『フルシチョフ秘密報告スターリン批判』(全訳解説 志水速雄 講談社学術文庫)
世界各国の共産党に衝撃を与え、反スタ主義・トロツキー擁護の運動を活気づける契機となったスターリン批判。
様々な文書で言及され、以前と以後において越えられないラインを引かれたかに見える文書。
と知ってはいたが、実際に読むのは初めてである。
昨年来のウクライナ侵略、その行く末を考えるとき、ソ連(ロシア)の指導者について、特にその思考の傾向を知ることが必要であろうと、スターリンの伝記に引き続いて手にした。
ここまで赤裸々に、その非道が語られているとは、ソ連という国の閉鎖性からして意外に過ぎた。
資本主義陣営には大いに有利な情報に思えたろう。
しかしソ連(フルシチョフ)も間抜けではない。ソ連内の権力闘争を勝ち抜き、スターリンの暴虐で疲弊した国内を立て直すには、このような外科手術的報告が必要だったのだろう。
読んでいると、フルシチョフをはじめとする新指導部が、とても民主的・人道的なグループに思えてくる。彼らがスターリンの手先として、その非道の一端を担っていたとは、とても思えない筆遣いである。
と、これはフルシチョフらによる計算ずくの報告だったのだろう。
余波として、ハンガリーやチェコで動乱が起き、日本でも共産党を離脱した若者らが共産主義者同盟を結成し、内ゲバが生起していくわけだが。
フルシチョフだけでなく、ウクライナの書記長を歴任したカガノーヴィチについても知りたくなった。
世界各国の共産党に衝撃を与え、反スタ主義・トロツキー擁護の運動を活気づける契機となったスターリン批判。
様々な文書で言及され、以前と以後において越えられないラインを引かれたかに見える文書。
と知ってはいたが、実際に読むのは初めてである。
昨年来のウクライナ侵略、その行く末を考えるとき、ソ連(ロシア)の指導者について、特にその思考の傾向を知ることが必要であろうと、スターリンの伝記に引き続いて手にした。
ここまで赤裸々に、その非道が語られているとは、ソ連という国の閉鎖性からして意外に過ぎた。
資本主義陣営には大いに有利な情報に思えたろう。
しかしソ連(フルシチョフ)も間抜けではない。ソ連内の権力闘争を勝ち抜き、スターリンの暴虐で疲弊した国内を立て直すには、このような外科手術的報告が必要だったのだろう。
読んでいると、フルシチョフをはじめとする新指導部が、とても民主的・人道的なグループに思えてくる。彼らがスターリンの手先として、その非道の一端を担っていたとは、とても思えない筆遣いである。
と、これはフルシチョフらによる計算ずくの報告だったのだろう。
余波として、ハンガリーやチェコで動乱が起き、日本でも共産党を離脱した若者らが共産主義者同盟を結成し、内ゲバが生起していくわけだが。
フルシチョフだけでなく、ウクライナの書記長を歴任したカガノーヴィチについても知りたくなった。