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相模野のトト

家計調査データを読む

最近の生鮮野菜(ねぎ)の消費(購入数量、支出金額)の推移について

2017年06月20日 15時07分14秒 | 社会・経済

最近の生鮮野菜のうち「ねぎ」の消費の推移を見ていきます。

◇ねぎの購入数量の季節変動(2008年1月~2017年3月平均)について

ねぎは通年で入手可能な野菜ですが、それでも旬の時期と端境期は明確に有ります。

(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)

ねぎの旬の時期(多く出回る時期)は10月から3月頃で、端境期(出回りの少ない時期)は4月から9月頃となっています。
ピークが12月でボトムが7月の周年サイクルとなっています。

◇ねぎへの支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間(2008年1月から2017年3月)におけるねぎへの支出金額の推移は、2008年1月の241円から2010年11月の264円までは増加傾向で推移し、その後、12月の261円から2012年8月の223円まで値下がり傾向で推移しています。
2012年9月の226円から2017年3月の270円までは、期間中若干の増減が含まれるものの、増加傾向での推移となっています。



◇ねぎの実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における実購入頻度の推移は、分析期間を通じて平均的には2.51回/月±0.02回/月と、グラフでは増減の変動が強調されて見えますが、ほぼ横這いでの推移となっています。



◇ねぎの購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当り支出金額の推移は、2008年1月の95円/回から2010年11月の105円/回までは増加傾向で推移した後、12月の105円/回から2012年8月の89円/回まで減少傾向でで推移しています。
その後の2012年9月の89円/回から2017年3月の109円/回までは、期間中数度の増減を繰り返しながら増加傾向での推移となっています。



◇ねぎの購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当り購入数量の推移は、2008年1月の165g/回から2009年2月の183g/回までの間は増加傾向で推移し、その後は3月の183g/回から2017年3月の152g/回までの間は、若干の増減は有るもののほぼ減少傾向での推移となっています。

東日本は「白ねぎ(長ねぎ)」、西日本は「青ねぎ(葉ねぎ)」と異なったねぎが好まれており、白ねぎは1本の重さが100g~150g、青ねぎは1把100g程度の商品が流通の主体となっています。
白ねぎ、青ねぎの両方を合わせたものが統計値となっていることから、1回の購入数量は白ねぎは2本セット、青ねぎは1把単位が1回の購入単位と考えられます。

◇ねぎの(購入1回当り)購入単価の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における(購入1回当り)購入単価の推移は、2008年1月の61円/100gから2009年3月の51円/100gまでの間は減少傾向で推移し、その後は4月の51円/100gから2017年3月の71円/100gまでの間は、期間中横ばいで推移した期間が含まれるもののほぼ増加傾向での推移となっています。



○ねぎの購入単価と購入数量の関係について

購入単価と購入数量との関係について、相関分析を行ってみました。
決定(相関)係数(R2乗)は、0.7428と強い負の相関が認められます。



近似曲線(直線)の式から、購入単価が10円/100g下がると購入数量は13g増えることが分かります。

◇ねぎの購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入世帯割合の推移は、グラフではy軸(購入世帯割合)のスケールが65.0%から71.0%の狭い範囲を表しているので、増減が強調されて見えますが、期間中は平均的には68.5%±0.5%とほぼ横這い状態での推移となっています。



◇都道府県庁所在市別「ねぎ」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市別のねぎの消費は下表、下図の通りです。




購入数量と支出金額の関係を見ると決定係数(R2乗)は、0.1775と関連性はあまり見られないという結果になっています。
例えば、京都市と福島市を比べてみると、京都市の購入数量は4,944g、福島市は4,856gとほぼ同じですが、支出金額は4,240円と2.526円と大きく異なります。
購入単価は、京都市は85.76円/100g、福島市は52.02円/100gと33.74円/100gと大きく異なり、「ねぎ」と言っても種類が異なるということは容易に想像できます。
ねぎは大きく分けて「白ねぎ(根深ねぎ・長ねぎ)」と「青ねぎ(葉ねぎ)」があります。
東日本では白い部分を食べる白ねぎが好まれて、西日本は根元まで青い「青ねぎ」が好まれて、東日本と西日本では流通しているねぎの種類が異なっているため、このようなことが生じています。
ねぎの生産量が多い都道府県は、千葉県、埼玉県、茨城県、北海道、群馬県と白ねぎの生産が多く、消費量も多くなっています。
九州、四国地方は消費量は少ない傾向にあります。


最近の生鮮野菜(はくさい)の消費(購入数量、支出金額)の推移について

2017年06月14日 05時02分40秒 | 社会・経済

最近の生鮮野菜のうち「はくさい」の消費の推移を見ていきます。

◇はくさいの購入数量の季節変動(2008年1月~2017年3月の平均)について

野菜は植物であることから収穫時期が限られていましたが、栽培技術や保存技術の発達により通年入手が可能となってきています。
それでも旬の時期や端境期は存在し、そのことが季節変動を生み出しており、購入数量や購入単価、支出金額などに影響を与えています。
今回取り上げるはくさいは、比較的季節変動が明確ですので、購入数量を例にその変動を見てみました。


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)

はくさいの旬の時期(多く出回る時期)は10月から2月頃で、端境期(出回りの少ない時期)は3月から9月頃となっています。
ピークが12月でボトムが8月の周年サイクルとなっています。

◇はくさいへの支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間(2008年1月から2017年3月)における支出金額の推移は、2008年1月の93円から2013年5月の94円までの間は、平均的には98円±6円と若干の変動はあるもののほぼ横ばいで推移し、6月の96円から2017年3月の127円までの間は、増減の振幅は大きいものの増加傾向での推移となっています。



◇はくさいの実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における実購入頻度の推移は、2008年1月の1.6回/月から2017年3月の1.8回/月と、期間中若干の増減が含まれるものの、緩やかな増加傾向となっています。



◇はくさいの購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当り支出金額の推移は、2008年1月の54円/回から2012年10月の47円/回までの間は若干の増減は有る(55円/回±3円/回)ものの横ばいから減少傾向で推移し、11月の49円/回から2017年3月の67円/回の間は増減の振幅が大きいものの増加傾向での推移となっています。



◇はくさいの購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当り購入数量の推移は、2008年1月の393g/回から2017年3月の349g/回まで、期間中小刻みな増減変動(378g/回±20円/回)を繰り返しながら緩やかな減少傾向で推移しています。



流通品のはくさい1株の重さは1.5~2Kg、1/4カットは375g~500gですので、家庭での消費は1/4カットが主流と思われます。

◇はくさいの(購入1回当り)購入単価の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における(購入1回当り)購入単価の推移は、2008年1月の15円/100gから2014年12月の14円/100gまでの間は、平均的には16円/100g±1円/100gと若干の値上がり値下がりはあるものの横ばい状態で推移し、その後は2015年1月の14円/100gから2017年3月の22円/100gへと値上がり傾向での推移となっています。



○はくさいの購入単価と購入数量の関係について

購入単価と購入数量との関係について、相関分析を行ってみました。
決定(相関)係数(R2乗)は、0.655とキャベツやほうれんそうより強くは有りませんが、強い負の相関が認められます。



近似曲線(直線)の式から、購入単価が5円/100g下がると購入数量は35g増えることが分かります。

◇はくさいの購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入世帯割合の推移は、2008年1月の42.6%から2017年3月の44.8%の間は、平均的には44.5%±1.0%と多少の変動は有るものの、ほぼ横這い状態での推移となっています。



◇都道府県庁所在市別「はくさい」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市別のはくさいの消費は下表、下図の通りです。






京阪神、和歌山、奈良市の近隣都市での購入数量、支出金額が多いのですが、〔長崎市(9,256g)、熊本市(6,651g)〕、〔大津市(8,993g)、福井市(5.894g)〕や〔盛岡市(8,436g)、山形市(5,335g)〕のように近隣でも購入数量に大きな差のある地域もあります。
はくさいの生産量の多い都道府県は、茨城県、長野県、北海道、群馬県および愛知県ですが、茨城県および長野県の2県で国内生産量の約6割を占めています。


最近の生鮮野菜(ほうれんそう)の消費(購入数量、支出金額)の推移について

2017年06月09日 04時37分48秒 | 社会・経済

最近の生鮮野菜のうち「ほうれんそう」の消費の推移を見ていきます。

◇ほうれんそうへの支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間(2008年1月から2017年3月)における「ほうれんそう」への支出金額の推移は、2008年1月の175円/月から2013年6月の171円/月の間は平均的には175円/月±3円/月と横ばい状態からやや減少傾向で推移しています。
その後、7月の171円/月から2015年5月の190円/月まで増加傾向で推移し、6月の190円/月から2017年3月の181円/月までの間は、平均的には185円/月±3円/月と横ばい状態での推移となっています。



◇ほうれんそうの実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における実購入頻度の推移は、2008年1月の2.2回/月から2017年3月の2.1回/月へと、期間中僅かな増減は有るもの緩やかな減少傾向となっています。



◇ほうれんそうの購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当りの支出金額の推移は、2008年1月の75円/回から2017年3月の85円/月へと、期間中僅かな増減は有るものの緩やかな増加傾向となっています。



◇ほうれんそうの購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当り購入数量の推移は、2008年1月の145g/回から2017年3月の120g/回へと、期間中僅かな増減は有るものほぼ一貫した緩やかな減少傾向となっています。



◇ほうれんそうの(購入1回当り)購入単価の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における(購入1回当り)購入単価の推移は、2008年1月の53円/100gから2017年3月の74円/100gへと、期間中細かな上昇下降が含まれるものの、値上がり傾向で推移しています。



○ほうれんそうの購入単価と購入数量の関係について

ほうれんそうの購入単価と購入数量の関係について相関分析を行ってみました。
検定係数(R2乗)は0.7691と、キャベツほどではありませんが、購入単価が上昇すれば購入数量が減少し、逆に購入単価が下がれば購入数量が増える強い負の相関が認められます。



近似曲線(直線)の式から、購入単価が10円下がると購入量は10g増えることが分かります。

◇ほうれんそうの購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入世帯割合の推移は、2008年1月の55.6%から2017年3月の51.0%へ、期間中僅かな増減はあるもの緩やかな減少傾向で推移しています。



実購入頻度、購入1回当りの購入数量および購入世帯割合の推移からみると、ほうれんそうの需要はほぼ飽和状態にあるものと思われます。

◇都道府県庁所在市別「ほうrんそう」の消費(購入数量、支出金額)について


都道府県庁所在市別のほうれんそうの消費は下表、下図の通りです。




ほうれんそうの生産量の多い都道府県は、千葉県、埼玉県、群馬県、茨城県および宮崎県です。
都道府県庁所在市別で消費量の多い都市は、生産量の多いところとは必ずしも一致していません。
宮崎県は生産量5位ですが、宮崎市は購入数量45位です。
盛岡市は購入数量1位ですが岩手県の生産量は17位、秋田市は購入数量2位ですが秋田県の生産量は36位となっています。
都道府県庁所在市別のほうれんそうの購入数量と支出金額の相関関係は、決定係数(R2乗)が0.8052とキャベツのようなばらつきは少なく、購入数量の多い都市は支出金額も多く、購入数量が少なければ支出金額も少なくなっています。


最近の生鮮野菜(キャベツ)の消費(購入数量、支出金額)の推移について

2017年06月06日 10時56分05秒 | 社会・経済

最近の生産野菜のうちキャベツの消費の推移について見て行くこととします。
使用したデータおよび分析方法は、生鮮野菜(総合)編と同じです。
なお、2017年3月16日に、総務省統計局から「品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(平成26年(2014年)~28年(2016年)平均)」が公表されていますので、個別の生鮮野菜についてどの程度の地域差があるのかをビジュアル的に見てみることとしました(グラフの煩雑さを少しでも緩和するため、政令指定都市は省略しています。)。

◇キャベツへの支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における支出金額の推移は、2008年1月の180円から2017年3月の270円まで、期間中±10%以上の増減を繰り返しながら増加傾向で推移しています。
グラフでは周期的な変動に見える増減については、その原因について後述します。


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)

◇キャベツの実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について

分析期間におけるキャベツの実購入頻度の推移は、2008年1月の2.0回/月から2017年3月の2.3回/月へと、期間中多少の変動はあるものの一貫した増加傾向となっています。



◇キャベツへの購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当りの支出金額の推移は、2008年1月の90円/回から2013年3月の120円/回と、期間中±9%の増減変動はあるものの増加傾向での推移となっています。



◇キャベツの購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当りの購入数量の推移は、2008年1月の770gから2013年3月の640gへと、期間中±5%の増減を繰り返しながら減少傾向での推移となっています。



◇キャベツの(購入1回当り)購入単価の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における(購入1回当り)の購入単価の推移は、2008年1月の12円/100gから2017年3月の18円/100gへと、期間中±15%の値上がり値下がり変動を繰り返しながら値上がり傾向で推移しています。



購入単価の値上がり傾向が購入数量の減少傾向より大きいことから、結果として支出金額が増加傾向となっています。

○キャベツの購入1回当りの購入単価と購入数量の関係について

上記で見てきたように、支出金額、購入数量および購入単価は周期的にみえる増減変動を伴った推移となっています。
そこで、購入単価と購入数量の関係について相関分析を行ってみました。
決定係数(R二乗)は0.8394と非常に強い負の相関が認められます。
購入単価が上がると購入数量が減り、購入単価が下がると購入数量が増えるという変動によって、結果的に支出金額も増減することが分かります。
常に言ってきたことですが、支出金額は購入単価とそれに反応する消費者の購買行動(購入する量を決める)によって結果的に決まる数値です。
したがって、支出金額のみで消費の実態を表すことは、正確さを欠く恐れがあります。



◇キャベツの購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入世帯数の割合は、2008年1月の74.2%から2013年11月の77.2%までは、期間中若干の増減を含むものの緩やかな増加傾向で推移した後、12月の77.1%から2017年3月の76.4%までは横ばいから非常に緩やかな減少傾向となっています。



◇都道府県庁所在市別「キャベツ」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市別のキャベツの消費は下表、下図の通りです。



キャベツの生産量の多い都道府県は、愛知県、群馬県、千葉県、茨城県、神奈川県、鹿児島県、長野県です。
生産量の多い県およびその近隣県の県庁所在市の消費が比較的多くなっています。



購入単価と購入数量のところで見てきた通り、単価と数量間には非常に強い相関関係にあったのですが、都道府県庁所在市別の購入数量と支出金額の関係を見ると、決定係数(R二乗)は0.2171と低い値となっています。
このことは、購入数量と支出金額の関係は地域ごとに様々(ばらつきが大きい)ということを表しています。
例えば、長崎市(購入数量17,233g、支出金額3,558円、購入単価20.65円/100g)、岐阜市(17,198g、2,713円、15.78円/100g)、神戸市(17,190g、3,125円、18.17円/100g)、水戸市(17,190g、2,566円、14.93円/100g)および山形市(17,167g、2,890円、16.83円/100g)は購入数量がほぼ同じですが、支出金額は長崎市と水戸市では992円の差が有ります。

 


最近の生鮮野菜の消費(購入数量、支出金額)の推移について

2017年06月03日 09時45分03秒 | 社会・経済

最近のエンゲル係数の上昇傾向について、食料への支出金額の推移および食料を構成する項目の中で、支出金額の増加傾向が顕著な調理食品とその構成項目の推移を見てきました。
調理食品の構成項目については、家計調査のデータでは「購入頻度」「支出金額」および「購入世帯数」が公表されているのである程度の推移は掌握できますが、消費の推移をみるのに必要な「購入数量」のデータがありません。
支出金額の増加は、購入数量は変わらないが購入単価が上昇(消費税の増税などの場合を含む)した場合、購入単価は変わらないが購入数量が増えた場合、または購入数量、購入単価は変わらないが購入頻度(購入回数)が増えた場合などが考えられ、より具体的に消費の推移をみる上で「購入数量」のデータは不可欠の要素となっています。
(消費者の行動パターンでみると、食料を購入する場合は家族構成などを考慮して支出金額を先に決めることは少なく、購入単価を見て必要数量を決め、結果として支出金額が決まるものと思われる。)
そこで、食料の中で支出金額の増加が顕著な「野菜・海藻」について、これのデータが揃っている「生鮮野菜」およびそこに含まれる各野菜単位で消費の推移を見て行くこととします。
家計調査支出データは、100世帯当たり購入頻度、支出金額、購入数量、平均価格および10,000世帯当たりの購入世帯数が公表されています。
これらのデータについてより具体的に推移をみるため、100世帯当たりの購入頻度を10,000世帯の購入頻度と置き換えて、この数値を10,000世帯当たりの購入世帯数で除せば、実際に購入した世帯のみの購入頻度(実購入頻度)を算出することができ、この数値を用いて支出金額および購入数量を除せば、それぞれの購入1回当りの支出金額および購入数量となります。

さらに10,000世帯当たりの購入世帯数は、文字通り10,000世帯の内、何世帯がその項目のものを購入したかを表しており、百分比に置き換えることもでき、9,500世帯であれば95%の世帯、100世帯であれば10%の世帯が購入している(普及率)ということになります。
お、平均価格(購入単価)は、原データの支出金額を購入数量で除しても、購入1回当りの支出金額を購入1回当りの購入数量で除しても、いずれの場合にも同じ平均価格(購入単価)になります。
以上から得られた数値、「実購入頻度」「購入1回当りの支出金額」「購入1回当りの購入数量」「(購入1回当りの)購入単価」および「購入世帯割合」について、2008年1月から2017年3月までのデータを用いて米国センサス局の季節調整法X-13Arima-Seatsで分析を行い、それらの推移を見てみました。

◇生鮮野菜への支出金額の推移(二人以上の世帯)について

生鮮野菜とは、収支項目分類表には「野菜(きざみ野菜も含む。)、豆類の生。冷凍及び野菜の乾物を水で戻したもの、あくぬきのためにゆがいたものも含む。」と説明されています。
分析期間(2008年1月から2017年3月)における生鮮野菜への支出金額の推移は、2008年1月の5,260円/月から2012年9月の5,140円/月の間は若干の増減は有るものの、平均的には5,350円/月±100円/月とほぼ横ばいで推移しています。
その後は、2012年10月の5,160円/月から2017年3月の6,090円/月まで930円増加しており、期間中増減はあるものの増加傾向での推移となっています。
エンゲル係数の増加しだした、2014年1月からの推移は5,800円/月から290円の増加ですが、生鮮野菜はそれ以前から値上がりしていて、2013年1月の5,340円にくらべ2017年3月では750円の増加となっており、増加要因は様々なことが重なり合ってのことと思われますが、安倍政権の発足後に顕著になってきているということは、興味深いことです。


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)

先に説明した通り、購入頻度、支出金額、購入数量については、加工したデータでその推移を見て行くこととします。

◇生鮮野菜の実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における実購入頻度の推移は、2008年1月の35.1回/月から2017年3月の37.0回/月へと緩やかな増加傾向となっています。
単純に見ると、購入頻度は1日に1回以上となりますが、生鮮野菜は各個別単位の野菜を集計したもので、集計上のあやで延べ回数的な数値となっているものと思われます。



◇生鮮野菜の購入1回当りの支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当りの支出金額の推移は、2008年1月の149円/回から2013年2月の144円/回の間は、期間中増減は有るものの平均的には149円/回±3円/回とほぼ横ばいでの推移となっています。
その後、2013年3月の144円/回から2015年7月の166円/回までの間は急増状態で推移し、その後、2017年3月の162円/回までの間は平均的には163円/回±1円/回と横ばい状態となっています。



◇生鮮野菜の購入1回当りの購入数量の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入1回当りの購入数量の推移は、2008年1月の430g/回から2017年3月の385g/回まで、期間中周期的な増減を繰り返しながら減少傾向で推移しています。
周期的と言いましたが、周期性があるのであれば何が原因か想定することはできるのですが、この増減については不明です。



◇生鮮野菜の(購入1回当りの)購入単価の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入単価の推移は、2008年1月の35円/100gから2017年3月の43円/100gと値上がり傾向での推移となっています。
特に、2013年5月の36円/100gから2016年11月の45円/100gの値上がりが顕著です。



◇生鮮野菜の購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について

分析期間における購入世帯割合の推移は、グラフ上では増減が見られますが、平均的には99.6%±0.1%とほぼ横ばい状態での推移となっています。
購入世帯割合が99.6%ということは、集計調査世帯のほぼ全世帯が購入していることを意味し、実購入頻度と併せてみると、家計の絶対必需品と言うことになります。



家計収入が増えない中で、購入単価が値上がりすると節約志向が働き、支出金額を同じような水準に収めようとすることから購入数量を減らすのが普通の消費行動です。
最近の生鮮野菜の消費の推移をみると、生鮮野菜は健康維持、生命維持に必要不可欠(購入世帯割合は99.6%)なことから、購入単価が値上がりする中で、購入頻度は減らさず購入数量を減らすことで対応しているが、購入単価の値上がりを補うほどには減らせず、結果として支出金額が増加傾向となっているものと思われます。
以上から、生鮮野菜への支出金額の増加は、購入単価の値上がりが主因ということが分かります。
購入単価の値上がり要因は
様々と思われますが、生鮮野菜はほとんど国内産であることから円安の影響は考えられず、2014年4月1日からの消費税率のアップ(5%→8%、3ポイント増税)や天候要因が主な原因とも考えられます。
次回から、個別の野菜ごとに消費の推移を見て行くこととします。