失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ろくでなし」小島麻由美 1999年

2005-07-01 | 
しつこく攻めてみる。洋楽日本語カヴァー。のカヴァー。

小島麻由美と言えば、本人筆によるシンプルな描線の女の子イラストのジャケットだが、これは白地に赤のタイトル&アーティスト名のみという野蛮さ。何かがいつもと違う?

①ろくでなし
訳詞:岩谷時子、作曲:S. アダモ、編曲:小島麻由美
原曲:MAUVAIS GARCON/Salvatore Adamo 1964
越路吹雪トリビュート・アルバム「拝啓、越路吹雪様」(1996年)収録曲を、3年後にシングル・カット。オリジナルのアダモも、越路の日本語カヴァーも1964年。訳詞の岩谷時子を含めた3人のコラボレーションで、他にも「サン・トワ・マミー」「雪が降る」のヒットを飛ばしている。越路の洋楽カヴァーのほとんどの詞を手がけた岩谷は、元々翻訳家でも作詞家でもなかったのに、越路のマネージャーをやりつつ次々訳詞をこなしているうちに大作詞家になっていたらしい。代表作は「君といつまでも」「サインはV」など。ミュージカル「レ・ミゼラブル」の訳詞もこの人。

「昭和歌謡&フレンチ」というどう考えても小島におあつらえ向きの素材を、余裕かつ真剣に遊んでみた名カヴァー。エコーの効いたギターのイントロから、ときに気だるく、ときにドスをきかせる変幻自在のヴォーカリゼーション。言うことなし。越路吹雪も草葉の陰で微笑んでいるに違いない。

「レッツ・オンド・アゲイン」におけるチャビー・チェッカー→大滝詠一・布谷文夫→細川たかしの流れもかなり素敵だったが、このアダモ→越路→小島も負けず劣らず豪華な組み合わせ。

一応触れておくと、ワハハ本舗の梅ちゃんこと梅垣義明のもちネタのテーマ曲としても有名。検索してたら、「鼻から豆を飛ばすパフォーマンス『ろくでなし』を代表作とする…」という説明があった。ふーん、代表作なんだ。

②カラオケ

ジャケット裏には「越路吹雪さんに捧げます。」の一文と、ステレオセットの前でソファーに座り、遠い目をして左足の裏を見せる小島の写真が。謎度高し。

定価700円、中古屋で100円。
二日前、新宿アルタ裏の中古屋をふと覗いたら30枚ほどの8cmCDがマキシシングル100円コーナーの片隅に置いてあった。ざっと見たら「ろくでなし」と「はつ恋」の新品が3枚ずつあったので、一枚ずつ買った。残り2枚ずつ。一階の入ってすぐ左の棚。お買い得ですよ。売切れ御免。
 

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