最近、エンゲル係数が上昇傾向となってきていることに鑑み、上昇の原因となっている食料とその構成項目への支出金額について、家計調査のデータを米国センサス局の季節調整法X-13Arima-Seatsを用いて分析を行い、分析結果の傾向値の変動からその推移を見てきています。
前回からの続きとして、「肉類」「乳卵類」「野菜・海藻」「果物」および「油脂・調味料」への支出金額の推移を見て行くこととします。
◇肉類への支出金額の推移(勤労者世帯)について
分析期間における肉類への支出金額の推移は、2007年1月の6,500円/月から2008年7月の6,850円/月まで増加し、その後2012年6月の6,290円/月までは減少傾向で推移しています。
2012年7月の6,300円/月から2015年6月の7,660円/月まで急増し、その後は2016年12月の7,420円/月まで減少傾向となっています。
なお、なお、食料への支出金額が急に増えだした2014年6月と2016年12月の肉類への支出金額は、7,150円/月と7,420円/月とで、その差はプラスの270円となっています。
(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)
肉類への支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2012年12月から2016年1月まで38か月連続で増加した後、2月から12月まで連続11か月減少となっています。
なお、対前月比では、2013年10月から2015年6月まで21か月連続で増加し、7月から2016年12月まで18か月連続減少しています。
◇乳卵類への支出金額の推移(勤労者世帯)について
分析期間における乳卵類への支出金額の推移は、2007年1月から2011年9月までの間は若干の増減は有るものの、平均的には3,300円/月±40円/月(1.2%)とほぼ横ばい状態で推移しています。
その後、2011年10月の3,240円/月から2016年12月の3,820円/月までは、ほぼ一貫した増加傾向となっています。
なお、2014年6月の3,390円/月と2016年12月の3,820円/月との差は、プラス430円です。
乳卵類への支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2011年1月から2012年1月まで13か月連続で減少した後、2月から2016年12月まで59か月連続で増加となっています。
なお、対前月比では、2014年2月から6月まで5か月連続で減少し、7月から2016年12月まで30か月連続で増加しています。
◇野菜・海藻への支出金額の推移(勤労者世帯)について
分析期間における野菜・海藻への支出金額の推移は、2007年1月の7,340円/月から2016年12月の8,140円/月まで期間中小刻みな増減を繰り返しながら、やや増加傾向での推移となっています。
なお、2014年6月の7,380円/月と2016年12月の8,140円/月との差は、プラス760円です。
野菜・海藻への支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2016年2月から8月まで7か月連続で減少した後、9月から12月まで4か月連続で増加となっています。
なお、対前月比では、2015年8月から2016年1月まで6か月連続で減少し、2月から11月まで10か月連続で増加し、12月は減少となっています。
◇果物への支出金額の推移(勤労者世帯)について
分析期間における果物への支出金額の推移は、2007年1月の2,230円/月から2014年5月の1,990円/月まで推移した後、6月の2,000円/月から2016年12月の2,260円/月までは増加傾向での推移となっています。
なお、2014年6月の2,000円/月と2016年12月の2,260円/月との差は、プラス260円です。
果物への支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2015年11月から2016年7月まで9か月連続で減少した後、8月から12月まで5か月連続で増加となっています。
なお、対前月比では、2015年5月から12月まで8か月連続で減少し、2016年1月から12月まで12か月連続で増加となっています。
◇油脂・調味料への支出金額の推移(勤労者世帯)について
分析期間における油脂・調味料への支出金額の推移は、2007年1月の2,960円/月から2016年12月の3,350円/月まで、期間中横ばい状態で推移した期間が有るものの、増加傾向での推移となっています。
なお、2014年6月の3,270円/月と2016年12月の3,350円/月との差は、プラス80円です。
油脂・調味料への支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比は2014年4月から2016年6月まで27か月連続で増加した後、7月から12月まで6か月連続で増加となっています。
なお、対前月比では、2013年11月から2015年12月まで26か月連続で増加し、2016年1月から12月まで12か月連続で増加となっています。