面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

既得権に汲々とする業界は腐る

2023-06-09 18:24:36 | マスコミ
既得権という言葉は難しい。小泉純一郎や竹中平蔵などの新自由主義・構造改革派に良いように利用されてきたからだ。問題ない業界を既得権にまみれていると決めつけて健全な規制を取り払い、過当競争に追い込み、構造改革派が利益を貪る。

これが小泉純一郎と竹中平蔵の構造改革だった。それでいてテレビ業界など真に既得権にしがみついている業界は温存され、腐敗が腐敗を呼ぶ有り様だ。

既得権にしがみついている業界はあるから改革という言葉に国民は騙されたのだが、そういう利権は未だに温存されている。テレビ、映画などのコンテンツ業界がそれだ。

~~引用ここから~~
ジャニーズ事務所と民放のカルテルがコンテンツ産業を腐らせた

ジャニーズ事務所と民放のカルテルがコンテンツ産業を腐らせた

櫻井翔氏のコメントがいろいろ話題を呼んでいる。彼が被害者だとしても、日テレがジャニー喜多川の性犯罪を見逃して(彼を初めとする)ジャニーズ事務所のタレントを使って...

アゴラ 言論プラットフォーム

 


櫻井翔氏のコメントがいろいろ話題を呼んでいる。彼が被害者だとしても、日テレがジャニー喜多川の性犯罪を見逃して(彼を初めとする)ジャニーズ事務所のタレントを使ってきた加害者としての責任はまぬがれない。もっと大きな問題は、このような芸能人カルテルが、日本のコンテンツ業界を腐らせたことだ。



1950年代の日本映画は、世界でも最高水準だった。黒沢明はスティーブン・スピルバーグなどのハリウッド映画に影響を与え、溝口健二はジャン=リュック・ゴダールなどのヌーベル・バーグの手本となった。

だが60年代以降の映画産業は、質量ともに衰退の一途をたどった。年間入場者数は1958 年の約11億人をピークに減少し、最近やや盛り返したが、全盛期の2割にも満たない。

その原因は一般にはテレビの登場による不可避な運命だったと考えられているが、ハリウッドはその後も発展した。関連産業もあわせた娯楽産業の国内総生産は電機産業や自動車産業と肩を並べ、アメリカの最大の輸出産業である。何がこのような大きな違いをもたらしたのだろうか。

「5社協定」という芸能人カルテル
1950年代にテレビが登場したとき、映画会社は映画の提供を拒否するばかりでなく、所属俳優にテレビの仕事を禁じる5社協定というカルテルを結んだ。その結果、映画産業はテレビという最大の媒体を失い、系列の映画館に画一的なスケジュールで上映させる「ブロック・ブッキング」を続けたため、競争や新規参入がなくなった。

他方アメリカの映画産業は、60年代にはテレビ番組の制作に活路を見出し、逆にテレビを新たな収入源とすべくロビー活動を行った。FCC(連邦通信委員会)は1970年に、テレビ局は番組のうち一定の比率を外部に発注し、その番組について1次放送権以外の権利をもってはならず、シンジケーション(番組流通)もしてはならないというフィンシン・ルールを定めた。

この規制によって、ハリウッドで制作されてテレビで放送された番組の権利はハリウッドに残り、プロデューサーに一元化された。たとえば人気コメディ「サインフェルド」1本(30分)の放送権が120万ドルにもなるなど、高い制作費をかけても繰り返し視聴に耐えるすぐれた番組をつくれば採算があうようになり、テレビ番組の質も向上した。

映画の失敗を繰り返す民放
1970年代から始まったケーブルテレビ(CATV)や通信衛星などによる多チャンネル化への対応も、日米でわかれた。アメリカでは80年代に始まったCATVが、MSO(複数のCATVを運営する大規模局)に統合されて大きく成長し、通信衛星は各家庭に数百チャンネル以上を直接放送できるようになった。

こうした多数のチャンネルの間で番組を売買するシンジケーションも発達し、コンテンツの制作/流通/放送という3つの産業が水平分業するる産業構造ができた。これによって多くの独立系プロダクションが生まれ、CNNの視聴者は全世界で15億世帯、科学番組を放送する「ディスカバリー・チャンネル」は4億 5000万世帯、音楽番組のMTVは3億世帯など、グローバルにコンテンツを供給して高い収益を上げている。

ところが日本では、郵政省は既存テレビ局の既得権を守るため、CATVの放送エリアを各市町村に限り、衛星放送については地上波局の広告収入に影響が及ばないように広告放送を禁じた。このように映像産業がインフラごとに分断され、コンテンツの流通を放送局が支配する構造ができたため、映像産業に競争的な市場が形成されなかった。

民放はインターネットも徹底的に妨害し、プラチナバンドの電波も開放しない。嵐やSMAPのような芸のない芸能人のために番組をつくり、タレントを囲い込むので、新しい才能が出てこない。言論も類型化し、世界に通用しない左翼報道を繰り返している。ジャニーズ事務所は、こういう腐ったテレビ業界の象徴なのだ。
~~引用ここまで~~


映画はテレビという黒船が来たとき新しいビジネスチャンスと考えず既得権を守ることに汲々としてしまった。テレビに映画を放送させれば莫大な利益が見込めたのに今ある既得権を守ることに汲々としてしまったのだ。

1950年代は黒澤明など世界最高水準だった映画は衰退し、アニメ映画以外日本映画は見る影もない。

テレビもケーブルテレビや衛星放送の黒船に対して地上波テレビ局の既得権を守ることばかりに汲々とした。

インターネットに対しての新聞、テレビもそうだ。日経新聞は電子版がいくらか成功しているが、インターネットを新しいビジネスチャンスと捉えないと衰退する一方なのだ。

水は留まれば腐る。新規参入がない業界は腐るしかない。日本の映画とテレビは全く面白くない。

まずドラマがそうだ。ジャニーズなどの有力事務所の俳優ばかり出演して脚本が面白くない。私はテレビを全く見る気になれない。つまらないからだ。

ニュースも報道しない自由の偏向番組ばかりで見ると気持ち悪くなる。だから毎日ツイッターでテレビを見ないことを勧めている。

日本の漫画が面白いのは競争と新規参入があるからだ。高橋留美子は大御所だから漫画業界に君臨しているわけではない。面白い漫画を描き続けるからあの歳でも現役なのだ。

紙の雑誌の部数は減る一方だが、大手出版社は最高益を上げている。電子版の漫画が売れているからだ。海外事業も好調だ。

漫画とその派生に近いアニメは面白い。世界的にも最高水準といって良い。それは新規参入と健全な競争があるからだ。だから漫画は日本が世界一なのだ。

しかし映画もテレビも新聞も既得権を守ることばかりに汲々として新しい黒船に背を向けて新規参入を阻み、健全な競争もない。だからつまらない。だから衰退していく一方なのだ。

今からでも新聞、テレビは見ない新規参入を開放し、健全な競争をするべきだ。実写のコンテンツ業界が復活するにはそれしかない。

東大卒の新聞社員、テレビ局員は優秀なのだが、その優秀さを発揮できない構造になっている。押し紙で既得権に汲々とする新聞業界に先があるものか。ケーブルテレビや衛星放送でも新規参入がないテレビ業界は腐っていくしかない。

世襲政治家支配の自民党も腐敗の極みにある。自民党が腐ろうが構わないが、自民党は日本の支配政党なのだ。自民党の腐敗は日本の腐敗に直結する。さりとて野党が良いわけではない。財務省に洗脳された野田佳彦が一丁目一番地の公約を破って消費税を増税したのは最悪だったからだ。

実力、才能があるのにそれを発揮できない。その業界の構造は既得権を守ることばかりに汲々としている。新しいビジネスチャンスに挑戦しようとしないのだ。

財務省などは日本を支配しているのにやることは緊縮財政で財務省の既得権を守ることだけだ。GDPを増やして日本を豊かにするという考えはない。だから日本は衰退しているのだ。

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