この世界では、一度ゾンビパニックが起きて、
それを鎮圧し終わったという設定。
ただ、ウィルスは残っており、それに感染すると
36時間後にはゾンビになってしまう。
しかし、研究の結果完成した「注射薬」を打てば
また36時間だけゾンビにならずに済む。
だから、その注射薬を毎日打たないといけない。
全員必ずゾンビから復活できるわけではない。
注射薬が適合した人を「リターンド」と呼ぶ。
リターンドは注射薬を打つ以外は普通の人と同じ
だが、反リターンド勢力は、時限爆弾のような
彼らを快くは思っておらず、せん滅しようと
テロを起こす。
そしてある日を境に、注射薬に必要なタンパク質
が足りなくなり、注射薬を製造できない可能性が
政府より発表される。
リターンドやその家族は焦って注射薬を探す。
反リターンド勢力はリターンドがゾンビになる
前に、さらにテロ行為を強めていく。
主人公はリターンド専門の病院の女医。
6年前からリターンドになっている彼氏と
一緒に住んでいる。
この映画は決して「ゾンビ映画」ではない。
ゾンビという表現もほとんど出てこない。
よくあるゾンビ映画の設定を日常に落とし
込んで、人間の心の機微を表現した映画。
だからゾンビアクション映画を期待している
人は絶対に見ないで欲しい。
最後の最後に、リターンドが全員ゾンビに戻り、
人間を殺戮していく。なんてことも一切ない。
ただ切なくなる、そんな素晴らしい映画。
配給会社が付けた邦題が問題か。
原題は「The Returned」
ゾンビってつけたらわかりやすいけれど、
ゾンビアクション映画を連想してしまう。
駐車場での主人公の行動にだけ、
「なんでそうなるねん!アホ!」
と、言いたくなるけれど、他は納得度は高い。
とてもオススメ。