最近の生鮮野菜のうち「じゃがいも」の消費の推移を見ていきます。
◇じゃがいもの購入数量の季節変動(2008年1月~2017年3月の平均)について
じゃがいもの出回る時期は、代表品種の「男爵」などは9月から12月、長崎県や鹿児島県で栽培されている「デジマ」などは、「新じゃが」として4月から6月ごろです。
(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)
購入数量の多い時期は、2月から「新じゃが」が出回りだす4月、5月頃で、7月、8月の夏場には少なくなっています。
◇じゃがいもへの支出金額の推移(二人以上の世帯)について
分析期間(2008年1月から2017年3月)における支出金額の推移は、2008年1月の214円から2011年4月の251円まで増加傾向で推移した後、5月の250円から2013年5月の184円までは減少傾向での推移となっています。
2013年6月の187円から20147年3月の253円までは、期間中若干の増減は有るものの、増加傾向での推移となっています。
◇じゃがいもの実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における実購入頻度の推移は、2008年1月の2.08回/月から2012年8月の1.94回/月までの間は減少傾向で推移した後、9月の1.95回/月から2017年3月の1.97回/月までの間は、期間中若干の増減は有るものの、平均的には1.98回/月±0.02回/月とほぼ横ばい状態での推移となっています。
◇じゃがいもの購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における購入1回当り支出金額の推移は、2008年1月の102円/回から2011年4月の122円/回までは、横ばいから増加傾向で推移した後、5月の120円/回から2013年4月の93円/回までは減少傾向で推移しています。
その後、5月の94円/回から2017年3月の127円/回までは、期間中若干の増減が含まれるものの、増加傾向での推移となっています。
◇じゃがいもの購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における購入1回当り購入数量の推移は、2008年1月の493g/回から2010年12月の427g/回まで減少した後、2011年1月の428g/回から2013年2月の466g/回まで増加傾向で推移しています。
その後、3月の466g/回から2017年3月の383g/回までは減少傾向での推移となっています。
じゃがいも1個の重さは、中程度のもので150g前後ですから、1回の購入は3個程度と考えられます。
◇じゃがいもの(購入1回当り)購入単価の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における(購入1回当り)購入単価の推移は、2008年1月の21円/100gから2011年3月の28円/100gまでは値上がり傾向で推移した後、4月の28円/100gから2013年4月の20円/100gまでは値下がろ傾向で推移しています。
その後、5月の20円/100gから2017年3月の32円/100gまでは値上がり傾向での推移となっています。
○じゃがいもの購入単価と購入数量との関係について
じゃがいもの購入単価と購入数量との関係について相関分析を行ってみました。
決定係数(R2乗)は、0.8781と強い負の相関関係にあり、購入単価と購入数量との間には単価が下がれば数量が増え、または単価が上がれば数量が減るという明確な関係性が見られます。
近似曲線(直線)の式から見て、購入単価が5円/100g下がると、35g購入数量が増えることになりますが、じゃがいもの最低購入単位は1個(約150g)ですので、月単位又は複数月単位で1回の購入が3個から4個に増える程度のことと思われます。
◇じゃがいもの購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における購入世帯割合の推移は、2008年1月の59.7%から2017年3月の57.5%へとやや減少傾向の推移ですが、y軸のスケールの関係で増減が見られるものの、平均的には58.2%±0.9%とほぼ横ばいでの推移となっています。
◇都道府県庁所在市別「じゃがいも」の消費(購入数量、支出金額)について
都道府県庁所在市別のじゃがいもの消費は下表、下図の通りです。
じゃがいもの収穫量の多い都道府県は、北海道、長崎県、鹿児島県、茨城県、千葉県ですが、北海道は9月から12月までの間の収穫量が多く、長崎県、鹿児島県は3月から5月にかけて多くなっています。
収穫量は、北海道が最も多く全収穫量の85%程度を占め、長崎県、鹿児島県は併せて10%程度を占めています。
なお、生鮮野菜で収穫量が一番多いのはじゃがいもで、年間約240万トン収穫できます。
購入数量は、生産地や首都圏、京阪神で多く、北東北、で少ない傾向にあります。