面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

『ドラゴン桜外伝エンゼルバンク6』の紹介

2019-03-01 17:17:27 | 漫画


漫画図書館Z エンゼルバンク6

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あらすじなのにどうしても長くなってしまうなあ。エンゼルバンクのためになる話を伝えたいと思うのでどうにも上手く省略できないのだ。自分の考えをさらに加えるので尚更だ。でも読んで欲しい。漫画自体も。
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海老沢は井野と桜木が猿山の猿、動物園の動物と同じだと言った理由を説明する。動物園の動物と違い人間は檻に囚われていないが、お金に縛られ、会社に依存しているからと言う。海老沢は投資により一生お金に困らない経済的基盤を作った。会社に依存せず会社の枠組みを使ってやりたいことをやる。海老沢の行動は最終的に会社に多大な利益をもたらすから社長さえ口出ししない。海老沢は自身を「会社の中に独立国を作った。僕はその國の王様なんだ」と言う。これに井野は猛反発する。金持っていれば偉いのか、海老沢は会社で浮いていて孤立している。海老沢は裸の王様だ。会社で自由を奪われているとしても指示された仕事がほとんどだとしても仲間と一緒に仕事しているなら檻の中でも私は十分幸せですと言い切る。

井野はその場を飛び出してしまい桂木が追いかけてくる。井野は涙を流してしまう。桂木は狼狽するが、ベンチに座り二人で話す。桂木も世の中金だなんて意見には反対だと言う。しかし井野と海老沢の思ったことを言い合える関係が羨ましい。自分も会社では浮いているからと。駅で桂木は井野と海老沢の会社に転職したいと言う。その場は冗談だと誤魔化すのだが、顔は真剣だった。海老沢は「裸の王様」と言われたことは全く気にしておらず、桂木が自社に来ると言ったことを喜ぶ。桂木をスカウトしたかったのだ。海老沢は桂木だけではなく人は仕事に中身や報酬を求めているんじゃないんだ。感情を求めているんだと言う。一ヶ月後本当に桂木は転職してくる。

三人で仕事を始めるが、何をするか全く決まってない。海老沢は適当に考えてくれと言う。井野は何も決まってないことに呆れるが、桂木は自由で面白いと言う。井野は例によってまた桜木に相談に来る。桜木は面倒臭がるが、仕事とは社会に何かを与える行為。仕事を考え出して初めて大人になれる。人から与えてもらったものは仕事とは言わない。作業だと言う。日本人は会社のルールには根拠があると思っているがいい加減なものが多い。昔からそうだからという理由で疑うことをしない。抵抗せず決まっていること昔からあることを遵守する。電車内の携帯電話を電車内の利用を日本だけが禁じていた。機械の誤作動など起こらないというのに。利用者の多くがルールを無視して電車内で利用していたらいつの間にかルールが変わったが。一度定着したルールを修正するのは大変だから真実を知っている人達も現状維持のまま放っておく。日本にはそんなルールが山のようにある。要するにルールを疑わないやつらはルールを作ったやつらに利用されていると言う。学校の身体測定で無意味に座高を計り続けていたという例を思い出す。一度定着したルールを修正するのはこれほど大変なのだ。たかが座高でだ。憲法もGHQに押し付けられたものを独立後も律儀に守って改憲していない日本は異常としか言えない。だから何事を疑え。会社員ならまずは会社だと桜木は言う。

海老沢は日本は制度疲労を起こしていて臨終間近だと言う。その日本を変えるために政治家しか思いつけないのが日本の悲しい現実だとも言う。日本を変えるのは政治家でも官僚でもない、僕達サラリーマンだと豪語する。内部の力ではなく外圧が制度を変える。サラリーマンならその外圧を作れる。サラリーマンは世間の人達の生活様式を変える力を持っている。携帯電話、パソコン、インターネット、鉄道、飛行機、車、コンビニ、電子マネーが人々の生活を大きく変えた。現代では國の制度が変化を追随することが多い。アイデアは國の指導ではなく民間企業が金儲けのために必死に考え出したものだ。政治家は一気に世の中を変えようとするが徐々に勢いを増しながら変わるものなんだ。ドミノ倒しのように。しかしインターネットは米軍が創ったものではなかったか。確かに現代は民間企業から出てきたものが多いが、國の研究の副産物もまだまだ多い。海老沢はお金を儲けられる画期的なアイデアはお金になりそうもなないところから生まれるものだと言う。みんなすぐにお金になることばかり考えているから今あるアイデアと似ていて埋没している。無難な二番煎じを世の中に出しても変わらないし儲からない。「これはお金にならない」。それぐらい割り切って発想していると世の中を驚かすことができると言う。当面は日本の会社の良い面と悪い面を洗い出すことから始める。しかしミクロ的な視点ならサラリーマンが変えることもできようが、今の日本に一番必要なのは制度の変更ではない。マクロ経済であり消費税増税と緊縮財政を止め國が歳出を増やす積極財政に転換することだ。減税と国債発行はサラリーマンの力で実現できようか。

当面の方針は決まった。井野はあまり乗り気ではないが。そのあと中島に飲みに誘われる。その場で中島は自身の宣伝から営業に人事異動が決まったと言うのだ。今の企画が大詰めを迎えているところなのに成功してから、あるいは失敗の責任を取らされての異動なら分かるのに会社は何を考えているのかとやけ酒する。井野は人事異動について調べてみることにする。桂木にそのことを話すと人事異動は日本特有で米国にはない制度だと言う。そこに中島が訪ねてきてもう会社を辞めると言うのだ。井野は人事異動の謎を解き明かすからまだ辞めないで欲しいと慰留する。

そこに海老沢がやって来て話を聞く。そこで海老沢は提案する。人事異動の疑問を解決して、僕を納得させる解答を見つけたら、僕が社長に話して中島の異動を取り消しにしてあげると。海老沢はヒントになるような課題を出す。豆腐の消費量を今より増やすにはどうしたらいいか。これが人事異動の課題。答えは3日以内に。デパ地下で色々な豆腐があることを知り買ってみる。その後は井野と中島で意見を出し合うのだが、業界がとっくにやっているような思いつきしか出てこない。そこに桂木がやって来る。井野は豆腐を落としてしまう。しかしそれをヒントに答えを思いつく。

「食べない」ということ。食べること以外にも豆腐を使える新商品を開発すればその分消費量は増える。海老沢が気づかせたかったのは人事異動は新しい視野を手に入れるのにとても効果的ということ。あるひとつの部署で仕事を長く続ければ専門家としては育っていく。作業は早くなり良いことずくめにみえるが、新しいことに気づきにくくなり緩やかに駄目になる。視野が狭くなっていても自信があるから自分達のやり方を変えない。その停滞状態を打破するために社内の全く異文化を持った人を参入させる。そこで化学反応が起きることを望んでいる。人事異動とは種の交配。それによって新しい品種新しい価値を生み出していくことだ。だがこれだけでは足りないと二人は考える。井野、桂木、中島の三人で飲みに行く。中島はまた酔いすぎてタクシーで送っていくことになる。そこで桂木はタクシー運転手と話をする。都内タクシーの運転手は大体日に4~5万稼ぐがなかにはその倍の8~9万稼ぐ腕の良い運転手がいる。それにはお客さんを早く見つけることと休憩を取らず絶えず走ってることを挙げる。しかしそれだけでは駄目だとも言う。

ダントツの売り上げに一番必要な努力は別にあると言う。それは知らない土地でも運転すること。多くの運転手は自分の詳しい土地だけでお客を乗せて運転したがる。稼ぐ運転手は全く逆で知らない土地でも気にせずお客を拾おうとする。知らない土地だとお客を怒らせないか緊張するがだからこそ早く道を覚える。知らないことを恐れなければ得意な地域が広がっていく。桂木はこれをヒントに人事異動の謎が解明できたようだ。「知らない」ということ。知らない時が一番のチャンス。無知を恐れずに挑戦した奴が成功する。それまで全く無関係だった部署に異動させて刺激を与えて別の能力を引き出したい。新しい自分を見つけ出して欲しいのだ。人事異動は人材育成の一種。知らないって駄目なことだと思いがちだけど素晴らしいことで、自分が知っていると思うと勉強しないが、知らなければ新しく覚えようと勉強する。海老沢は人事異動の主な目的「化学反応」と「成長促進」を見事に言い当てたことを喜ぶ。中島にそのことを伝えたいが彼女は営業仕事が愉しくなってしまった。まさに新しきを知り成長するだ。海老沢は中島に日本の会社で良かったねと言う。外国なら給料が下がらないで会社内で異動できることはあり得ないから。

日本では人事異動で部署が変わっても給料はほとんど同じ。会社の給与はほとんど横並び、社長でも飛び抜けた額は貰わない。日本の会社の給与制度は能力主義。その例としてある外国語教室の講師Aさんは英語だけを教えている。一方Bさんは英語と仏語のどちらも教えている。授業料はどの言語でも同額で教える生徒のレベルも同じだったらどちらの給与が高くなるか。日本人なら疑いなくBさんと考えるが米国人は違う。米国では受け持つ授業の量で決まる。教えているコマ数が同じなら給与は同じ。両方できるとかは関係ない。もうひとつの例。新米A課長とB課長が同じ数の部下を指示して同じ作業のラインを監督する。B課長の給与が高いのが日本型。変わらないのが米国型。日本は能力主義だけど米国は職務主義だから。米国では仕事に対してお金が支払われる。A課長もB課長も仕事が同じだから給与も同じ。米国では横の人の仕事は横の人がするもので自分が早くできても手伝いはしない。一方日本では人に対してお金が支払われる。だから同じ仕事をしていても能力画高い方に多くの給与が支払われる。能力の基準が難しいため経験が豊富な年長者の給与が高くなりやすい。米国の制度だと人事異動で違う職種に就いたら給与が変わる。会社が勝手に人事を決めて給料がコロコロ変わると生活が安定しない。だから米国で人事異動があまりないのには給与制度も関係している。経理の人が営業に異動した時初めは営業の知識がないけれども能力は変わらない。時間さえ経てば知識を得て以前と同じ仕事ぶりになると考え給料を変えないのが日本。井野も中島も日本型が良いと言う。海外の仕組みは引いて見ないと理解できない。米国の給与制度を実力主義だと思って米国型の方が能力を正確に評価できるという勘違いが日本に蔓延した。米国型の実力とはやった仕事量のこと。実力主義というより「結果が全て」主義なのだ。勘違いに踊らされて表面的に米国を真似た企業はことごとく失敗した。実力主義という言葉の使い方を間違っていたからだ。中島は日本の人事異動ってちょっとした転職みたいなものと言う。以前の話で米国の会社は常に社員の何割かが転職しているから仕事を覚えるのにいっぱいいっぱいで会社はその力を発揮しにくいと合ったな。それはどうなんだろう。評価がわかりにくい時に実力を評価するのは直属の上司。その評価は絶対的な力を持つ。実力を評価する客観的な基準なんてないからだ。だから部下の給料は上司の胸三寸で全てが決まる。実力よりも相性がものをいう世界。自分の給与が上司に握られているそんな時部下は上司に対しどんな行動をとるか。上司にガンガンゴマをする。井野と中島は驚くが、海老沢はゴマすりってすごく米国的だと言う。

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