失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ダイナマイトとクールガイ」 ムーンライダーズ 1992年(2回目)

2006-11-28 | 湾岸系
11月24日、C.C.Lemonホールでムーンライダーズ。

30周年を締めくくるライブ。あと、インストアと映画が残ってるけど。
ニューアルバム『MOON OVER the ROSEBUD』は久々に頭から終わりまでしっかり聴きこんだアルバムであった。今回のライブについては既に各所で語られているとおり、前半に畳みかけるようにニューアルバムの曲を並べ、後半は過去の曲を織り交ぜて、という構成。いつものことだけど、慶一さんのヴォーカルはちょっと不安定でヒヤヒヤするところも多いのだけど、やはりこの人の声でないと、という存在感が抜群。1977年の(バンドとしての)デビューアルバムから、「砂丘」はともかく「シナ海」がチョイスされていたのには意表を突かれた。

この92年のシングル曲は、本編最後の「Cool Dynamo, Right on」の前に演奏された。生で聴いたのもしかすると初めてだったかな?内容・クレジットについてはこちらを。今回は裏ジャケ(無表情ヴァージョン)を出してみた。改めて聴くと、「虹」「スカート」「砂の天使」そして「ダイナマイト」と、「Cool Dynamo, Right on」とよく対応しているなあ。

ライダーズファンってライブ会場に行くと結構いるけど、普通にはなかなか出会わない。私は唯一、大学の同期にひとりいて感激した。いつもライブに一緒に行く妻は、私が聴かせて増やしたファンだし。それがどうでしょ、ネット界にはたくさんいるではないですか。やっぱりメジャーなんだな、と確認したり安心(?)したり。


以下、個人的な覚書。

ムーンライダーズとの出会いは1984年、『AMATEUR ACADEMY』。毎週聴いていた坂本龍一のサウンド・ストリートに慶一さんがゲスト出演。大袈裟に言えばこれが運命の出会い。今調べたら、1984.7.31(アルバム発売3週間前)良明さんも一緒だったんだ。忘れてたな。このときはレコードは買わず、エアチェックしたテープをひたすら聴いてた。

1985年、『ANIMAL INDEX』が初めて買ったニューアルバム。アナログレコードだった。記憶が定かでないが、これと前後して中古屋で『火の玉ボーイ』(もちろんアナログ)を手に入れた。やはりこの頃カセットブック『マニアマニエラ』を購入。もう戻れなくなった。

1986年、『DON'T TRUST OVER THIRTY』。ご存知80年代日本のロックを代表する名盤。これはCDで。初めて聴いた瞬間から、すべての音が染みこむように体に入ってきた。アルバムまるごと一気に理解できてしまう。こんな体験は同じく1986年、プリンス『パレード』初聴きと、生涯2回だけだ(十代にしかありえない瞬間なのかも?)。この年の12月9日、初ライブ。日本青年館でもの凄いものを目撃した。この日の模様は何度か引用しているこの記事参照。

このあとバンドは長い活動休止期間に入る。その間に手に入る音源はだいたいフォローしたが、なぜか出会いの『AMATEUR ACADEMY』だけ入手困難で、1990年のメトロトロン盤の登場まで待たなければならなかった。今回30周年記念本で初回盤はタイトルが『AMATUER ACADEMY』とミススペリングがあることを知った。ホントだ!うちのも間違ってるよ!

活動再開後はすべてリアルタイムでフォロー。シングルもきちんと買おう、と決意したのが現在の8cmコレクター道につながっているとかいないとか。

思えばもう23年聴いてるってことか。30年本、まだ全部読みきれてないけど、大滝さんのインタビューがなんとも素晴らしかった。「前史全部なくてもいいんじゃない、あの人たちには」「これからだよ、これから。」さすが、御大。冗談のようで本質を捉えている。ようでやっぱり冗談かも…

23年も聴かせてくれて、なおかつ新作が一番いいんじゃね?と思わせてくれるバンドなんてそうはない(アルフィーのファンもそう言ってるかもしれんが)。これからも新譜が出るたび買いにいくのだろうな、と思う。




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7 コメント

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うーん (moonlightdrive)
2006-11-29 00:04:36
愛を感じる感動的な記事です…。nakamura8cmさんとライダーズ、こうしてあらためて歴史を読ませてもらうとじつに濃く深い付き合いですねー。私なんか出合いこそ『青空百景』と古いけど(それでもその頃はものすごく「新参者」感ありましたけどねー・笑)、中抜けありまくりのスッカスカ。それに比べてnakamura8cmさんの「活動再開後はすべてリアルタイムでフォロー」って、素晴らしいです、ほんと。

>ライダーズファンってライブ会場に行くと結構いるけど、普通にはなかなか出会わない。
>ネット界にはたくさんいるではないですか
ほんとほんと!しみじみそう思うよねー。特に今年、30周年のライブや新譜の話題を、ネット上で語ってる人の多さにビックリ!「なんだ、みんな好きなんじゃ~ん」とニヤニヤ肘でつつきたくなっちゃいました(笑)。
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Unknown (石ばし)
2006-11-29 00:30:10
僕なんてここ10年足らずのファン歴ですから、新参者の部類ですよ。普通のアーティストの場合、そんだけ好きでいれば新参とは言えないですけどね。はは。でも今回の新作でファンになった人たちがいるとしたら、その出会いもちょっと羨ましく思えたりして。

バンドに歴史あれば、ファンにも歴史ありですねー。
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へへ (nakamura8cm)
2006-11-29 00:56:40
そういえば思いだしましたが、私も84年に新参者だったとき「古いファンってちょっとうるさそう」とか思ってました(笑)。まあ、それくらいでいいか、などと考えつつ、石ばしさんの言うように、新しいファンを少し羨ましく感じる気持ちもあります。

moonlightdriveさん、またもや引用させていただきました。あの記事は私の目標かもしれません。

「リアルタイムでフォロー」と言っても東京にいなかったり、あまりにも忙しかったりで、実はコンスタントにライブにいけるようになったのはここ最近です。90年代はもしかすると20周年野音だけ?あと一回くらいは見たかな…

30周年ということで、自分のファン歴をちょっと振り返ってもいいかな、と書いてみました。
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ハクブンさん、ちょっとスネオみたい (言葉屋)
2006-11-30 20:35:07
ライダーズ、シングルもあるのですね。
私はファン暦一桁ですので、まったくの初心者です。原田知世さん経由できました。「DON'T TRUST OVER THIRTY」を聞いてひっくり返ってしまうほどの衝撃でした!
30年本、私も偶然本屋で見つけまして、立ち読みをしましたが、とても興味深い本でした。歴史を追体験できる、そんな感じで。後で買おうと思ってます。
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どうも (popholic)
2006-11-30 23:53:46
僕も85年「ANIMAL INDEX」のアナログが最初に買ったライダーズ。86年の「ドントラ」に受けた衝撃。活動再開後は全てリアルタイムでフォロー、もちろんシングルも…って全く同じ道筋ですよ。
最新作が最高作!だからライダーズは止められない。
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おー (nakamura8cm)
2006-12-01 00:02:32
言葉屋さんもライダーズ好きですか!
やっぱり知世経由という方は結構いらっしゃるのですね。
美奈代経由というのは聞いたことないけど(笑)。
30年本、早めに買ったほうがいいですよ。ああいうものは見つけたときに買っとかないと、すぐ店頭から消えますから。
スネオ…のび太混じり?微妙におちょぼ口ですよね。
慶一さんはずいぶんやせてたなあ、と(笑)。
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ども! (nakamura8cm)
2006-12-01 00:15:57
popholicさん、こんばんは。
そこまで同じ道筋とは!ちょっと気持ち悪い?(笑)『ドントラ』の密度にちょっと忘れられがちですが、『ANIMAL INDEX』はやはり思い入れのあるアルバムですねー。30年本の表紙になってたのもウレシイ。
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