神仙太乙膏は、7種の生薬、うえの左から、当帰・地黄・芍薬 下段の大黄・玄参・白芷・桂皮を、食用油に半年ほど漬け込んで作ります。
処方の内容をみると、上段の当帰・地黄・芍薬は血を増やして、 皮膚に潤いを与えます。
下段の大黄・玄参は、皮膚の乾燥の熱気を冷まし、白芷・桂皮は皮膚の陽気を 巡らせて、皮膚の代謝を良くします。
今回、漬け込んだのは、この11種。
『和剤局方』の原方に改良を加えて、皮膚の炎症を冷ます黄柏・山梔子・苦参を加え、皮膚の血の循環を良くして瘀血を除く紅花を加えました。
11種の生薬を350gの食用油に漬け込みました。
このあとの工程を去年の写真でみていくと、半年くらいのちに、
食用油と生を、90度くらいにゆっくり加熱して、生薬の成分を抽出します。
濾した油の量に見あったミツロウを加えて、加熱してミツロウが溶ければ、 出来上がり。
紫雲膏の場合は、ミツロウを加えて溶かして、軟膏が冷えていくときに、 鍋の底や縁で、先に固まってくるものを、30分くらい、丹念につき崩して 全体を混ぜ続けておかないと、油とミツロウが分離してしまいます。
しかし、神仙太乙膏の場合は、溶けた油を容器に移して、 そのまま冷やせば出来上がりなので、楽ちんです。
紫雲膏と神仙太乙膏で、冷えて固まるときの状態がなぜ異なるのか、 理由がいっこうに分からないままです。