トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

恋多き女と恋に焦がれる女 その四

2014-01-18 21:10:17 | 歴史諸随想

その一その二その三の続き
「男にとって母は永遠の女性である」と言われるが、この考えを適応すれば女にとっても父は永遠の男性といえる。wikiによれば伊藤野枝の父は、「中年以降、鬼瓦を彫る瓦職人になったが放蕩者で気位が高くろくに仕事をしない」男だったとある。そのため「母が塩田の日雇いや農家の手伝いなどをして暮しを立てた」。野枝は口減らしのために一時叔母の家に預けられたこともあったそうで、これが彼女の男性観や家庭観に繋がったのは想像に難くない。

 辻潤大杉栄など野枝の恋は多角的で一見派手に見えるが、そろって破滅型の男に惚れているのも父の影響があるとしか思えない。女は無意識のうちに父に似た男を求めるという説もある。もし野枝の家庭の両親が円満で堅実ならば、女性運動家にならなかったかもしれない。
 また大杉栄は口説き上手の色男だったと思いきや、生涯重度の吃音に悩んでいたことがwikiにある。私なら大杉栄には魅かれないだろうし、彼もまた私のような女は敬遠するはず。大杉栄と甘粕正彦のどちらか選べと言われれば、私は迷わず後者をとる。どの男を選ぶかで、その後の女の人生は決まる、と言ったのは確か塩野七生氏だったか。

 野枝を自由恋愛の先駆者と讃えた瀬戸内寂聴氏のような作家に感化されたためか、静岡市にある彼女の墓には「自由恋愛の神様」として参拝する女学生が多いという。その烈しい生き方よりも恋愛バトルの勝利者にあやかろうとして参拝する女学生が大半だろうし、流行作家の潤色作品や発言を鵜呑みにし、野枝の心酔者になる女は少なくないのかもしれない。私に野枝をどう思う?と訊ねたa氏も、「恋のバトルに見事勝ち抜いてものにした」と憧れを隠せない。ちなみにa氏はこの質問をする以前、拙ブログで以下のコメントをしていた。
「(海外暮らしで)いいところは、日本みたいに皆と同じようにという圧力はなく、浮いてる私でもほっといてもらえる、と言うところぐらいかな?それにしてもパーティーとか苦手なんですよね。つまり人間関係が作れないってことかな?」(2009-08-06(木)09:42)

 「単にトウが立ってモテなくなった負け惜しみですかね」と言ったa氏だが、トウが立つ以前から貴女、モテなかったのでしょ?と失笑した。パーティーで浮いて人間関係が作れない女なら、何処でもモテない。壁の花になるのが嫌なら積極的に声をかける他ないし、野枝なら集会で男たちを前に臆することなく発言していたはず。そしてa氏は拙ブログでは正反対の持論を述べており、野枝の恋愛面しか見ていないようだ。
これ(男社会)に反発して、自論を雄弁に語れるように非常な理屈屋になろうと努力する女性がいるとしたら、意志が強いと言うより、かなりの変人なんじゃないでしょうか」(2010-01-28(木)14:18)

 a氏のコメントだけで恋多き女に憧れる女が恋に焦がれる女、つまり恋に縁遠いタイプなのは笑えた。人は自分にないものを求めるらしい。この者は拙ブログでも「私も複数 HN 使ってますので」(2009-12-16(水)13:42)と認めており、普段から方々のサイトに盛んに連投していた自称女医でもあった。かなりの変人というより病人であろう。人間は怒ると地が出るものだが、あるブログでのa氏のくどく低レベルな書込みは香ばしいものがあり、一部抜粋する。
日本は沖縄や広島は別として、地方の方が全体主義的で保守的ですね…日本に関しては軽くサヨク化してた方が いいですね」(2010/02/26(金)14:12)

 瀬戸内氏はファンの中高年専業主婦に対しては、「専業主婦も立派な職業です」「男は変えれば変えるほど悪くなる。イイ男なんて早々にいない…」等、真っ当なことを言っていた。しかし、若い人への発言の趣旨は違っている。女性問題を飯のタネにする女の文化人も少なくなく、お為ごかしを隠し皆のため社会のためを装う発言をする者がこの世に蔓延っていることを、若い人が見抜くのは難しいかもしれない。

よろしかったら、クリックお願いします
人気ブログランキングへ   にほんブログ村 歴史ブログへ


最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
相容れない (ハハサウルス)
2014-01-18 23:03:20
大変遅ればせながら

「明けましておめでとうございます」

ご無沙汰しておりますが、本年も宜しくお願い致します。

瀬戸内寂聴氏の説法は結構面白くて好きですが、作品は『女源氏物語』位しか読んだことがありません。瀬戸内晴美作品では、高校生の頃、叔父が置いていった『私小説』を読んだのですが、正直よくわからず、つまらなかった印象を持っています。こちらにコメントを書く前に、どんな内容だったかちょっと検索してみましたが、あらすじを読んでもピンと来ず、余程内容に印象が薄かったのだと改めて感じました。

元々私小説なる分野に興味がないこともあるのでしょうが、その生き方に共感できないからなのでしょう。そうした瀬戸内晴美という生き方があって、今の瀬戸内寂聴氏があるのでしょうが、どうも女の生き方として相容れないものを感じます。うらやましいとも思いませんので、人それぞれだなぁっと思う程度です。

過日、「TVタックル」に寂聴氏がゲスト出演されていましたが、思想的にも相容れませんでした。さすがテレ朝がゲストに呼びたかった訳ですね。

mugiさんの仰るように、何故寂聴氏が共産主義に寄っているのかわかりません。共産主義は宗教を否定していますし、かの毛沢東は「宗教は毒だ」と言っていたそうですから。チベットの現状を彼女はどう思っておられるのでしょう。

宗教者とはいえ、政治に対し関心を持つことはあるでしょうが、公の場で政治を語るのはどうかと思います。まして影響力のある方ですから。反原発運動にも積極的なようですが、俗世から抜け切れないでいらっしゃるのでしょうね。

不倫は字の如く「倫(人のすすむべき道)に外れること」です。人それぞれの生き方ですから、是非を問うても仕方がないのでしょうが、ひそやかにするものであって、吹聴したり、礼賛するようなものではないと思います。私は「進歩的」ではないのでしょう。なりたいとも思いませんが。
返信する
RE:相容れない (mugi)
2014-01-19 22:37:30
>ハハサウルスさん、

コメントを有難うございました!私の方こそ本年も何卒よろしくお願い致します。

 尼僧だけあり瀬戸内氏の説法は面白いですが、貴女と同じく私も女の生き方としては相容れないものを感じます。そもそも彼女のような売文業と無名の主婦では基本的に生き方が違う。価値観は人それぞれですが、所詮は水と油です。
 前に貴女は雑誌『婦人公論』を、「離婚を煽っている…」と表現されていましたね。私もあの雑誌はまず見たことがありませんが、河北新報の第一面に必ずと言ってよいほど広告が載ります。瀬戸内氏もよく寄稿しているし、インタビューが載る論客でもあります。一見物分かりの良いフリをして、巧妙に洗脳を図っている?と勘ぐりたくなります。

 瀬戸内氏はインド訪問した際、現地でチベット人尼僧と会っています。チベット人亡命者なのは書くまでもありませんが、あの国が中共の軍靴に踏みにじられたことは決して言わない。そのくせ日本には「軍靴の足音が聞こえる」を繰り返すのだから、妄言も甚だしいですね。もっとも、日本のТVでチベット問題に言及すれば出されなくなります。

 政治にくちばしを入れない聖職者など他国では至って少ないのです。意外に知られていませんが、欧米でも宗教勢力は政治に介入している。仏教僧らしく山奥で隠遁生活を送れとは言いませんし、俗世と関わるのは結構ですが、他国の代弁者なら話になりません。かつて南ベトナムに共産党シンパだった仏教僧もいたことを思い出しました。シンパたちは北による“解放後”、優遇されるどころか苛酷な「再教育」対象となったとか。

 仏教の五戒のひとつに「不邪淫戒」がありますね。文字通り邪な性行為、つまり不倫はご法度ということ。不倫を認める宗教など聞いたことはありません。芸術家にとって不倫は芸の肥やしですが、聖職者が「恋に命を懸けた」と不倫を擁護するなら破戒僧そのものでしょう。
返信する
だめんずうぉーかー (のらくろ)
2014-01-21 04:55:06
でしょう、雷鳥も野枝も。
今ならそれをネタに漫画書いて倉田真由美みたいなポジションも取れたんだろうが、そうやって自己承認欲求が満たせれば、野枝などもここまで意固地にならなかったのではないか。

雷鳥や野枝の現代版が「お気楽フェミもどき」の上野、遥、田嶋ごときと言うことが、この種のアジテーターの底の浅さを物語っている。そこにはこういう輩も含まれる。
ttp://blog.livedoor.jp/tsukouninn/archives/51786542.html

こういう輩よりも、代々木忠のようなAV監督の方が、余程「女の救済」に貢献していると考える。
ttp://loveandsex.jp/consult/index
返信する
RE:だめんずうぉーかー (mugi)
2014-01-21 21:51:57
>のらくろ さん、

 そう言えば、「だめんずうぉーかー」という作品がありましたね。瀬戸内氏もこれに当てはまります。法話で「男は変えれば変えるほど悪くなる…男を変えて最後には坊主になってしまった」と、自虐ネタを言っていました。氏が自分の体験を小説に昇華させたのは結構ですが、その技能もない女が真似れば破滅ですよね。

 ブタジマのような女がAVを「性の商品化」と金切声をあげるのですが、悩みや貧困は根絶できない。仰る通り代々木忠のような監督の方が「女性の味方」です。ちなみに野枝は「中流階級婦人による廃娼運動を、娼婦の境遇に対して理解なきまま「醜業婦」の名を浴びせる偽善として厳しく批判した」(wiki)そうで、この辺は評価します。
 記事で取り上げたa氏も、「女性に売春を強いるなんて…」とある人気ブログを非難していましたが、これを中韓に言えば?もっとも「だめんずうぉーかー」の方が、ネット浸りのニート女よりマシでしょう。

 実は別のサイトで福島瑞穂の妄言の数々は見ています。そういえば田嶋は福島に誘われ、社会党から立候補して参議院になりましたが、1年そこそこで離党しましたね。
返信する
「ダメな女性」 (Alex)
2014-04-03 20:54:21
mugi様、こんばんは!ご機嫌いかがですか?

興味深いサイトを見つけました。ぜひご覧ください!自称フェミニストと特徴が完全に一致しています(爆笑)。まったく
見事としか・・・。

「ダメな女性」を選ぶとどんなことが起きる?

彼女はまず、あなたを支配しコントロールしようと試みる。これは、毒々しくみえる女性だけが行なうのではなく、弱々しさを表に出しながらの巧妙な支配もある。

 彼女はあなたの仕事の邪魔をし、友人関係も台無しにする。あなたを人間関係のなかで孤立させ、あなたの親族と絶縁状態にする一方で、実家の財産を食いつぶす可能性もある。

 社会生活をうまく送ることができないため近所で度々トラブルを起こす。すべて他者が悪いと罵る彼女にあなたはいつも振り回され、その顔色を窺わなければならなくなる。

 さらに、だめな女性というのは、問題意識も持たなければ解決能力もない。さらに従順さもない。そんな彼女が子どもを産んでまっすぐに育てることは難しいだろう。子どもに対する躾けができないだけでなく、父親であるあなたの悪口ばかりを子どもに吹き込みかねない。

 だめな女性は金にも汚く浅ましいため、信じるものは金だけと抱え込んで、あなたのプライドをもずたずたにしかねない。

 そして、だめな女性は、可愛げがないうえに表情や言葉づかい、性質が美しくない。したがって、彼女と一緒に歩くあなたの価値も下げかねない。

 彼女たちは外に向かって身内や知人の悪口を言う。このタイプの女性は、同性にとっても危険な存在だ。彼女たちは、肥大した自尊心と巨大な被害者意識を持ち、過激な攻撃性にあわせて強烈な嫉妬心までも持ち合わせている。

 それらすべてが、あなたに向けられるのだ。

 そんな彼女と結婚したら、あなたは自宅で気持ちが休まることはない。精神的なストレスから身体的な病気となる場合だってある。

だめな女性が育てた子どもは、彼女と似た性質を引き継ぐか、過剰に萎縮させられてしまうか、反社会的な行動に出る可能性も否定できない。子育てで混乱したときに助けとなるはずの実家や地域社会は彼女によって断絶されている。

 彼女に育てられた子ども自身がよほど強い意志を持たないかぎり、彼女と似た子育てを行ないかねないため、あなたの孫もまた同じとなる悪循環を繰り返しかねない。むごいことだ。

 これが、「悪妻は百年の不作」と呼ばれるものである。
返信する
「ダメな女性」 (Alex)
2014-04-03 21:01:03
忘れていました、下記のサイトです。
http://diamond.jp/articles/-/3367?page=3

しかし、こんな女性って本当に存在するんですね。呆れてなんとも言えません。女性以前の問題です、まさに人間失格です。まあ、こんな女性に引っかかる男性も同レベルだとは思いますが・・・所謂。
返信する
RE:「ダメな女性」 (mugi)
2014-04-04 22:19:58
>Alex様、こんばんは!コメントを有難うございました。

 さて、紹介されたコラムに見る女性ですが、「ダメな女性」というよりも完全な悪女そのものでしょう。同性でもこの類の女には関わりたくないし、付き合っても得がありません。TVやネットで見かける自称フェミニストとは特徴は一致しても、危険性では比べものになりません。
 自称フェミニストは男に相手にされない構ってちゃんが多いのですが、「ダメな女性」は男を誘惑する術は持ち合わせている。別れようとしても、「悪女の深情け」でストーカーになります。

 それにしても、「女は男を尊敬したい~男の復権」なるコラムを書いたのが女性というのは面白いですね。池内ひろ美という評論家の名は初めて知りました。普通の女なら「男を尊敬したい」ものですが、自称フェミニストに係ればこのような想いを一蹴するでしょう。

「信じるものは金だけ」「肥大した自尊心と巨大な被害者意識を持ち、過激な攻撃性にあわせて強烈な嫉妬心までも持ち合わせている」のは男性にもいますね。クリスチャンの中に、こんなタイプがいるのでは?
返信する