最近の生産野菜のうち、だいこんの消費の推移について見て行くこととします。
使用したデータおよび分析方法は、前回の生鮮野菜(さといも)編と同じです。
◇だいこんへの支出金額の推移(二人以上の世帯)について
分析期間(2008年1月から2017年6月)におけるだいこんへの支出金額の推移は、2008年1月の141円から2017年6月の148円へと、期間中小刻みな増減変動を繰り返しながら増加傾向で推移しています。
増減変動の原因は、後述の(購入1回当りの)購入単価と購入1回当りの購入数量の変動により生じたものと思われます。
(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)
◇だいこんの実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について
分析期間におけるだいこんの実購入頻度の推移は、2008年1月の1.92回/月から2017年6月の1.89回/月まで、期間中平均的には1.91回/月±0.03回/月(1.5%)と若干の増減変動は有るものに緩やかな減少傾向で推移しています。
(下図のグラフでは、y軸のスケールの関係で増減が強調されているため、大きく不変動しているように見えます。)
◇だいこんの購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について
分析期間におけるだいこんの購入1回当りの支出金額は、2008年1月の73円/回から2017年6月の78円/回まで、期間中小刻みな増減を繰り返しながら増加傾向で推移しています。
◇だいこんの購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について
分析期間におけるだいこんの購入1回当り購入数量の推移は、2008年1月の670g/回から2017年6月の575g/回まで、期間中小刻みな増減を繰り返しながら減少傾向で推移しています。
だいこん1本の重さは、代表的は品種「青首大根」で1~2Kgですので、1回の購入数量は半分量での購入と思われます。
○だいこんの購入数量の季節変動について
だいこんの出回り量の多い(旬)時期は10月から3月で、購入数量の多い時期も10月から3月となっています。
◇だいこんの(購入1回当り)購入単価の推移(二人以上の世帯)について
分析期間におけるだいこんの(購入1回当り)購入単価の推移は、2008年1月の11.1円/100gから2017年6月の14.3円/100gと、期間中小刻みな値上がり、値下がりを繰り返しながら値上がり傾向で推移しています。
だいこんの作付け面積、収穫量、出荷量は1980年代半ば以降から長期減少傾向にあり、収穫量、出荷量のわずかな差が購入単価に影響を与えているものと思われます。
○だいこんの購入1回当りの購入単価と購入数量との関係について
上記で見てきたように、支出金額(=購入単価×購入数量)は分析期間中小刻みな増減変動を繰り返していることから、購入単価と購入数量との関係について相関分析を行ってみました。
決定係数(R2乗)は0.7534と強い負の相関が認められます。
すなわち、購入単価が下がると購入数量は増え、購入単価が上がると購入数量は減るという関係になっています。
ちなみに、近似曲線(直線)の式から、購入単価が5円/100g下がると約125g購入数量が増える関係にあります。
◇だいこんの購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について
分析期間におけるだいこんの購入世帯割合の推移は、2008年1月の62.2%から2017年6月の60.2%へと、期間中平均的には61.2%±1.4%(2.3%)と横ばいから緩やかな減少傾向での推移となっています。
◇都道府県庁所在市別「だいこん」の消費(購入数量、支出金額)について
都道府県庁所在市別のだいこんの消費は下表、下図の通りです。
だいこんの生産量の多い都道府県は、北海道、千葉県、青森県、鹿児島県および宮崎県で、この5道県で全国の生産量の約5割を占めています。
また、北海道や青森県では6月から10月に生産量が多く、関東以西では10月から3月に生産量が多くなることから、スーパーなどでは通年販売しています。
生産量の多い県と県庁所在市の消費の多少とは必ずしも同じというわけではないようです。
購入数量が多ければ支出金額も多いという関係(決定係数R2乗は0.706)になっていますが、盛岡市(購入数量:18,788g、支出金額:2,268円、単価12.1円/100g)と神戸市(13,358g、2,250円、16.8円/100g)、新潟市(18,406g、2,073円、11.3円/100g)と金沢市(13,228g、2,061円、15.6円/100g)のように、支出金額がほぼ同じですが購入数量が大きく異なる例もあります。
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