謄々任天真

[とうとうてんしんにまかす]
日々感じたことなどを思いつくまま書きます。

懸待一致

2006-12-08 | 剣道
「懸」 …… 攻撃を意味する(かかり)。
「待」 …… 相手の攻撃を用心して待ち,これに応ずる防御の意味をもつ(まち)。

つまり防御で,「懸待一致」とは常に攻撃と防御とが一体となって
行われなければならないという教えである。
常に攻める中にも防御の気持ち,守りながらも隙あらば攻める気持ちを
忘れてはならない。攻める剣が即座に守る剣に転じ,
守る剣が瞬間的に攻める剣に転じられなければならないのである。
「懸待一致」は「懸中待」「待中懸」ともいわれ,
「攻防不二」「攻防一如」も同じ意味である。

いいかえれば,相手に打突されないようにして打突して,
その後は充分に残心を示して相手の反撃を防ぎ,
相手の打突に対しては,ただ防御するのではなく応じ技で攻め返すことであろう。

ことばでその意味が分かっても実践するのは簡単ではなく,
場面に応じて,あらゆる技術を駆使しなければできることではない。
修練を積むことによって初めて可能になる,ひとつの極意というべきものである。