失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「赤い鳥」 宝生舞 1998年

2014-03-03 | 女優よ
宝生舞の2ndシングル。

シングル2枚のみで音楽活動を終了した、ピュア8㎝シンガー。

①赤い鳥
作詞:森若香織、作曲・編曲:朝本浩文
イントロなしのサビはじまり。歌声のあとからアコギが重ねられ、つづいて淡々としたリズムを刻むバックトラック。宝生さんはクールビューティーらしく乾いた調子で、うっすらとした諦念を感じさせる。後半に演奏が盛り上がってきても、落ち着き払ったその姿勢を崩さない。ミニマルな情景描写や抽象的な言葉の羅列の行間に、恋が終わった喪失感を浮かび上がらせる。それでいて何となく高揚感もあるあたり、ジョビンの名曲「Águas de Março(三月の水)」に近いテイスト、というのは褒めすぎか。同じく森若香織とのコンビによる、りょうの「KOO-KOO」(1997)でも発揮されていた、歌唱力の欠如を逆手にとった朝本浩文の手腕が見事。この条件でないと成立しない刹那的な美しさが、ここにはある。

②赤い鳥(echo from sky mix)
いわゆるダブ・ミックス。

③①のカラオケ

定価1020円、中古で100円。
どの写真見ても基本的に不機嫌そうな表情の宝生さん。目力の強い美人なので、笑わないのは正解。

裏ジャケ。サイン入りだった!



それにしても思いっ切り自分の顔の上に太字で「With Love」って。表でよかったのに。


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