女塾」(フジテレビタレント育成講座)から1991年デビュー、1994年解散。シングル7枚、オリジナルアルバム3枚を残している。彼女たちの6th&7thシングルは、なんと同じ曲という荒業。

左、3月発売の春盤。

①SPRING LOVER 大作戦
作詞:西尾佐栄子、作曲:木戸やすひろ、編曲:窪田晴男
この3人の声のバランスはなかなか魅力的。あまり突出していないリードヴォーカルと、コーラスふたりという配分が(誰が誰かは分からんが)ありそうでなかったテイストかも。意外とちゃんとハモってるし。あと、ちょっと薄幸そうなルックスもポイント高いな。そして曲がとてもいい。春のウキウキした気分にピッタリの胸キュンポップス!…と書いてて恥ずかしくなるようなフレーズが頭をよぎってしまうくらい。このサビの切なさは売れてもおかしくない、と思うが90年代前半ってアイドルポップス氷河期だったか。タイミングが悪かったね…そういう私も当時は全く知らなかった。

②お引っ越し
作詞:芹沢類、作曲:広谷順子、編曲:門倉聡
①に比べれば、やっつけ的な曲ではあるが、やはりコーラスに魅力あり。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で105円。

右が7月発売の夏盤が、ラストシングル。

①SUMMER LOVER 大作戦 (SPRING LOVER 大作戦 夏ヴァージョン) カルピスソーダCFイメージソング
作詞:西尾佐栄子、作曲:木戸やすひろ、編曲:窪田晴男
リズムアレンジはほとんど同じで、春はハーモニカだったところが夏はサックスになってたり、ところどころ変わっている。サイズはこっちのが20秒ほど長い。そしてもちろん歌詞は変えてる(半分くらい)。サビは「春は恋の季節」→「夏は恋の季節」になってる以外全く同じ。ちょっと、いやかなり手抜き感が強いシングルだが、よほど「SPRING LOVER 大作戦」の評判がよかったのだろうか。CMタイアップが決まって「じゃ、そのまんま夏にしときますか!」みたいな軽いノリで作っちゃったのか。

②瞳いっぱいの夏 Radioactivity (瞳いっぱいの夏~白いパラソルメドレー)
作詞:西尾佐栄子、作曲:木戸やすひろ、編曲:窪田晴男
(白いパラソル 作詞:松本隆、作曲:財津和夫)
オリジナル曲「瞳いっぱいの夏」に、聖子の「白いパラソル」のAメロとサビがそれぞれ唐突に組み込まれているという強引な構成。これが上手く溶け込んでるかというとそうでもなく、ぶつかり合いながらも奇跡的な化学反応を起こしてるなんてことも一切なく、ただただ居心地の悪さが残るバラバラ感。残念賞!って感じ。素直に「白パラ」のカヴァーだけじゃいけなかったのだろうか…

③①のカラオケ

定価1000円、中古で105円。

4枚組ベスト『アイドル・ミラクルバイブルシリーズ Qlair Archives』(2005)には12年ぶりの新曲「永遠の少年」という曲が収められてる。曲自体は12年前に片寄明人(当時ロッテンハッツ)が書き、お蔵入りしていたものを新録したらしい。聴いてみたいけど、4枚組はちょっとねえ…

で、春には「MUSIC CATALOG Vol.2」、夏には「Vol.4」が付いてきた。Vol.2にはロッテンハッツ「STAY」、SDP「後者」などが収録されているが、アーティストのコメントがなく、川平慈英(だよな)のナレーションのみ。ラストはエックスの「ENDLESS RAIN」のオーケストラ版という意味不明のトラックであった。Vol.4は、MCが川勝正幸とA.K.I.!ゴシちゃん「白い色は恋人の色」伊藤銀次「涙の理由を」などなど。A.K.I.がいちいちドスをきかせていて、うるさい。



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