最近の生鮮野菜のうち「ねぎ」の消費の推移を見ていきます。
◇ねぎの購入数量の季節変動(2008年1月~2017年3月平均)について
ねぎは通年で入手可能な野菜ですが、それでも旬の時期と端境期は明確に有ります。
(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)
ねぎの旬の時期(多く出回る時期)は10月から3月頃で、端境期(出回りの少ない時期)は4月から9月頃となっています。
ピークが12月でボトムが7月の周年サイクルとなっています。
◇ねぎへの支出金額の推移(二人以上の世帯)について
分析期間(2008年1月から2017年3月)におけるねぎへの支出金額の推移は、2008年1月の241円から2010年11月の264円までは増加傾向で推移し、その後、12月の261円から2012年8月の223円まで値下がり傾向で推移しています。
2012年9月の226円から2017年3月の270円までは、期間中若干の増減が含まれるものの、増加傾向での推移となっています。
◇ねぎの実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における実購入頻度の推移は、分析期間を通じて平均的には2.51回/月±0.02回/月と、グラフでは増減の変動が強調されて見えますが、ほぼ横這いでの推移となっています。
◇ねぎの購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における購入1回当り支出金額の推移は、2008年1月の95円/回から2010年11月の105円/回までは増加傾向で推移した後、12月の105円/回から2012年8月の89円/回まで減少傾向でで推移しています。
その後の2012年9月の89円/回から2017年3月の109円/回までは、期間中数度の増減を繰り返しながら増加傾向での推移となっています。
◇ねぎの購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における購入1回当り購入数量の推移は、2008年1月の165g/回から2009年2月の183g/回までの間は増加傾向で推移し、その後は3月の183g/回から2017年3月の152g/回までの間は、若干の増減は有るもののほぼ減少傾向での推移となっています。
東日本は「白ねぎ(長ねぎ)」、西日本は「青ねぎ(葉ねぎ)」と異なったねぎが好まれており、白ねぎは1本の重さが100g~150g、青ねぎは1把100g程度の商品が流通の主体となっています。
白ねぎ、青ねぎの両方を合わせたものが統計値となっていることから、1回の購入数量は白ねぎは2本セット、青ねぎは1把単位が1回の購入単位と考えられます。
◇ねぎの(購入1回当り)購入単価の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における(購入1回当り)購入単価の推移は、2008年1月の61円/100gから2009年3月の51円/100gまでの間は減少傾向で推移し、その後は4月の51円/100gから2017年3月の71円/100gまでの間は、期間中横ばいで推移した期間が含まれるもののほぼ増加傾向での推移となっています。
○ねぎの購入単価と購入数量の関係について
購入単価と購入数量との関係について、相関分析を行ってみました。
決定(相関)係数(R2乗)は、0.7428と強い負の相関が認められます。
近似曲線(直線)の式から、購入単価が10円/100g下がると購入数量は13g増えることが分かります。
◇ねぎの購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について
分析期間における購入世帯割合の推移は、グラフではy軸(購入世帯割合)のスケールが65.0%から71.0%の狭い範囲を表しているので、増減が強調されて見えますが、期間中は平均的には68.5%±0.5%とほぼ横這い状態での推移となっています。
◇都道府県庁所在市別「ねぎ」の消費(購入数量、支出金額)について
都道府県庁所在市別のねぎの消費は下表、下図の通りです。
購入数量と支出金額の関係を見ると決定係数(R2乗)は、0.1775と関連性はあまり見られないという結果になっています。
例えば、京都市と福島市を比べてみると、京都市の購入数量は4,944g、福島市は4,856gとほぼ同じですが、支出金額は4,240円と2.526円と大きく異なります。
購入単価は、京都市は85.76円/100g、福島市は52.02円/100gと33.74円/100gと大きく異なり、「ねぎ」と言っても種類が異なるということは容易に想像できます。
ねぎは大きく分けて「白ねぎ(根深ねぎ・長ねぎ)」と「青ねぎ(葉ねぎ)」があります。
東日本では白い部分を食べる白ねぎが好まれて、西日本は根元まで青い「青ねぎ」が好まれて、東日本と西日本では流通しているねぎの種類が異なっているため、このようなことが生じています。
ねぎの生産量が多い都道府県は、千葉県、埼玉県、茨城県、北海道、群馬県と白ねぎの生産が多く、消費量も多くなっています。
九州、四国地方は消費量は少ない傾向にあります。