政治家「又市征治」という男

元政治記者の私が最も興味を持った政治家、それが又市征治だった。その知られざる人物像に迫る。

野党合意と裏切り

2007年07月19日 | Weblog
 平成18年6月8日、民主・共産・社民・国民新の4野党は、幹事長・国対委員長会談を開いた。これは表向き、民主党の鳩山由紀夫が呼び掛けた形になっていたが、実質的には又市征治が仕掛けたものだった。
 その席上、又市はこう切り出した。

 「小泉首相の任期は9月まで。つまり秋の臨時国会は別の内閣だ。内閣が替わる以上、小泉内閣が提出しながら今国会で成立しなかった法案は全て継続審議ではなく、廃案にすべきだ。」

 これには、民主の鳩山・渡部が難色を示した。民主は与党案への対案を出していた。

 「民主の対案も廃案にするのか。」

 民主党は対案路線の危うさに懲りていなかった。又市は即答した。

 「当然だ。」

 「与党がどうしても通したい法案であれば、次期内閣がまた新たな法案を出してくるだろう。民主党はそのとき、どうしても対案を出したいならば改めて出せば良い」

 又市の主張は筋が通っていた。共産・国民新は「その通りだ」と支持し、民主も納得した。

 この幹事長会談では、教育基本法改定案、「共謀罪」創設法案、国民投票法案、防衛「省」昇格法案などを廃案に追い込むことが確認された。ふらふらする民主党に一本の骨を通そうとする又市の狙いは成功したかに見えた。
 ところが国会最終日、民主党はこの野党合意を裏切る。議院運営委員会で、中川正春、三井辨雄ら民主党理事が与党と談合し、全て「閉会中審査」すなわち継続審議にしてしまったのである。これには鳩山も一枚かんでいたらしい。というのは、鳩山は民主の「日本国教育基本法案」の提案者である。対案も廃案にすることに難色を示したのもそのためだったのだろう。

 この民主の裏切りに、共産・社民・国民新の3党が怒ったのは言うまでもない。市田・又市・亀井(久)の3幹事長は相次いで鳩山に抗議した。

 「いや、現場が勝手に決めてしまって・・・」
 「いや、うまく伝わらなかったのかもしれない・・・」

 鳩山の言い訳に、又市は怒る以上にあきれていた。

 「平気で合意事項を踏みにじっておいて政治家と言えるのか。これが野党第一党の姿か。これでは政党でも何でもない。」

 しかし、あきれてばかりもいられない。

 「幹事長でダメならば、党首クラスを引きずり出すまでだ。」

 又市はすぐに次の仕掛けに取り掛かっていた。
(敬称略)

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2 コメント

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又市誹謗・反社民ブログかと警戒していました、 (ゴンベイ)
2007-07-20 06:18:11
ブログ・ランキング・チャートで見かけたものの、又市誹謗・反社民ブログかと警戒していましたが、一応確認のために一度だけクリックしてみました。一読して安堵いたしました。

それにしても、
又市征治ホームページ
http://www.s-mataichi.com/
や、
社民党
http://www5.sdp.or.jp/
のリンクがメニュー・コラムに掲載されていなのは何故でしょう。
返信する
安堵してください (元記者M・T)
2007-07-20 17:50:09
 コメントありがとうございます。
 私は、ただ取材してきた事実に基づいて記事を書くだけであり、誹謗などを記事にするような趣味はありませんのでご安心下さい。
 ところで、又市氏のHPや社民党へのリンクを張っていないことについてですが、このブログはあくまで私の個人的なものであり、趣味の一つとして独り言を書く場に過ぎないからです。
 ご理解いただければ幸いです。
返信する

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