『モーターサイクル・ダイアリーズ』(エルネスト・チェ・ゲバラ 棚橋加奈江訳 角川文庫)
若いころ、『ゲバラ日記』に感銘を受け、日記の書き方を改めたのを思い出す。それは生き方を見直す契機にもなったように思える。
思えば、『ゲバラ日記』はボリビアでの最晩年を描き、本書は外の世界に向け歩み始めた若きゲバラが描かれているわけだが、そこに大きな断絶はない。
革命、医療という違いはあるが、理想を胸に秘め、冒険心とユーモアを保ちながらも、冷静に状況を俯瞰している。
日記とは思えない文学的面白さにも引き込まれる。ゲバラは、たとえ医師にならず、革命家にならなかったとしても、小説や詩を書いて世に知られることになっただろうと思う。
その人生は、文学作品以上に、私たちに感動と、哀しみ、そして勇気を与えていることを思えば、本書はその作品の冒頭部にあたる。
清々しくも、今後のゲバラの行く末を暗示し、ボリビアでの顛末を知る読者には、伏線を回収する旅にも感じられる。
日々の些末なものごとや、狭い視野の中に埋没している今の自分について、省察するきっかけとなりそうだ。
若いころ、『ゲバラ日記』に感銘を受け、日記の書き方を改めたのを思い出す。それは生き方を見直す契機にもなったように思える。
思えば、『ゲバラ日記』はボリビアでの最晩年を描き、本書は外の世界に向け歩み始めた若きゲバラが描かれているわけだが、そこに大きな断絶はない。
革命、医療という違いはあるが、理想を胸に秘め、冒険心とユーモアを保ちながらも、冷静に状況を俯瞰している。
日記とは思えない文学的面白さにも引き込まれる。ゲバラは、たとえ医師にならず、革命家にならなかったとしても、小説や詩を書いて世に知られることになっただろうと思う。
その人生は、文学作品以上に、私たちに感動と、哀しみ、そして勇気を与えていることを思えば、本書はその作品の冒頭部にあたる。
清々しくも、今後のゲバラの行く末を暗示し、ボリビアでの顛末を知る読者には、伏線を回収する旅にも感じられる。
日々の些末なものごとや、狭い視野の中に埋没している今の自分について、省察するきっかけとなりそうだ。