面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

新しい領域を加えた新しい戦争

2020-07-29 23:18:21 | 外交・安全保障・国際
~~引用ここから~~

[安保60年]第3部 新たな戦闘領域<5>露の「融合作戦」ショック…通信遮断 偽指令出し待ち伏せ : 政治 : ニュース

読売新聞オンライン

 


 これからの戦争は、航空機や船などの伝統的な兵器や兵士の数といった戦力よりも、陸海空に宇宙・サイバー・電磁波を加えた各領域が交錯する部分で戦闘が決するとみられている。

 こうした「領域横断」の大規模戦闘が実戦で初めて行われたのが、ロシアによる2014年春のウクライナへの軍事介入だった。

 防衛省関係者によると、ロシアは多種多様な陸上電子戦装備を前線に展開し、ウクライナ軍の無線通信を遮断。ウクライナ部隊が代替手段として使う携帯電話のシステムをあらかじめハッキングしておき、ロシア側が待ち伏せしている場所に集結するよう偽の指令を伝えた。そのうえで、実際に集まったウクライナ兵に集中砲火を浴びせ、壊滅的な打撃を与えた。

 無人機で携帯電話の通話回数などの情報を収集し、野戦司令部の位置を割り出して爆撃もしたとされる。

 こうした作戦のため、ロシアは事前のサイバー攻撃で、ウクライナ軍の指揮命令の方法などの極秘情報を入手し、本物そっくりの「指令」を出したという。

 結局、ロシア側は約1万5000人で、約5万人のウクライナ部隊を制圧した。

    ◇

 「まさにこれが『領域横断』の戦いではないか。電磁波とサイバーと火力戦闘が融合した戦いだ」

 今年2月、神奈川県横須賀市で開かれた陸上自衛隊のセミナーで、陸上幕僚監部の広恵次郎指揮通信システム・情報部長は、こう分析した。広恵氏は自らウクライナを訪れ、「生きた教訓」を学んできた。

 ロシアの領域横断作戦は、米軍の想像をも超えていた。自衛隊幹部は当時、米軍幹部が「我々はアフガニスタンやイラクでテロリストの掃討作戦に追われ、サイバー、電磁波といった新たな戦闘領域での戦いを重視してこなかった。ロシアに完全に置いていかれた」と悔しがるのを耳にし、ショックを受けたと振り返る。

 米国は16年10月、陸軍主導で「マルチドメインバトル(多次元戦闘)」構想を打ち出した。その後、「マルチドメインオペレーション(多次元作戦)」に改称し、全ての領域で一斉に作戦を展開し、敵に打ち勝つ能力の獲得を目指している。

    ◇

 新たな戦闘領域をめぐっては、「ロシアがやることは、中国もやっている」と言われる。

 中国軍は15年末に「戦略支援部隊」を発足させ、宇宙、サイバー、電磁波と情報戦を一つの部隊に一本化した。防衛省幹部は、「陸、海、空それぞれが従来の装備品や伝統的な戦い方、予算を維持しようとして変化が遅れている日本とは対照的だ」と警戒する。

 日本も18年12月に閣議決定した「防衛計画の大綱」(防衛大綱)でようやく、宇宙、サイバー、電磁波を新領域と位置づけ、「多次元統合防衛力」の構築を正面から掲げた。関係者は、宇宙の「ウ」、サイバーの「サ」、電磁波の「デン」をとって、新たな領域を「ウサデン」と呼ぶ。

 防衛大綱の策定時には、自衛隊が中国軍と交戦した場合を想定し、次のような議論が交わされたという。

 「中国軍にはハード面ではかなわない。ウサデンで中国軍のネットワークをまひさせる力を持つべきだ」

 ただ、中露は新領域では、有事と平時の明確な区別をつけずに戦いを展開するのは間違いない。当時議論に参加した自衛隊幹部は、「電磁波にしても、サイバーにしても、専守防衛では後手に回り、逆に自衛隊がやられてしまうかもしれない」と懸念を口にする。

 元陸自東部方面総監の渡部悦和・元陸将は、「中国は戦わずして勝とうと、平時からあらゆる手を使って挑んできている。我々が平時と思っているものは平時ではない。安全保障に対する認識を変えないと勝負にならない」と警鐘を鳴らす。

 新たな戦闘領域が主戦場となったことで、核を含めた米国の打撃力に頼っていれば戦争を抑止できた時代は過去の物となった。専守防衛による国土防衛といった旧来の安全保障政策を漫然と続けていては、日本の安全を守れなくなっている。

 中国やロシアに隙を見せないためには、日本自らが新たな領域での対処力の向上に全力で取り組む必要がある。
~~引用ここまで~~


ロシアはソ連崩壊後ボロボロになった軍をよくここまで建て直したもんだ。プーチンが金に色目をつけずに予算を注ぎ込んで来た結果だろう。宇宙、サイバー、電磁波と新たな領域でも戦えるように備えている。日本は陸自、海自、航空の三自衛隊の統合運用さえ満足に出来ていないというのに。

それどころか「専守防衛」という言葉に縛られ自衛隊の手足が縛られている。初めて「専守防衛」を使い出したわけではないが、本格的に「専守防衛」と言い出したのは中曽根康弘だ。読売新聞のナベツネとは盟友関係にあるから評価されていたが、中曽根は売国奴でしかない。金持ち優遇と独裁政権に金を配っていただけだ。

日本の自衛隊は敵基地攻撃能力さえ備えることができない。自民党は提言をまとめるつもりのようだが、それも踏み込んだものはできなさそうだ。岩屋など「専守防衛」派が反対するからだ。自民党の提言がそれで政府が敵基地攻撃能力を保有できると思うのか。

~~引用ここから~~

防衛省、地上イージス代替3案説明 自民会合で 提言案は了承見送り

防衛省は29日、自民党のミサイル防衛のあり方に関する検討チームの第6回会合で、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」(地上イージス)の...

産経ニュース

 


(略)

 提言案では「敵基地攻撃能力」との表現の明記は見送った。敵のミサイル攻撃に対し、相手の領域内で対応する能力の保有の検討を求め、これは「専守防衛の考え方の下での抑止力向上の新たな取り組み」であるとも強調した。

 多くの出席者は必要性を訴えたが、これまでの会合でも異論を唱えた岩屋毅前防衛相は「専守防衛の方針、日米の(盾と矛の)役割分担は変えるべきではない」と反対した。

 会合は非公開で、2時間以上に及んだが、結論は出なかった。小野寺氏は記者団に、一部の文案を修正した上で30日の会合で改めて提示し、了承を目指す意向を示した。党内手続きを経て8月上旬に安倍晋三首相に提出する方向だ。
~~引用ここまで~~


海上自衛隊は人員不足で護衛艦に乗り込む海上自衛官は定員の7割程度と言われる。海上自衛隊基地の警備など陸上自衛隊で代替できる任務は陸自に代替させ人員を確保すべきだ。

航空自衛隊は航空宇宙自衛隊になるのだから人員を宇宙分野に回さなければなるまい。既存の部隊や施設は統廃合する必要がある。

陸上自衛隊も師団を旅団にして、方面隊を解散するなど思いきった組織再編が必要だ。その分浮いた人員は海上自衛隊、航空(宇宙)自衛隊の基地の警備に回したり、サイバー、電磁波の新領域に備えたい。

サイバー、電磁波部隊は陸上自衛隊中心に人員を集めることになるだろうが、三自衛隊の統合部隊としたいものだ。

米国から高い玩具を買う余裕はない。トマホークは欲しいが、オスプレイは要らないというように取捨選択しなければならない。トマホークを売らないと水面下で言われたそうだが。軍事予算自体を増やさなければならないが、賢い支出をする必要もある。無駄に使っていては予算がいくらあっても足りないし、戦力向上に繋がらないからだ。

~~引用ここから~~

政府・自民にトマホーク配備論 中朝のミサイル攻撃抑止に期待

「敵基地攻撃能力」の保有に向けて議論を進めている政府・自民党内で、米国製で英国にしか売却されていない長射程巡航ミサイル「トマホーク」の配備論...

産経ニュース

 


(略)

政府関係者によれば、平成25年ごろの日米の非公式協議で「トマホークは売却しない」との方針を米側から伝えられたことがある。ただ、「トランプ大統領と安倍晋三首相の信頼関係があれば米政府は売却を認める」との見方も強い。調達価格はイージス艦が搭載している弾道ミサイル迎撃用の「SM3」の10分の1程度で済む可能性があるという。
~~引用ここまで~~


ロシアがウクライナへの軍事介入でサイバー、電磁波を使った「新しい戦争」を見せてくれた。防衛省・自衛隊関係者はそれを生きた教材としてどれだけ自らの血肉にできるかだ。

自衛隊は総数で23万人程度しかいない。少なすぎる。しかし少ない利点もある。少ない予算で装備を更新できるのだ。宇宙、サイバー、電磁波の新しい領域でも少ない人数なら近代化しやすいはずなのだ。

硬直的な組織を変えることができるのか。それで新たな領域を加えた「新しい戦争」へ備えられるかが決まるだろう。


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15 コメント

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Unknown (19190213)
2020-07-30 22:44:16
露軍が新しい力を得たのはこれまでのような長大な陸軍を棄てた結果です。
それはコストカットの結果なんですよ。
人事を刷新し無駄な司令部を潰し必要な前線指揮官を増やし予備軍や大きすぎる不要な戦闘部隊を減らす。
そうして余ったリソースを集中させた結果が数は昔よりも少ないが即応性も高く他国よりもより優れた軍隊なんですよ。
ですから金に糸目を付けなかった訳だけじゃなくてちゃんと経営努力を彼らはしているんですよ。
一方本邦は・・・・・
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19194213さんへ (ぬくぬく)
2020-07-31 23:07:56
陸自は「大隊」がないと聞いています。「中隊」の上はすぐ「連隊」だと。フランス陸軍もそうらしいですが、前線指揮官がいない薄めた軍隊ですよね。
師団も旅団にして即応性を高め方面隊を廃止しないといけないでしょう。
司令部ばかりあっても仕方ないからです。

階級インフレでしょうか。統合幕僚長を日銀総裁や検事総長と同格にしてやれば解決するでしょうか。
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Unknown (19190213)
2020-10-11 19:31:01
本邦と露を同一視ってのは完全には出来ないです。
何故ならば彼らは人類最終戦争を勝ち抜くために作られた集団ですから長大重厚でありましたし、比して本邦は限られた予算の中かつペントミック志向の編成をしています。
ですから元から薄い味噌汁のようなものなので全部が全部減らせばなんとかなるような物でもないと思うのです。

現代戦・・目となるドローンや衛星・・そしてC4isrが発達した現代は戦場の情報が過多で処理にはマンパワーか補助的なAIが必要です(仕事量は多いです)。
本邦の司令部結節や幹部の数が現予算内で必ずしも不要であるとは言えません。
陸自は陸自にあった処方箋が必要かと思います。

例えば・・・災派が現行のやたら多い普通科連隊の建制を維持する理由であるならば直接戦う概算がない部隊はコア化していくべきですしコア化した部隊は大隊の形式を用いるべきと思います。

方面隊は軍政機能もありますし複数県またがる震災や戦闘を考えるとあっても良い物とは思います。
ただし、方面隊がいる故の無駄な仕事は省くべきかと考えるところです。
薄い味噌汁と言うのは編成を見れば解る通りで何処かがコンバットを組むと何処かは支援する部隊が足りないと言ったことが起きますし方面のような部隊が居るからこそ戦力や兵站を適切に割り振れる側面もあります。
方面を廃したしても中央に同様の機能を持つ幕僚集団を持ち派遣する必要性は変わりないかもしれません。

ソ軍の場合はダイエットで良かったかもしれませんが自衛隊の場合は痩せ気味ですから、使う場所の筋肉だけでも重点的に振るといった苦肉の策に近いかもしれません。

前線指揮官例えば少尉クラスの仕事は曹長クラスにもどんどん割り振る必要性も増えてきましたし自衛隊は実際にそうしてます。(良い事です。)

余剰を削り資本の集約化する事と言えば方法としてはソ軍も我が社も同じかと思います。
しかし、将校は貴重ですしソ程には恵まれていない事を考えると再分配するには細心の注意が必要です。
補職階級を少し下げる措置は必要ですが方面隊のような広域にまたがる指揮組織を無くすのは劇薬かと思います。
代替案が必要です。
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19190213さんへ (ぬくぬく)
2020-10-12 02:00:47
コメントありがとうございます。

陸自に限らず自衛隊は将校が多くて、兵が少ないですからね。良く言えば「骸骨聯隊」なのかもしれませんが。

また近代化した軍隊(自衛隊)には将校の数が必要なこともわかります。司令部の数も必要なのでしょう。しかしそれにしても師団、旅団の上に方面隊があってさらに陸上総隊まで必要でしょうか?屋上屋を架すことと思えてならないのです。薄い味噌汁を濃くするには司令部を減らすしかないと思うのですが。

米軍がまずそうですが、太平洋軍や中央軍などのような最上級司令部は陸・海・空・海兵隊の統合軍です。日本の陸自の規模だと方面隊を廃止してあるいは発展的解消をして海自、空自との統合「軍」にすべきだと思うのですがどうでしょう。それを統合幕僚監部が統括する。統括といっても現地司令部に任せるところは任せるべきだと思いますが。

第一仮想敵国の支那に備えるにはミサイルとサイバー攻撃を別にすると、艦隊が沖縄県に攻めてくると思うのです。当然戦闘機と爆撃機が付随するでしょう。それは海自・空自の統合「軍」で迎え撃つのが一番ではないでしょうか。有人島を占領されれば陸自の特殊部隊の出番かもしれません。
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Unknown (19190213)
2020-10-12 19:33:41
白書を見る限りではグレーゾーンへの対応と接近拒否も重要だと思います。

それはさて置き結局の所15ある旅師団を指揮するのは無理があるんですよ。
一寸所要が大きすぎます。
結局中央の総隊が肥大化するだけかもしれません。
現状でJTFというと災派なんかでは組まれていますがその命令系統は陸幕長ではなく統合幕僚長からダイレクトに方面総監に指示が届いていることを踏まえれば指揮の上では問題は大きくはないかと思います。

それでも5個方面はやり過ぎだと思うところですから幾つかは減らして総隊直の隷下部隊にするというのはアリかもしれません。例WAとNAを総隊隷下にし他はそのままとか。

もし総隊に完全統合するならばG1・人事、G2・情報、G3・作戦、G4・兵站これらの指揮業務処理に補助AIを活用するとか予備幕僚組織を作ってオーバーフローを防げば良いかもしれません。
その場合はやはり総隊を多少大きく作る必要性と司令部を東京に置くと人件費として都市手当+20%が付くので方面のトップと副それとお付きの物を頸にしたとしても採算取れるかは判らないと感じたりします。
司令部が東京23区でないならば都市手当も幾分落ちるのでメリットはありそうですが・・。
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Unknown (19190213)
2020-10-12 19:46:45
言っちゃなんですが指揮官が多いのは部隊が多すぎるからなんです。
それ故に後方支援部隊や特科、施設、機甲科と必要な戦闘団のパーツは増えていく・・・・。
明確に使わない部隊はコンバットを組まない設計するとか(付随する部隊が減る)、一部の基幹部隊たる普通科を削減すれば必然的に人員は余所に充当され濃い味噌汁に戻るはずです。
全体的な戦力は減りますが、局所は強くなる。
明確にカテゴリー1と2を別ける事が出来れば充足問題は事足りるのではないかと思います。
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19190213さんへ (ぬくぬく)
2020-10-12 23:29:05
コメントありがとうございます。

師団、旅団に統合幕僚監部が直接命令するのは確かに統合幕僚監部が大きくなりすぎるでしょう。合理的ではありません。しかし師団、旅団の上の方面隊を統合「軍」にしてそれに統合幕僚監部が指揮・命令する形にすれば良いと思うのです。米軍は統合軍の司令官がかなりの権限を持っているようで統合参謀本部からはあまり命令されませんが。

支那が沖縄県に侵攻してきた際は海上自衛隊の「自衛艦隊」が迎え撃つのか、日本南西部の統合「軍」が迎え撃つのかわかりませんが。

日本は島国なので、聯合艦隊に相当する自衛艦隊は必要だと思うのですが、陸上総隊と航空総隊は必要なのでしょうか。陸自、空自の全「軍」を指揮することなどないでしょう。統合幕僚監部か陸上幕僚監部、航空幕僚監部があれば十分だと思うのですが。陸上総隊、航空総隊と陸上幕僚監部、航空幕僚監部は役割が違うのでしょうか?いやもちろん違うのでしょうが、分ける意味があるのでしょうか。
返信する
Unknown (19190213)
2020-10-13 20:07:46
>師団、旅団に統合幕僚監部が直接命令するのは確かに統合幕僚監部が大きくなりすぎるでしょう。合理的ではありません。しかし師団、旅団の上の方面隊を統合「軍」にしてそれに統合幕僚監部が指揮・命令する形にすれば良いと思うのです。米軍は統合軍の司令官がかなりの権限を持っているようで統合参謀本部からはあまり命令されませんが。

JTFとして方面隊が自衛艦隊派遣部隊、航空総隊派遣部隊、陸自の増援を隷下に収め活動しました。
これは仰る所の統合部隊ですし増強方面隊が主体となって指揮幕僚活動に耐えうるものだと示しております。
勿論、専門的且つ詳細な指揮は海自横須賀や航空総隊で行いましたが。

>支那が沖縄県に侵攻してきた際は海上自衛隊の「自衛艦隊」が迎え撃つのか、日本南西部の統合「軍」が迎え撃つのかわかりませんが。

クロスドメイン戦略に基づいて行けばJTFであるかと思います。

>日本は島国なので、聯合艦隊に相当する自衛艦隊は必要だと思うのですが、陸上総隊と航空総隊は必要なのでしょうか。陸自、空自の全「軍」を指揮することなどないでしょう。統合幕僚監部か陸上幕僚監部、航空幕僚監部があれば十分だと思うのですが。陸上総隊、航空総隊と陸上幕僚監部、航空幕僚監部は役割が違うのでしょうか?いやもちろん違うのでしょうが、分ける意味があるのでしょうか。

 一寸おぼろげで自信がありませんが昔は方面隊を指揮監督するのは防衛大臣であったと思います。
勿論それだけではいけませんから部隊運用に属する指揮命令は統幕長が行うはずです。(JTFはこの下に設けられる。)

陸幕長ってのは訊く所によると練度管理責任者であって本来は問題対処の為の部隊運用を行うものではないようです。
陸幕は軍令部と軍政を兼ねた組織ですので本来は各方面隊を(運用)指揮する訳ではないかとも聞く所です。
つまり言うところの”将来こういう戦いが起きるであろうからこういう部隊編成にして法を整備し火器を調達し教育を計画していく”といったモノが主たる任務ではなかろうかと。
彼らの主任務は”計画及び準備”であると思います。

でそれを踏まえて訓練を行い有事直接指揮をとり問題に対処するのが陸上総隊並びに(昔で言う所の方面総監部)ではなかろうかと。


確かに統幕→総隊→となると重複しているように見えますがこれは戦略、作戦、戦術の各階梯の違いだと思います。

各幕は軍令部と軍政を司る機関であるので有事の際直接的には系統の中には入らないかと思います。
返信する
Unknown (19190213)
2020-10-13 20:56:24
一寸筋の悪い例えで言うと・・・
NPBで言うGMが各幕であるのかなとプロ野球においてGMは(決して多くの場合ではないですが)、球団の編成や選手獲得を行いますよね。

これは軍隊の権能で言う所の造兵機能です。

じゃあチームは何かと言うとJTFです。
それでは監督は?
統合幕僚長です。
彼は統合された戦力(投手、野手)を指揮運用し目標を達成させます。

各総隊相当は・・・
 これは適切ではないですが各コーチ(投手、バッテリー、打撃、守備走塁)が各総隊相当になるのかと思います。

各部隊は選手になると。

組織をデザインするのがGM・・もとい各幕で

実戦で統合チームを指揮運用するのは監督・・もとい統幕長。

監督もとい統幕のだした目標を達成するための実際の細かい運用はコーチもとい各総隊であるのではないかと。

短切に言うなれば造兵・練兵は各幕。
用兵能力は統幕→総隊
かなと。
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19190213さんへ (ぬくぬく)
2020-10-14 01:36:06
コメントありがとうございます。

>確かに統幕→総隊→となると重複しているように見えますがこれは戦略、作戦、戦術の各階梯の違いだと思います。

これですね。私がどうしても納得いかないのは。統合幕僚監部→方面隊を統合発展させた統合「軍」(「軍」としているのは自衛隊だからです。理解してくれていると思いますが念のため)という形にすれば良いと思うのです。
旧陸軍は大東亜戦争で何でも参謀本部が命令しようとしました。それで失敗しました。現地の最高指揮官つまり統合「軍」司令官に権限を持たせて統合幕僚監部は大枠を決めるだけで良いと思うのです。そうすれば「総隊」も必要なく、統合幕僚監部も肥大化しすぎないはずです。素人考えでしょうか。

>統合幕僚監部
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%B9%95%E5%83%9A%E7%9B%A3%E9%83%A8
>近年、統合幕僚監部は、諸外国で見られるような大統領や国防長官の最高軍事補佐機関であるスタッフとしての統合参謀本部の機能と、大統領や国防長官の命令を最高の立場で指揮するラインとしての統合軍司令部の機能を併存させているため、大規模災害や有事の際に、大臣補佐と各部隊への指揮という2つの任務に忙殺され対応できない可能性も指摘されている。そこで統合幕僚監部から運用部を切り離すなどして、新たに統合幕僚監部とは別の常設の「統合司令部」を創設し、統合幕僚長を大臣補佐に専念させる構想がもちあがっている。

だからこれには反対なのです。屋上屋を架すことに思えてなりません。

プロ野球やサッカーに例えると統合「軍」司令官が監督に思えます。参謀・幕僚がコーチで、選手は各部隊の師団長から小隊長かな、と。参謀の意見を聞いて司令官が決断を下すわけですからね。
統合幕僚長はむしろGMかなあと。防衛大臣か首相がオーナー、球団社長になりますかね。GM補佐は事務次官以下背広組。事務次官のが統合幕僚長より権限強いんでしたか。

最後に話は変わりますが、統合幕僚監部は名称を統合参謀本部に変えて欲しいですね。防衛省も国防省に。兵部省でも良いですが。一番変えて欲しいのは階級ですね。一佐を大佐に。陸・海・空将を大将、中将に。
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