幼き頃の自分と今の自分

2010-05-18 17:59:54 | 小説
久しぶりの小説です、相変わらず「猫目小僧」で書いていますけどね、この物語は猫目小僧が母親と再会して数年後の世界、猫目小僧の年齢は人間で言うと12、3歳くらいだと思って下さい。


しかしこの時の年齢から既に彼の母親の呼び方は「母ちゃん」ではなくて、「母さん」だと思って、読んでみて下さい。


↓から始まります、それではどうぞごゆっくり。








猫目小僧と母が再会出来て、数年の月日が流れようとしている。猫目小僧も幼かったころと比べると、随分逞しく強くなって行き、日に日に成長をしていた。


ずっと会いたい会いたいと心から思っていた実の母親と再会出来た、幼かったあの頃が嘘のように、あっと言う間に過ぎて行ったのだ。


しかし再会出来たからと言って安心はしていない、父親がいない猫目小僧にとっては、自分が母親を守らなくてはいけない、だから猫目小僧はほぼ毎日のように特訓した。


暇さえあれば人気のない場所で、色々な技や妖術を身につける為の、修業をしたのだ。


1日に何時間でも何時間でも、日が暮れるまで修業を積んだ。


「半妖」として生まれ、今まで色々な人間、妖怪と出会ってきた。実の母を探して旅を続けていた猫目小僧にとって、小さかった頃は苦労と困難の日々だった。

父親は「大妖怪」と呼ばれ数多くの人間や妖怪たちを震え上がらせたほどの男、“猫又”母親は見た目は普通の人間だが、実は彼女の一族は代々不思議な能力を持ちその能力(ちから)で色々な、怪我や病気を治してきた“人間”。


そんな2人の間に生まれたのが猫目小僧だった、身体つきは人間と同じだが赤茶色の髪に尖った耳、手足から生えた鋭い爪、口の中に生えた鋭い牙、そして特徴的なのが人間とはかけ離れた大きな猫の目。


いつだって「半妖」であるが故に、迫害を受けていた。


人間からは「妖怪」と言われ、気味悪がられ妖怪からは「出来損ないの化け物」と罵られ、敵視される事もよくあった。


何処に行っても猫目小僧に居場所などなかった、実の母親と再会するまでは。


母が住む村にやって来て、ようやく猫目小僧に居場所が出来たのだ。


この村には、猫目小僧を忌み嫌ったり、不気味がったりする人間はいない。

皆彼の事情をちゃんと知っているからだ、それに何か事件がおこるといつだって猫目小僧が解決をしてくれるので、皆感謝しているのだ。


この村の皆にとって、猫目小僧はなくてはならない存在だった。




今では猫目小僧には人間の友人がたくさんいる、ほら今も。



「おーい、猫目。遊ぼうぜ」
「猫、俺ン家来いよ。面白いもん見せてやっからよ」
「よう、猫っち。今度一緒に海へ行かねえか?」

などなど、同い年の少年や少女、時には幼い子供までもが彼に懐いてしまっているのだ。


「本当、小さかった頃が嘘のようだ、この平和な一時がいつまでも続けば良いのにな」


猫目小僧がそう思っても、毎日のように平和は続かない、必ずと言っていいほど妖怪がらみの事件が起きる、そうなると猫目小僧はじっとしているわけにはいかない。


この村で、妖怪を退治出来るのは彼くらいだから。


そして今日もまた・・・

「猫っち、大変だ!また村に妖怪が出たぜ!」

「分かった、今すぐ行くよ」


と、こんな具合なのだ。



「いつまでも平和であってほしいけれど、でもまだまだそう言うわけにはいかないな。母さんや皆を守る為にも。僕がしっかりしなくちゃ、僕が皆を守って見せる、必ず」


猫目小僧は心にそう強く強く誓った、まだまだ幼かった頃の自分と今の自分、どちらも猫目小僧であるが、いつも1人ぼっちで淋しくて泣いていたあの時と、沢山の友人に囲まれている今の自分。


もう彼は1人なんかじゃない、母や皆がいる。

だからもう淋しさで泣く必要などない、猫目小僧は強く生きる事を皆に約束したのだから。












終わりました、何だ今回の小説、無茶苦茶も良い所ですね・・・・・


自分で作っておいて、設定とかが無茶が多いです本当に・・・・・・



しかも今回ほとんど猫目君しゃべってないです、本当はもっとしゃべらせるつもりだったのに。


次回はもっとしゃべらせるように頑張ります、そうそう前回の小説の続きも今一生懸命考えていますので、もうしばらくお待ち下さいませ。

それでは失礼いたします。




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