平成18年9月、任期中の改憲を掲げて登場した安倍政権は、教育基本法改定案、「共謀罪」創設法案、国民投票法(改憲手続法)案、防衛「省」昇格法案など、小泉政権時代に継続審議となった法案の「在庫一掃」を推し進めようとしていた。
これに対し、又市征治は、秋の臨時国会の冒頭から4野党共闘の引き締めに取りかかった。
自民党と同根である民主党や国民新党は、教基法改定や国民投票法案、防衛省昇格、さらに改憲も、基本的に賛成の立場である。放って置けば、民主・国民新は自民・公明になびきかねないと誰もが見ていた。しかし、野党はなかなか崩れなかった。
教育問題に関するタウンミーティングにおいて「やらせ」「サクラ動員」「不正な謝礼」などの問題が発覚したにもかかわらず、与党は教育基本法案の衆議院での審議を一方的に打ち切り、単独で採決を行った。こうした強引な国会運営に、野党は反発し、結束を強化した。
それが崩れたのは、沖縄県知事選で野党統一候補が敗れた直後だった。民主党は野党共闘を覆し、あっさりと審議に復帰してしまう。
自民党国対委員長の二階敏弘が民主党に対し、「聞きたいことが6点ある」と審議復帰を求めた。二階の言葉は、民主党の弱みを6つ握っているという意味であった。その「弱み」が何かは定かではないが、それ以後、民主党は与党の言いなりだった。共産党も審議拒否を好まず、淡々と審議時間を稼がせた。民主、共産から崩れた野党共闘を尻目に、与党は教育基本法案をはじめ、次々と法案を成立させていった。
民主党は、もともと野党間で廃案にするとまで確認していた防衛「省」昇格法案に、賛成にまわる始末だった。次から次へと態度を変える民主党に、社民の又市や共産の市田、国民新党の亀井(久)らは、怒りを隠さなかった。
又市は痛烈に民主党を批判したが、それでも共闘をあきらめようとはしなかった。批判だけで手を切るのは分かりやすいし簡単だ。しかし、それでは民主をますます自民・公明に近づけることにつながる。そうなれば「自民・公明・民主3党大連立による改憲」という自民党の思惑が現実味を帯びてくる。又市は、それだけは避けたかった。
一方、民主党の小沢も、来るべき参院選の勝利のためには、社民・国民新との連携は欠かせないと考えていた。巨大与党に対抗するには、何としても参院選で与野党逆転を果たさなければならなかった。もし今度も惨敗すれば、「政権交替」という一点だけでつながってきた民主党そのものが崩壊の危機を迎えることになる。小沢の尻にも火が点いていたのである。
又市は、小沢に積極的な選挙協力を投げかけた。社民と民主、候補者の3者で政策協定を結び、政策の刷り合わせを行うことを図った。
12月末、全国で初めての無所属統一候補の擁立は、又市の地元・富山で、又市と小沢が同席する中で発表された。
又市の社民党が、民主党やその無所属候補との間で結んだ政策協定には、明確に「護憲」が盛り込まれていた。又市は民主党に「護憲」への譲歩を引き出したのである。
その後、各地で社民党は、秋田・愛媛などでの無所属統一候補や、他の一人区での候補に「護憲」を誓わせながら支持を決めていった。
「与野党逆転だけでは意味がない。民主党に与党との対決路線を明確にさせながら、これからの国政選挙でいかに護憲の議員を増やしていくかが勝負だ。」
これが又市征治の思いだった。
(敬称略)
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これに対し、又市征治は、秋の臨時国会の冒頭から4野党共闘の引き締めに取りかかった。
自民党と同根である民主党や国民新党は、教基法改定や国民投票法案、防衛省昇格、さらに改憲も、基本的に賛成の立場である。放って置けば、民主・国民新は自民・公明になびきかねないと誰もが見ていた。しかし、野党はなかなか崩れなかった。
教育問題に関するタウンミーティングにおいて「やらせ」「サクラ動員」「不正な謝礼」などの問題が発覚したにもかかわらず、与党は教育基本法案の衆議院での審議を一方的に打ち切り、単独で採決を行った。こうした強引な国会運営に、野党は反発し、結束を強化した。
それが崩れたのは、沖縄県知事選で野党統一候補が敗れた直後だった。民主党は野党共闘を覆し、あっさりと審議に復帰してしまう。
自民党国対委員長の二階敏弘が民主党に対し、「聞きたいことが6点ある」と審議復帰を求めた。二階の言葉は、民主党の弱みを6つ握っているという意味であった。その「弱み」が何かは定かではないが、それ以後、民主党は与党の言いなりだった。共産党も審議拒否を好まず、淡々と審議時間を稼がせた。民主、共産から崩れた野党共闘を尻目に、与党は教育基本法案をはじめ、次々と法案を成立させていった。
民主党は、もともと野党間で廃案にするとまで確認していた防衛「省」昇格法案に、賛成にまわる始末だった。次から次へと態度を変える民主党に、社民の又市や共産の市田、国民新党の亀井(久)らは、怒りを隠さなかった。
又市は痛烈に民主党を批判したが、それでも共闘をあきらめようとはしなかった。批判だけで手を切るのは分かりやすいし簡単だ。しかし、それでは民主をますます自民・公明に近づけることにつながる。そうなれば「自民・公明・民主3党大連立による改憲」という自民党の思惑が現実味を帯びてくる。又市は、それだけは避けたかった。
一方、民主党の小沢も、来るべき参院選の勝利のためには、社民・国民新との連携は欠かせないと考えていた。巨大与党に対抗するには、何としても参院選で与野党逆転を果たさなければならなかった。もし今度も惨敗すれば、「政権交替」という一点だけでつながってきた民主党そのものが崩壊の危機を迎えることになる。小沢の尻にも火が点いていたのである。
又市は、小沢に積極的な選挙協力を投げかけた。社民と民主、候補者の3者で政策協定を結び、政策の刷り合わせを行うことを図った。
12月末、全国で初めての無所属統一候補の擁立は、又市の地元・富山で、又市と小沢が同席する中で発表された。
又市の社民党が、民主党やその無所属候補との間で結んだ政策協定には、明確に「護憲」が盛り込まれていた。又市は民主党に「護憲」への譲歩を引き出したのである。
その後、各地で社民党は、秋田・愛媛などでの無所属統一候補や、他の一人区での候補に「護憲」を誓わせながら支持を決めていった。
「与野党逆転だけでは意味がない。民主党に与党との対決路線を明確にさせながら、これからの国政選挙でいかに護憲の議員を増やしていくかが勝負だ。」
これが又市征治の思いだった。
(敬称略)
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小沢一郎氏と対等に渡り合えるのは、又市さんだけだとも聞きました。
それにしても又市さん、すごい人ですね。
尊敬しています。
さらに暫定税率を廃止すると・・・どうなる?そこでノーマイカー族との公平を図るためCO2を1㌘排出で1円の排出税を徴収して是正すればと思います