
『アゼルバイジャン』(廣瀬陽子 ユーラシア文庫)
ナゴルノ・カラバフ紛争について調べる所要量があり、取り寄せた。
この人の書いたものなら、間違いないと思う。なにしろアゼルバイジャンに住んだことのある、数少ない日本人であり、いまや引っ張りだこのロシア関連評論家である。
ただ、惜しむらくは、本書の発刊が2016年(アゼルバイジャンが勝利を収めた大規模な紛争は2020年)ということだ。
焦眉の紛争については何ら触れることはできていないが、しかしそれゆえに、戦前の情勢を知るには意義ある読書となった。
アゼルバイジャンが(激しい貧富の差こそあれ)、資源によって潤い、アルメニアとは別格のGDPを誇り、軍備を充実させていたのは2020年の紛争後に知ることになったが、本書を読んでおれば、ある程度想定はできていたことなのかもしれない。
あそこまで、完膚なき圧倒を見せたのは意外で、だからこそ新たな戦いかたとして注目されたわけだが。
それにしても、知らなかったことの多さに恥じ入らざるを得ない。ソ連崩壊の直前に生起した『黒い1月事件』。チェコやハンガリーでやったのと同じ非道を、ソ連は最後まで繰り返していた。しかも、穏健派のように見られていたゴルバチョフの政権が・・・
中央アジアとヨーロッパでは、人命の重さが、異なる扱いを受けている。という、嫌な気づきもあった。
ナゴルノ・カラバフ紛争について調べる所要量があり、取り寄せた。
この人の書いたものなら、間違いないと思う。なにしろアゼルバイジャンに住んだことのある、数少ない日本人であり、いまや引っ張りだこのロシア関連評論家である。
ただ、惜しむらくは、本書の発刊が2016年(アゼルバイジャンが勝利を収めた大規模な紛争は2020年)ということだ。
焦眉の紛争については何ら触れることはできていないが、しかしそれゆえに、戦前の情勢を知るには意義ある読書となった。
アゼルバイジャンが(激しい貧富の差こそあれ)、資源によって潤い、アルメニアとは別格のGDPを誇り、軍備を充実させていたのは2020年の紛争後に知ることになったが、本書を読んでおれば、ある程度想定はできていたことなのかもしれない。
あそこまで、完膚なき圧倒を見せたのは意外で、だからこそ新たな戦いかたとして注目されたわけだが。
それにしても、知らなかったことの多さに恥じ入らざるを得ない。ソ連崩壊の直前に生起した『黒い1月事件』。チェコやハンガリーでやったのと同じ非道を、ソ連は最後まで繰り返していた。しかも、穏健派のように見られていたゴルバチョフの政権が・・・
中央アジアとヨーロッパでは、人命の重さが、異なる扱いを受けている。という、嫌な気づきもあった。
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