エムズプラス デイリーニュース

HOBBY SHOP M's PLUS のブログです。
プラモデルに関するニュースなどを掲載します。

【ファーストタッチ】 RSO/01 タイプ470 汎用トラクター (安田征策)

2012-09-01 07:01:00 | AFV ~ 戦車・装甲車輌

RSO/01 タイプ470 汎用トラクター
【 「RSO トラクター」について 】

 「RSOトラクター」は、東部戦線用として機動力の確保のために作られた牽引、輸送トラクターです
 同車は、軟弱地などにおいての装輪式車両の代わりとして足となる存在であり、その最大速度は時速17km程度に過ぎませんでしたが、その悪路での走行性能は高い評価を受け、東部戦線のみならず、各戦線で使用されていました
 あくまでも輸送用の車両ですので、戦車などと違いその足周りは徹底した簡略化が図られ、生産工程とコストが低く抑えられた結果、敗戦時までに27000両が生産されています

 大戦中期以降のドイツ軍に欠かせないアイテムであるこの「RSOトラクター」のキットをインプレッションします
 さて、輸送車両として若干地味な役割を持つ「RSOトラクター」ですが、その特徴的なフォルムと、装軌式車両としての存在感からか人気の高いアイテムです
 ドラゴン、サイバーホビーからの「75mm対戦車砲搭載型」「角形ボディ型」に続くキット化です
 この丸みを帯びたボディ型(RSO/01)は「これがRSOトラクターの本命だ!」と思ってしまいますが、実際は生産工程を簡略化するために登場した角形ボディ型(RSO/02)の方が多く生産されています。
 「RSOトラクター」は、長らくイタレリのキットしか存在していませんでしたが、ドラゴンの3タイプのキット化により同車の主なバリエーションが全て揃いました
 ドラゴンのキットですので、イタレリ版よりも遥かにパーツ数は多いのですが、同社の最近のキットとしてはパーツは少なめに抑えられています


 【 「RSO トラクター」の製作について 】
 説明書の組み立て順に説明して行きます
 まず、エンジンを組み立てます
 本キットではエンジンをかなり細かく再現しており、組み立ての厄介さを除くとなかなか良い雰囲気ですが、この出来上がったエンジンは完成後に「全く」見えなくなります
 通常のソフトスキン車両の場合は、ボンネットを開けてエンジンを見せるということができますが、「RSOトラクター」はキャビンの下にエンジンを搭載する形式となっていますので、エンジンを再現していても活用できる可能性は極めて低くなっています
 現在のトラックでは、キャビンを前方に倒してエンジンを点検することができますが、手元の資料では「RSOトラクター」のエンジン点検方法は分からず、キットにもそれを示唆するようなギミックもありません

 また、シャーシ内部に通るドライブシャフトも8分割式であり、見えない部分を細分化して表現し、それを作成するのは今一つ釈然としないのも事実です
 この細いシャフトが8分割されていますので、接着強度が不足し、その取り付けは少々厄介な上、これも全く完成後に見えくなります…

 もちろん、組み立てを省略すれば良いのですが、完成後の姿が初めから分かっている訳ではないので、当初は説明書に従わざるを得ません
 説明書内でオプション表示をしてくれていると良かったのでは?と思います



 「RSOトラクター」の簡素化された足周りを忠実に再現しています
 キットを製作すると、「実車はこれで大丈夫か?」と思うほど簡単な構造が実感できます、これが模型の良いところですね

 ただ、このキットは実車に忠実なあまり、模型としての強度が不足しています
 転輪部分の強度不足は履帯の装着によりカバーできますが、そのシャーシ部分が弱いので、かなり不安感を覚えますので、シャーシのパーツのダボを大きくするか、一体成型により強度を確保するか工夫が欲しかったですね
 ジオラマなどでベースに固定する場合には、金属線をパーツの接続部に通して補強した方が良いでしょう

 履帯は、1枚ずつが分割されたお馴染みのマジックトラックの接着連結式履帯となっています
 履帯の形状自体には問題は無いのですが、この車両は起動輪、誘導輪共に歯が有りますから、その装着は少々難しくなります
 履帯を帯状に接着した後、接着剤が半乾きの状態の時に巻き付けるようにして、前、もしくは後ろの歯の部分で接続させます
 この際、履帯の装着は、説明書通りに、キャビンや荷台を付ける前に行った方が製作しやすいと思います



 キャビン部は、複雑な形状を一体成型で再現しており、なかなか良い雰囲気となっています
 フロントグリルは通常時のスリット状態か、寒冷地用のカバーを付けた状態を選択することができ、様々なジオラマシーンに対応できます
 キャビン内部の現在のキットのスタンダード的な仕上がりで、パーツ数を抑えながらウィンドー越しに見える範囲でディテールが表現されています
 キットには、ウィンドーをマスキングするためのマスクシートも付属しており、塗装時に重宝しそうです
 ただ、最大の問題点がシャーシの前部に存在するカバー(ナンバープレートが貼ってある部分)です
 キットのカバーパーツは、エッチングパーツとなっており、各面のパネルを貼り合わせることで形にしますが、説明書通りに組み立ててもカバーはシャーシ前部に装着できません
 少し加工すればという範囲ではなく、各パネルの寸法が根本的に違うようです
 作例では、エッチングの側面パネルの開口部を大きく切り抜いて強引に装着しています

 荷台部分は板状のモールドが彫刻されているものの、木目は表現されていません
 1/35のスケールですから木目表現はオーバースケールとなり、これをオミットするという判断は分からなくもないのですが、やはり模型としてはモールドされている方が「らしさ」がでるかと思います
 (この点は、荷台のステー表現とあわせて、タミヤ製「ドイツ 3トン 4×2 カーゴトラック」のパーツとぜひ見比べてみて下さい)

 さて、このキットの第2の難関が、荷台側面の雪上走行用のシューのラックです
 このラックは、エッチングパーツが用意されていますが、パーツの組み立て方が今一つ分かりません
 一応説明書には図示されてはいるのですが、上部のラックの取り付け向きと下部ラックのアーム部分の処理が判断できませんでした
 資料写真ではこのようなラックの細部が写されたものはなく、そこで上部のラックは常識的な判断によりコの字の開口部分を外側に、下部のラックは仕方なくアーム部分を切り飛ばして作製しています
 しかもこの下部のラックは荷台部分にイモ付けなので強度がありませんので、シューを装備して強度を上げるか、エッチングパーツの基部の裏側にプラ板を付けて補強した方が良いでしょう。

 幌の支柱は、説明書では荷台部分の上に付けるように指示されていますが、これは荷台床面パネル上に取り付けるようにします



【 「RSO トラクター」の塗装について 】
 ソフトスキン車両の塗装で悩むのが室内の塗装と、ウィンドーの取り付けです
 私は、「戦車」の塗装の際には、基本的に全て組み上がった状態として塗装する方式としています
 その理由は、作業効率が良いことと、接着強度の確保、それとウェザリングなどの塗装効果の均一化のためです
 「ソフトスキン」の場合、その塗装の手順は車両、キットによってケースバイケースで、開口部が広い車両は戦車同様に組み上げてから塗装することもあります

 「RSOトラクター」は室内は丸見えで、完全密閉型のキャビンですので、室内の塗装は組み立ての途中で実施しています
 もちろん、室内の様子なウィンドー越しですので、車外部分ほどに神経質には行わず、簡単に済ましています
 ウィンドーのクリアーパーツは、塗装以前に装着すると汚れたり、プラ用接着剤の接着ミスによって曇ったりしますので、塗装後に装着する場合が多いです
 ただし、今回のキットは、クリアーパーツにウィンドーの内枠がモールドされていますので、クリアーパーツを事前に接着する方法としました
 前述のようにキットにはウィンドー用のマスクシートも付属していますので、大きな助けになります
 そのマスクシートをウィンドに貼り、前照灯前部(キットパーツは前照灯全部がクリアーパーツです)をマスキングした後、下地としてタミヤの「スーパーサフェイサー」を吹きます 半日程度乾かしたら、表面上に付いたキズや埃などを400番程度のペーパーを使用して取り除きます
 今回の「RSOトラクター」の場合、ストレート組みですので、この作業はそれ程重要ではありませんが、エッチングパーツなどを使用したディテールアップした作品では、その仕上がりを左右する程の大事な工程となります



 下地が完成したら、タミヤのアクリルカラーの「デザートイエロー (XF-59)」「ダークイエロー (XF-60)」「フラットホワイト(XF-2)」を「1:1:2」程度に混色した色をダークイエロー色として全体に吹付け塗装します
 この混色では、少し明る過ぎると感じますが、後のウォッシングなどの工程により、全体のトーンが落ちますので、この程度明るい色で塗っています

 その後、「ダークグリーン」と「レッドブラウン」で迷彩パターンを描いて行きます
 使用した塗料は、「ダークグリーン」が「オリーブグリーン (XF-58)」に先程の「ダークイエロー (XF-60)」を少量混ぜたもの、レッドブラウンは同じく「レッドブラウン (XF-64)」をベースとして「ダークイエロー (XF-60)」を混ぜたものを使いました

 私の場合、迷彩塗装のパターンは実際に配色しながら決めて行くので、一度に迷彩パターンが完成することは殆どなく、各色で補正しながら迷彩を完成させています
 この方法は、時間が掛かるのが問題で、戦車モデルの場合は迷彩パターンの完成までにほぼ1日を必要とします
 ドイツ軍の「光と影の迷彩」だと、3日程度を要することもあります。あまり自慢できませんね

 迷彩パターンが完成したら、「フラットブラック (XF-1)」「フラットブラウン (XF-10)」を溶剤で極薄く溶いてシャドー吹きを実施しました
 このシャドー吹きは立体感が少し強調される程度とし、くどくなり過ぎないように注意します
 次いで「フラットホワイト(XF-2)」を同じように薄く溶き、エアブラシで部分的にハイライトを入れました
 これも輪郭が強調される程度としていますので、完成写真ではほとんど判別が付かないと思います。

 この後、チッピング(塗装の剥がれ表現)を細筆で描いて行きます
 「働く」車両としてはもっとハードな剥がれとすべきなのですが、ジオラマ上ではないので、控えめとしました、荷台部分は木製ですしね

 チッピング作業の後は、塗料をエナメル系に変更して、ウォッシングを実施します
 この作業の前に、ウィンドーのマスクシートを一旦剥がしました
 これは、エナメル系塗料は浸透力が強く、マスクシートの内部に塗料が入ってしますのを防ぐためです
 マスクシートを剥がした際にマスキングのミスが発生していた場合は、爪楊枝でクリアーパーツ上の塗料をカリカリ落とすようにして修正しておきます

 ウォッシング終了後、ディテールが浮き出る程度に軽くドライブラシを行い、ツヤ消しクリアーを吹いて全体のツヤを整えました

 乾燥後、足周りのウェザリングとして、まずはMIGプロダクションのピグメントを水で溶き、足周り全体に塗ります
 水溶きですので、部分的に弾く箇所が発生しますが、もう一度塗るとカバーできます
 ドライヤーで強制乾燥後(くれぐれも、プラが溶けてしまわないように注意します)、固めの筆を使用して固着した余分のピグメントを落としますと、この作業により、土汚れの粉っぽさが演出できます
 ただし、ピグメントは完全に定着していませんから、できるだけ手で触らないようにします
 もっとも、定着が弱い反面、指の跡などが付いた場合も乾いた筆でなぞるだけで修正が可能です

 その後、履帯の接地部分などに濃いめの鉛筆を使って金属の光沢を表現しています

 また、前部ウィンドーにはマスキングテープを円形に切り取って貼り、薄く溶いた「バフ (XF-57)」を吹き付けて、ワイパーの拭き取りラインを演出しています



【 「RSO トラクター」総評 】
 本キットは、良くも悪くもドラゴンのキットの特徴が出たものとなっています
 ディテールの表現は良好、一部難があるもののパーツの合いも良く、「RSOトラクター」の特徴を再現した良質なキットです
 ただ、このサイズの車両としてはパーツ数が多く、組み立てには少々手間が掛かるのも事実です
 そして、最大のネックは、付属のエッチングパーツです
 ドラゴン社製のキットに付属しているエッチングパーツは、寸法上合わないことが頻繁で、このキットも同じ欠点を持っています
 メッシュなどエッチングパーツでしか再現できないものは仕方がないのですが、このキットのエッチングパーツの部分はその必然性が低く、プラパーツでも何ら問題はなかったと思われますので、その辺りがもう少し煮詰めることができれば、更にキットは良くなったのにと、少々残念に思いました


【 製作概要 】
・ スケール : 1/35スケール
・ 製作時間(期間) : 約5日
・ 使用キット : 「ドイツ RSO/01 タイプ470 汎用トラクター (サイバーホビー 1/35AFV シリーズ('39~'45 シリーズ) No.6691)」

モデル製作 : 安田征策
サイト管理 : HOBBY SHOP M's PLUS



趣味・ホビー ブログランキングへ

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へにほんブログ村

ブログランキング

ランキングはこちらをクリック!

ゴドス G ナイト (コレル)

2012-09-01 06:01:00 | ZOID ~ ゾイド

ゴドス G ナイト
 コトブキヤ製ゾイドキット「ゴドス」を騎士風に改造してみました
 「ゴドス」本体をベースとしながら、各部に西洋風の甲冑をジャンクパーツでソレっぽく付加していくように改造しています



 頭部は「甲冑」のイメージを大事に、コトブキヤのウェポンユニットの「ブーメラン・サイズ」を利用して改造
 胸部正面のアーマーは、「ハイゴッグ(HGUC)」の肩アーマーを切り出して装着
 肩アーマーは、「ガンダムMk-2(MG)」のふくらはぎパーツをそのまま使用しています



 足の部分は「キュベレイ(HGUC)」の足パーツをそのまま使い、ヒザのアーマーパーツを流用しています
 シールド部分は「ウォーカーギャリア」のパーツをそのまま流用し、ネオジム磁石により接続しています



 武器となる長い「ランス」は、「ナイト・オブ・ゴールド(ウェーブ)」のバスターランチャーをベースに、コトブキヤの「リボルバーランチャー」のパーツを組合わせて作成、腕部との接続にネオジム磁石を使用しています
 長目に作ってみたのですが、重量バランスを取ることができずポロポロと落ちてしまうのが難点です




【 製作概要 】
・ スケール : 1/72スケール
・ 製作時間(期間) : 約2ヶ月
・ 使用キット
  ・ RZ-014 ゴドス (コトブキヤ ゾイド No.ZD052)
  ・ MSM-03C ハイゴッグ (バンダイ HGUC No.037)
  ・ RX-178 ガンダム Mk-2 (バンダイ 1/100 MG)
  ・ AMX-004 キュべレイ (バンダイ HGUC No.004)
  ・ ナイト・オブ・ゴールド (ウェーブ 1/144モーターヘッドシリーズ (ファイブスター物語))
  ・ ウォーカーギャリアタイプ (バンダイ 戦闘メカ ザブングル No.012 )
  ・ ブーメラン・サイズ(鎌) (コトブキヤ ウェポンユニット No.MW-011)
  ・ ロケットランチャー & リボルバーランチャー (コトブキヤ ウェポンユニット No.MW-022)
 など

モデル製作 : コレル
サイト管理 : HOBBY SHOP M's PLUS



趣味・ホビー ブログランキングへ

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へにほんブログ村

ブログランキング

ランキングはこちらをクリック!





14試局地戦闘機改 試製雷電 第301海軍航空隊 ヨC-104 追浜基地 1943年12月~1944年1月 (新横浜航空隊)

2012-09-01 04:01:00 | AIR ~ 飛行機

14試局地戦闘機改 試製雷電 第301海軍航空隊 ヨC-104 追浜基地 1943年12月~1944年1月
ハセガワ製1/32スケール「雷電」3機目の製作です
制式化された「雷電 21型」の前真となる「14試局地戦闘機改」を作成しました



海軍機を作り始めると、濃緑色ばかりになってしまうのですが、このようなオレンジ色の塗装の雷電もいいですよね
機首周り、コクピット内、デカールは全てキットのものを使用しています




【 製作概要 】・ スケール : 1/32スケール
・ 製作時間(期間) :
・ 使用キット 三菱 J2M2 14試局地戦闘機改 試製雷電 (ハセガワ 1/32航空機シリーズ 定番外 No.08227)

モデル製作 : 新横浜航空隊
サイト管理 : HOBBY SHOP M's PLUS




趣味・ホビー ブログランキングへ

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へにほんブログ村

ブログランキング

ランキングはこちらをクリック!


有人潜水調査船 しんかい 6500 (安田征策)

2012-09-01 03:01:01 | SHIP ~ 艦船・船舶

有人潜水調査船 しんかい 6500
 【 キット概要 】

 深海潜水機能を重視した特異なスタイルを持つ潜水調査船は、水の中で作業を行うという大前提から密閉性の高い構造となっており、船でありながらどことなく宇宙船的なフォルムを連想させてくれるため、完成した時には非常に模型映えのする魅力的なアイテムと思います

 ハセガワの「しんかい 6500」は1/72スケールで潜水調査船独特のフォルムを再現、その大きさはコレクションに最適です
 同時期に発売されたバンダイ版のキットは、1/48スケールというほぼ倍サイズの大きさとなっており、内部に電飾ギミックや船内内部構造の再現など、大きなモデルゆえのキット単独でアピール点を盛り込んでいる事と比べて、1/72スケールの潜水調査船(現在は該当キットはありませんが…)を並べたり、ジオラマへと展開可能なサイズであるといった点で、このスケールならではの作り方・楽しみ方を思い浮かべることができます
 また、ハセガワ製の「しんかい 6500」は、サイズが小さな分パーツ数を抑えて設計されているため、比較的簡単に組めそうですから、週末モデリングや初心者向けキットとしてのポジションに位置させることができるでしょう

 さて、箱を開けますと、「しんかい 6500」のパーツの成型色は実物と同じように船体部分がホワイト、船首の上部構造物と船尾の垂直安定板はオレンジとなっています
 船体上面の色が異なっている箇所(おそらく乗員のステップが可能な部分の表示)には大判のデカールが付属。
 そして、垂直安定板にはデカールの貼り付け位置のモールドが有りますので、ハセガワとしても初心者向けキットとしての位置付けとしていると想像できます
 パーツ各部の取り付け部分には大きめのダボが付いていますので、確実に形となるように工夫されています

 最近のキットはパーツ数が多すぎるきらいがあり、初心者が手軽に製作し完成の楽しみを味わうことができるキットが少なく、ベテランモデラーでも多くのパーツと「常に」格闘していると疲れてきますので、簡単に模型の魅力を味わうことができる、このような内容のキットが新製品で発売された事は喜ばしい事と歓迎します



 【 「しんかい 6500」の組立て 】
 いつもはAFVばかり製作している私です、今回はいつもと違う気持ちで気楽に製作を楽しんでみたいと思います
 組立説明書に従って順調に組み立てを進めていったのですが、船体上下の接合で少しひっかかってしまいました
 船体部の主要部分が上下分割式となっているのですが、操縦席上部の箇所に隙間が発生します、船体部内側のダボを切り取って対処することも考えましたが、他の場所に影響しそうです
 そこで、この隙間の部分に0.3mm厚のプラ板を挟み込んで隙間部分を埋めています
 「あれ?」と思ったのが船尾の垂直安定板です
 この部分は本体と左側下部との分割式となっています。この接合部分には少なからず隙間が出てしまいます
 パーツがついていたオレンジのランナーを溶かして埋めるという方法も考えましたが、今回は塗装しますのでラッカーパテで整形しています
 せっかく成型色をオレンジとしたのに非常にもったいないなぁ…と思いました(一体成型もしくは左右分割のパーツとした方がよかったのではないでしょうか)
 全体が組み上がった後に塗装を行っていますが、前方の覗き窓は内側がシルバー仕上げとなりますので、このパーツは塗ってから装着しています(このパーツの精度は良好で、接着剤なしでも固定できます)



 【 「しんかい 6500」の塗装 】
 日頃からAFVモデルばかりを製作しているため、原色系の塗装はほとんどすることがなく、まして光沢仕上げで塗装することはまずありません
 今回塗装に入る前に実船の写真を見てみると、調査船という任務の特性上でしょうか?少なからず汚れていましたので、綺麗に仕上げるのではなく、光沢のある船体が少し汚れているという、AFVモデラーの経験を活かした表現を目指してみました

 サフェイサーで下地を整えてから光沢のホワイト(X-2)をエアブラシで塗装、ベースとなる塗装にはタミヤのアクリルカラーを使用してエアブラシで塗装しています
 ラッカー系塗料よりも隠ぺい力が高いアクリル塗料ですが、なかなか下地を隠ぺいすることができず、5、6回吹付けを繰り返しました
 塗料を確かめてみると、ホワイト(X-2)は、フラットホワイト(XF-2)よりも顔料成分が少なく、その代わりクリアー成分が多いのに気付きましたので、一度フラットホワイト(XF-2)で塗装してから、その上にホワイト(X-2)、もしくはクリアー(X-22)を吹いて、グロス仕上げとした方が早くて塗膜も薄くすることが出来たかな、と思います

 船体上部の塗り分けは、上記のように薄いピンクのデカールが用意されていますが、自分がイメージする色調と異なりますので、マスキングして塗り分けています
 マスキングによる塗装は必ずといっていいほどはみ出しなどのミスが発生するものです、私でもリタッチして修正することは常にありますので、マスキング塗装を行う場合には1度や2度のはみ出し程度でくじけないで下さい

 基本塗装が完了したら、極めて薄く溶いたブラックでシャドー吹き、ホワイトの部分のシャドーは極力控えめとして、うっすらと陰影が強調される程度としています
 次に船体上部の塗り分け部に、薄めたホワイトでハイライト吹き、これは褪色表現を兼ねたものですが、あくまでも控えめとして「よく見れば分かる」程度としています

 このシャドー吹きが終了した後、デカールを貼ります
 シルバリング対策としてデカールの余白部分をトリミングしたのですが、実際に貼ろうとするとデカールの薄さに当惑しました
 「しんかい 6500」のマーキングは比較的単純であり、何とか貼り付けることができましたが、このデカールの薄さは強度不足のためにトリミングをしないで貼る方がよいかもしれません
 デカールが薄くても隠ぺい力があれば良いのですが、これも今一つ…
 デカールが乾燥した後、クリアーで表面をコート、全体のツヤを統一します



 次いで、今回の塗装のポイントであるエナメル系塗料によるウォッシングを行います
 雑誌掲載作例などの場合、墨入れと汚し(ウォッシング)は別の塗料で行うのですが、今回は気楽に素早く作ることを目的としているので、このウォシングで両者を兼ねることとしました
 ウォッシングに使用したのは、タミヤのエナメル塗料のフラットブラック(XF-1)とフラットブラウン(XF-10)、少し濃いめに溶剤を混ぜて塗り、綿棒などを使用して丹念に拭き取って行きます
 エナメル塗料は光沢面では定着が弱いですが、完全に拭き取ることはできず若干の塗料が残ってくれますので、これを逆に利用してわずかに残るエナメル塗料で汚れを表現しました
 実船の汚れ方を表現するために、綿棒で拭き取る際、綿棒を動かす方向を垂直方向とし、塗料が垂直に流れるように残すのがポイントです
 このウォッシングによって、船体自体は光沢なのに対して、汚れ自体はツヤ消しとすることができました
 「エナメル塗料のベタ付きが嫌い」という人もいるかもしれませんが、拭き取っていますから、そのようなことはなく、触っても手の跡が付くということもありません
 当初に目指した塗装表現に沿ったものとなったので、自分では満足しています



【 作り終わっての感想 】
 ハセガワ製「しんかい 6500」のキットは、プロポーション、雰囲気共に「しんかい6500」の魅力をスケールモデルとして表現しており、高く評価できると思います
 船体前方に装備されている「バスケット」は肉厚な表現で、上部に装備されている「アーム」も一体成型のパーツで固定されていますが、「年齢層を問わずに楽しめるキット」という視点から見ると、この表現でも正しいと思いますし、気になるユーザーはディテールアップポイントとして腕のみせどころとなるでしょう

 ただ、実際に製作してみて気になった点は、「ハセガワらしい」「ハセガワ」流のフォーマットがまだ強く残っているのではないか?という点です
 「潜水調査船 しんかい 6500」というタイトルは、子供やビギナーも手に取ることが想像でき、ハセガワさん自身もこれを想定して、パーツ数をできるだけ少なく、色分けされたパーツで、デリケートな部分は一体成型のパーツとして割り切るなどの工夫をされているのですが、パーツ上のボルトやパネルラインなどの凹凸モールドは、飛行機キットと同様の表現をされており、塗装によって消えてしまうほどの「弱い」ものとなっています
 作例では、ウォッシングによって凹凸感を強調していますが、実際にはほとんど消えてしまうような状態です
 エアブラシ塗装でこの状態ですから、筆塗りやスプレー缶塗装では、せっかくパーツ上に施した凹凸表現が消えてしまい、非常にもったいないです
 もし「塗装無しでも完成できますよ」というコンセプトを貫くとすれば、垂直安定板のパーツ処理がネックとなってしまいますので、思い切って一体成型のパーツの方がよかったのではないかな?と思います
 また、前方の覗き窓はクリアパーツとなっていますが、表面周囲にはボルトのモールドがあるものの、その内側にあるべき塗り分けラインが彫刻されていません
 非常に細かな部分ですので私はルーペを使って塗り分けをしたのですが、ここにはラインとなる彫刻が欲しかったです
 また、後方の航海灯(?)などを塗装するのは、繊細な筆さばきが必要で少し難しいと感じるかもしれません
 スケール感に沿った繊細なモールドというのはハセガワさんのキットに見られる特徴でもあり、美点でもあるのですが、対象年齢層が幅広いアイテムについては、どこにポイントを置くかを、もう少し冒険をされてもよかったのではないかな?と思いました
 とはいえ、どんなキットにも難しく感じる点や「?」と思う点はたくさんあります
 成型技術などの過程を知らないとわからない、見当外れの意見となってしまうこともありますので、私の考えを鵜呑みにするのではなく、実際に手に取って確かめてみて下さい

 製作時に迷う点が少なく、組立てるだけでしたらそれほど時間もかかりません、なによりも内容と比べて価格が安いです
 総合評価としては、これからプラモデルを始める方や小学校高学年の方にも充分おすすめできる内容となっています
 四方を海で囲まれた日本だからこそ必要とされ、持てる技術を結集して建造された「しんかい 6500」のプラモデルの製作、ぜひ一度チャレンジしてみて下さい



【 製作概要 】
 ・ スケール : 1/72スケール
 ・ 製作時間(期間) : 約10日間
 ・ 使用キット : 有人潜水調査船 しんかい 6500 (ハセガワ サイエンスワールドシリーズ No.SW001)

モデル製作 : 安田征策
サイト管理 : HOBBY SHOP M's PLUS


趣味・ホビー ブログランキングへ

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へにほんブログ村

M4シャーマンいろいろと 9月の記 ~ 作成途中 (智松二等兵)

2012-09-01 02:01:01 | AFV ~ 戦車・装甲車輌

M4シャーマンいろいろと 9月の記 ~ 作成途中
 どマイナーでどこのガレキ屋さんも出さないシャーマンシリーズの製作に着手しています
 今回持参したのは「M3A1」「M4A4 601bロケット発射器装備型」「M1スーパーシャーマン」の3種
 WTMや紙でコロコロさんのキットをベースに、プラストラクト・エバーグリーンなどのプラ短冊を使ってデティールの再現や修正を行っています
 ほとんど完成していますが、あと少し手を加える予定です

 【M3A1】


 砲塔に装備された「7.62mm 重機関銃」を自作し、マフラーも自作し追加しています
 オリーブドライブ(2)をベースに塗った後、フラットホワイトで冬季塗装としてみました


 【 M4A4 601bロケット発射器装備型 】

 「M4A4」の車体の「フック」「ライトガード」は伸ばしランナーから新造、車体両側面のアップリケアーマーをプラ短冊から自作して再現しています
 砲塔部は、気持ち平たい印象を受けますので、0.5mmプラ板を使ってかさ上げしました
 「601bロケット」は自作、弾体は棒材の組合わせから自作し、ランチャー部はL字型を使って組合わせています
 オリーブドラブ(2)を下地に塗り、カーキグリーンを使いドライブラシで味付け、足回りの塗装はタミヤアクリルで行っています

 【 M1 スーパーシャーマン 】



 「M1スーパーシャーマン」の車体の「フック」「ライトガード」「ホーンガード」をプラペーパーなどを使い新造
 車体後面に装備された「デフレクター」をプラ短冊を使い再現
 予備キャタピラを追加
 足回りの部分は「ファイアフライ」をキットから転用し、2トラック分を詰めて前後長を調整しました
 砲塔上部の「M2 重機関銃」を自作し、後部マシンガンラックを追加しています
 オリーブドラブ(2)を下地にシナイグレー(2)を混ぜて調色したもので塗装しています

 AFVで1/144スケールという極小スケールのせいもあるのですが、パーツの強度を確保するのが難しく、持参するときなどにポロポロと破綻してしまうのが難点です
 接着面積が小さなため直付けでは限界があるようですが、真鍮線を入れたくとも薄すぎて補強材を入れることができないんですよね


【 製作概要 】
・ スケール : 1/144スケール
・ 製作時間(期間) : 鋭意製作中
・ 使用キット
  ・ WTM ワールドタンクミュージアム (タカラトミー時代)
  ・ 紙でコロコロレジンキット試作品

モデル製作 : 智松二等兵
サイト管理 : HOBBY SHOP M's PLUS



趣味・ホビー ブログランキングへ

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へにほんブログ村



MV-5 & H2A ロケット (紙でコロコロ)

2012-09-01 01:01:01 | スペースクラフト
MV-5 & H2A ロケット

 ワンフェスなどのイベントなどでご提供しています、ペーパークラフトキットの新作「MV-5(ミューファイブ)ロケット」の試作見本です
 以前作った「H2-Aロケット」と共に並べて下さい


【H-2Aロケット】



【 製作概要 】
・ スケール : 1/144スケール
・ 製作時間(期間) : 1日半 (組立て)
・ 使用キット
  ・ MV-5 (紙でコロコロ ペーパークラフト)
  ・ H2-A (紙でコロコロ ペーパークラフト)

モデル製作 : 紙でコロコロ
サイト管理 : HOBBY SHOP M's PLUS



趣味・ホビー ブログランキングへ

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へにほんブログ村