トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

四十九日まで(忌中)にしてはいけないこと

2020-01-08 21:40:09 | 私的関連

 前回の記事で昨年末に母方の叔父が死去、年明けの1月4日に葬儀が行われたことを書きました。叔父は母の妹の夫なので直接の血の繋がりはありませんが、親戚の一員なのは同じですから。
 大晦日に行われた火葬の際、従姉から聞いた話にはとても驚きました。故人の四十九日があけるまでは神社参拝は良くないというのです。恥ずかしながら私は、忌中にしてはいけない色々なことを初めて知りましたが、意外に知らない人は少なくないかもしれません。

 この件で検索したら様々な関連サイトがヒットしましたが、「四十九日まで(忌中)にしてはいけないこと」「49日の間にしてはいけない事とその理由、対策など」等の記事は参考になりました。
 特に【してはいけないこと1】が、神社参りだったのには仰天させられました。いかに私がこの方面に無知であったのか、改めて身にしみて感じましたが、従姉から話を聞かなければ元朝参りに行ったことでしょう。毎年していたことだし、肉親ならともかく、親戚の死が初詣での禁忌になるとは想像してもいなかったから。

【してはいけないこと2】で「正月のお祝い」というのは理解できます。ただ、「お正月の挨拶である、「あけましておめでとう」という言葉も慎みましょう」には絶句させられました。年が明けても何気なく使っていたので本当に恥ずかしい。
 正月飾りがもっての外なのも分かりますが、年賀状出しや正月飾りを全て終わった後に親族の訃報が届いたという友人のケースもあります。タイミングもあり、ズレが生じることは意外に多いのかもしれませんが。

 では正月に纏わることは一切ダメかと思いきや、「おせちは大皿などに載せるなど、重箱に入れなければ食べても良いとされています。御屠蘇でなければ、お酒を飲んでも問題」ないそうで、私的にも安心させられました。年が明けずともお酒は飲んでいましたが、年明けはやはり新年の“祝い酒”状態になったので、やはり不謹慎に当たるかもしれません。

 一番戸惑ったのはどんと祭に行けないことでした。1月14日のどんと祭には忌中なので、神社内に入ることができないのです。どんと祭には正月飾りだけではなく古いお札やお守りもまとめて焚き上げて貰っていました。神社に確認したら、忌中明けに古いお飾りやお札は引き取って貰えるそうです。
 ならば来年まとめて焚き上げて貰ってもイイのでは……とも思いましたが、それも良くないとか。とにかく2月後半にようやく神社に行けるため、その時まで焚き上げ対象のお札は神棚に保管しておくことに。
 
 四十九日までにしてはいけないことを調べたら、本当に複雑で面倒……と感じたのは私だけではないと思います。20年ほど前に父が亡くなりましたが、その時は4月だったため神社参りや正月祝いは無縁でした。そのため忌中にしてはいけないことを知る機会がなく、今日に至ったワケです。

 本来「四十九日」とは仏教用語のひとつで、命日から数えて49日目に行う追善法要のことを指します。にも関らず、【してはいけないこと】で神事関連が多いのは興味深いものでした。神仏習合が甚だしい日本社会の反映により形成された習慣と思われますが、死を穢れと見なす神道の概念にはいささか違和感を覚えます。
 忌中に神聖な神社の敷地に入ることは、『穢れ(気枯れ)や不吉を持ち込む行為』とされているそうですが、納得できない現代人もいることでしょう。もちろん衛生管理の行き届いた現代と近代以前ではまるで違いますが。

 俗に「葬式仏教」と揶揄される日本の仏教ですが、死を穢れと忌み嫌う神道との共存もあり、葬式に専念するようになったのかもしれません。死去した親戚がいるだけで参拝を拒む神道のカミは実に狭量……とつい思ってしまうのは、不信仰者の私見です。

よろしかったら、クリックお願いします
  にほんブログ村 歴史ブログへ



最新の画像もっと見る