「 汝の道を歩め 瀧川幸辰 」
伊藤孝夫 著(ミネルヴァ書房)
瀧川事件とは
戦前に京大教授の瀧川幸辰が赤化教授として
京大を休職処分にされた事件。
この瀧川事件の発端が
瀧川幸辰が中央大学法学部で行った講演
「復活」を通して見たるトルストイの刑法観
だった。
この講演は、
当時の刑法学の三大家で、
かつ高等文官試験の試験委員であった
東大の小野清一郎、
中大(大審院判事)の草野豹一郎、
京大の瀧川幸辰の3人を招いて行われたもの。
当時の中央大学新聞(1932年11月15日)には、
「菊花と共に咲いた學の華
斯界の三傑を聘して刑法學大講演會
-小野、瀧川、草野三教授-」
との表題が踊っている。
瀧川事件は、言論弾圧の対象が
共産主義のみならず自由主義的な言論にまで
拡大するきっかけとなった
日本史上の大きな転換点に位置する事件だ。
法科の中央は、
このような法学上の大事件が始まった舞台であった
のだ。
滝川幸辰―汝の道を歩め (ミネルヴァ日本評伝選) 価格:¥ 2,310(税込) 発売日:2003-10 |