面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

当選回数で閣僚にするな

2022-11-12 20:31:15 | 政治
葉梨康弘法務大臣が「失言」で事実上更迭された。私は更迭するほどの失言とは思わないのだが、マスコミの騒ぎようからどうにもならない。葉梨康弘が何か世論を「納得」させられるだけの釈明が出来れば続投できたのだろうが、謝罪するだけでは更迭は避けられない。

「失言」で更迭された政治家は数知れない。失言でその閣僚が無能だとも断言できない。ただ「迂闊」というだけだろう。まあ失言は政治家の専売特許でもなく有名人はそこそこ失言している。

葉梨康弘は世襲議員だが、東大法学部卒業の元警察官僚だ。無能ではないはずなのだ。だが「学歴」「職歴」でその人が閣僚、政治家として有能なのかは無論判断できない。正直葉梨康弘のことは知らなかった。政治の関心のある人でも自民党の政治家を網羅している人は少ないだろう。

繰り返すが、葉梨康弘の更迭は失言が原因だから閣僚、政治家として無能かはわからない。しかし閣僚として失言は政権の足を引っ張る。麻生太郎が小泉純一郎が内閣総理大臣になり抜擢されるまでその失言癖が歴代内閣総理大臣に嫌われ、経済企画庁長官にしかなれなかった。

失言で閣僚、政治家として無能かは断言できない。しかし閣僚としては残念ながら不適格と言わざるを得ない。失言が野党とマスコミに攻撃され、内閣の足を引っ張るからだ。

私個人としては失言で閣僚の馘を取るのは日本政界の悪癖だと考えているくらいなのだが、どうにもならない。失言の種類にもよるが時に致命傷となるのが現代日本の政治なのだ。

失言をする政治家は閣僚として不適格だ。だがそんな国会議員が閣僚に任命されてしまうのは閣僚選びの基準が実力ではなく、当選回数の派閥順送りだからだ。その悪癖は改めるべきだと考える。

衆議院議員は当選五回。参議院議員は当選三回で「閣僚適齢期」とされる。だがこれが間違いだ。

当選一回生で閣僚に抜擢されるのは国会議員になる前に実績がある人がいる。元東大総長が文部大臣に抜擢された例がある。

だが当選一回生は基本的に閣僚にはなれまい。それは良い。その人の資質がわからないからだ。だが三回も当選すればだいたいわかるはずなのだ。閣僚として適格か不適格かどうかが。

当選回数を重ねれば実力を高めていく国会議員もいるだろう。その場合は無論閣僚に任命して良い。しかし当選回数を重ねようが不適格の国会議員はいるのだ。

実力不足の国会議員を当選回数で閣僚にする悪癖は改めるべきだ。政府は企業に年功序列を止めるよう要請しているのだから政界が「年功序列」である「当選回数」で閣僚になれてはいけない。

私は「年功序列」を悪いものとは考えていない。実力主義など混乱するだけだ。それに「年功序列」と言っても本社入社の総合職の85%は課長になれるが、部長になれるのは15%に過ぎないのだ。

政界もこの「年功序列」を導入すべきなのだ。政務官、副大臣までは当選回数の年功序列で構わない。しかし閣僚になるのは政務官、副大臣としての職務で閣僚として適格かを判断されると良い。

所詮、政務官、副大臣は「盲腸」なのだ。発言力、影響力がないわけではないが、なくても良い。だから年功序列で経験を積ませて「部長」である「閣僚」になれる15%か審査すべきなのである。

当選回数、派閥順送り、年功序列で閣僚になれるから閣僚の職務が軽いものになっている。実際方針は首相官邸と自民党執行部で決めて、実務は官僚がやるから閣僚は「中二階」になっている。

閣僚は首相の指示に従い、官僚が上げる書類に署名するだけだ。国会答弁は相当求められるが。

議員内閣制では大統領制と違い原則閣僚は国会議員から選ばなければならない(日本国憲法には閣僚の過半数は国会議員でなければならないとある)。

だから行政官として実力ある人を在野から選べない。官僚を閣僚にすることもできない。国会議員は国民に選ばれた存在だが行政官として必ずしも有能ではない。

米国の連邦議員は選挙のプロだが、あまり有能とは思われていない。特に下院議員は。だから米国のように閣僚に強い権限を与えるより、現在のように「中二階」の存在にすべきなのだろうか。

だが首相官邸と財務省が有識者会議を使って政治を壟断する現在の政治は健全ではない。もっと国会議員の発言力、影響力を高めるべきなのだ。もっともそれは自民党の積極財政派が国民にとって利益になる存在だからだが。

年功序列の政務官、副大臣として実績を上げた15%を部長である閣僚にするようにすれば政治は首相の独裁、首相官邸、財務省の壟断を避けられるのではないか。

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