謄々任天真

[とうとうてんしんにまかす]
日々感じたことなどを思いつくまま書きます。

事理一致

2006-11-11 | 剣道
字句の解釈では,『事』とは「事実」である。
剣道では「技」「動作」「形」である。
すなわち (手・足・剣)の働きである。

『理』とは「理論」「筋道」である。
剣道では「気」「理合」である。
すなわち 心(精神)の働きである。

剣道は事理一致の修行であるといわれる。
「理合」と「動作」,「心」と「技」の一致した剣道,
すなわち 無理のない理にかなった,正しい心技一体の剣道の修練が必要である。

剣道でいう技とは大・強・速・軽の活動(動作)である。
この技だけが如何に上達しても気や理合等,体内対外における精神的な活動が
働かなければ心技一体の活動ができず心技に隙(虚)を生じてしまう。

理合や気ばかりいかに精進されても,技が伴わなければ,動作に隙が生じてしまう。
剣道では,心技一致とか,事理一致(技理一致)というように,
いずれも精神的活動(心・気・理)と剣体の活動(技・手足の動作)が,
常に一体として修練されるべきである。

「事」と「理」は,車の両輪・鳥の両翼のようなもので
何れも共に平均して備わって始めて,そのものの円滑な働きができるのと同様に
事理が並行した修練の蓄積が要求される。