品目別都道府県庁所在市別消費を続けます。
今回は、全国的によく食べられている「まぐろ」と「さけ」「塩さけ」を取り上げてみました。
◇「まぐろ」の都道府県庁所在市別消費
「まぐろ」の消費量の多いのは、静岡市(購入数量6,204g:、支出金額:13,424円、購入単価:216.38円/100g)、甲府市(4,056g、10,745円、264.92円)、前橋市(3,566g、7,821円、219.32円)、那覇市(3,525g、5,971円、169.39円)、及び宇都宮市(3,361g、7,550円、224.64円)の順となっています。
特徴的なことは、静岡市の消費は平均値と比べると数量で3.03倍、金額で2.91倍と非常に多いことです。また、甲府市は数量金額とも静岡市に比べ少ないものの、購入単価は平均より39.71円/100g高くなっています。(グラフでは、傾向線より上方への乖離が大っきことで確認できると思います。)なお、那覇市の購入単価は平均より55.82円安く(傾向線より下方への乖離が大きい)なっています。
このことは、家計調査での生鮮魚介の定義が「採取されたままのもので,保存などのための加工がされていないもの。冷凍,洗浄,切断,不要物の除去などの最小限の加工を加えたものも含む」(切り身、刺身等)となっていること、及びまぐろの種類(本まぐろ、めばち、きわだ、かじき等)が区分されていないことから、格差が大きく現れているものと思われます。
もう一つの特徴は、静岡市、那覇市を除いて、海に縁遠い甲府市、前橋市及び宇都宮市の消費量が多いことも面白い現象といえます。
逆に少ないのは、松江市、長崎市、福岡市、大分市及び佐賀市となっています。
「まぐろ」の消費は静岡市を例外とすれば、東日本で多く西日本・九州では少ないといえます。
◇「さけ」の都道府県庁所在市別消費
「さけ」の消費量の多いのは、青森市(購入数量5,392g:、支出金額:6,634円、購入単価:123.03円/100g)、札幌市(4,805g、6,226円、129.57円)、新潟市(4,492g、5,309円、118.19円)、長野市(4,189g、5,381円、128.46円)、および盛岡市(4,148g、5,286円、127.43円)の順となっています。
逆に少ないのは、高知市、熊本市、長崎市、鹿児島市及び宮崎市となっています。
◇「塩さけ」の都道府県庁所在市別消費
「塩さけ」の消費量の多いのは、新潟市(購入数量4,441g:、支出金額:4,726円、購入単価:106.42円/100g)、盛岡市(4,073g、4,913円、120.62円)、秋田市(3,448g、4,778円、138.57円)、青森市(3,204g、3,558円、111.05円)、及び札幌市(3,198g、3,730円、116.64円)の順となっています。
「さけ」の消費量の多い市の内、4市(新潟、盛岡、青森、札幌の各市)が「塩さけ」の消費が多く、消費量の多い秋田市の「さけ」の消費量(3,659g、4,632円、126.59円)は8番目に多く、また、「さけ」の消費量の多い長野市の「塩さけ」の消費量(2,222g、2,381円、107.16円)は10番目に多いことから、塩さけを含むさけの消費量は、東日本特に北海道、東北、甲信越で多いといえると思います。
逆に少ないのは、那覇市、福岡市、長崎市、鹿児島市及び宮崎市となっています。
「さけ」の消費量の少ない市の内、3市(長崎、鹿児島、宮崎の各市)が「塩さけ」の消費も少なく、また、消費の少ない那覇市、福岡市の「さけ」の消費量はそれぞれ14番目、12番目に少なく、「さけ」の消費量の少ない高知市、熊本市の「塩さけ」の消費量はそれぞれ19番目、6番目に少ないことから、塩さけを含むさけの消費量は特に九州で少ないといえると思います。