◇可処分所得の推移
可処分所得は「可処分所得=実収入ー非消費支出」の式で表せます。
すなわち、実収入から税金、社会保険料などの非消費支出を差し引いた、手取り収入のことであり、消費や貯蓄に回すことの出来る金額で、購買力の強さを測ることができる指標です。
勤労者世帯の最近の可処分所得の推移は、2012年7月から12月までは年率0.3%、13年1月から6月までは1.6%の伸びを示していますが、7年初めの44万6千円/月(傾向値)から少しづつ減少し、11年半ばに41万9千円/月でボトムとなり、その後徐々に増加し42万9千円/月まで戻ってきています。
最近のピークからはまだ1万7千円/月程少ない水準です。
(上のグラフをクリックすると、拡大したグラフを見ることができます。以下も同じです。)
◇黒字の推移
黒字は、「黒字=実収入ー実支出=可処分所得ー消費支出」の式で表され、家計の余裕を示す指標と言えます。
最近の推移は、2012年7月から12月までは年率-4.8%減少、13年1月から6月までは6.3%増加という動きになっています。
◇エンゲル係数の推移
エンゲル係数は、「エンゲル係数(%)=(食料÷消費支出)×100」の式で表され、係数が低いほど生活水準が高いとされています。
分析期間における傾向値はy=0.00002x+14.991(R2乗=0.6766)と係数が高くなる傾向がつづいており、最近では2012年7月から12月までは年率0.5%の増加、13年1月から6月までは1.8%の増加となっています。
すなわち、少しずつ生活水準が悪化してきているとも言えると思います。
◇平均消費性向の推移
平均消費性向は、「平均消費性向(%)=(消費支出÷可処分所得)×100」の式で表され、1982年以降1998年まで長期にわたり低下傾向で推移してきたものがその後増加傾向で推移し、分析期間では若干の増減があるもののほぼ横這い傾向にあり、最近では2012年7月から12月までは年率1.3%の増加、13年1月から6月までは-2.0%の減少となっています。
来年4月からの消費税税率改正(現行5%、14年4月8%、15年10月10%予定)について、法律に付されている経済情勢判断をめぐって議論が活発となってきていますが、収入が増えない中にあって消費税率を上げることは、デフレ傾向によってかろうじてバランスのとれていた家計に大きな影響を与えることが懸念されます。