政治家「又市征治」という男

元政治記者の私が最も興味を持った政治家、それが又市征治だった。その知られざる人物像に迫る。

父の事故、母の早産

2007年06月07日 | Weblog
 又市征治は、富山市で売薬業(いわゆる、富山の薬売り)と農業を兼業する又市久治とその妻である操の、次男として生まれている。これはその当時の話である。

 太平洋戦争末期の昭和19年7月、自宅の前で作業をしていた久治に突然の不幸が襲いかかる。久治を目がけて日本軍の軍用トラックが突っ込んできたのだ。
 久治は両脚を複雑骨折。どうにか片脚はつながったものの、もう一方の足は切断しなければならなかった。

 そのとき妊娠中だった操は、夫の事故に動揺したためか急に産気づき、出産予定日より約6週間早く男児を出産した。もちろん未熟児である。しかもこの男児は産声も上げず仮死状態だった。助産師が蘇生させようと逆さにしたり背中をたたいたりしたが、それでも泣かなかった。
 助産師も、もう駄目だとあきらめながら、「最後にもう一度だけ」とたたいたそのとき、男児は微かな産声をあげた。
 その男児は、征治と名づけられた。
(敬称略)


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