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東日本大震災(平成の大地震) -なぜか社長自ら大臣の耳に入れようとした

2012年07月01日 | 原発検証・備忘録
国会事故調は『全面撤退』について、そのような事実は見当たらないという見解のようだ。日経新聞には『清水氏が言う「退避」であれば、社長から経済産業相らに直接伝える必要があるほど重要なことだったのかだ』と疑問を呈している。

日経新聞、6月18日朝刊『核心』欄より
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発事故調が示す課題 国会に政策評価機関を 編集委員 滝順一 2012/6/18付
東京電力福島第1原子力発電所事故の真相解明にあたっている国会の事故調査委員会(黒川清委員長)は菅直人前首相らの参考人聴取を終え、報告書の取りまとめに入った。今月末にも公表の予定と聞く。
前首相や、東電前社長の清水正孝氏らの答弁で釈然としないことがいくつもある。その一つが昨年3月14~15日に起きた「全員撤退」の問題だ。
東電には全面撤退の意思はなく清水前社長は「(事故対応に必要な)一部を残すという大前提」で伝え、「撤退」ではなく「退避」と言ったという。
疑問に感じるのは、清水氏が言う「退避」であれば、社長から経済産業相らに直接伝える必要があるほど重要なことだったのかだ。
この時期、東電の連絡相手について「基本形は原子力安全・保安院」(清水前社長)だったが、「退避」に関しては、なぜか社長自ら大臣の耳に入れようとした。そこを事故調はより深く追及してほしかった。
東電が事故炉の放棄を早々に決めていたとは思えない。しかし首相官邸の複数名が「全面撤退」と受け取っていた事実もある。結果として誤解を招いたのは伝え方に問題があったわけだが、ほかにまだ隠された事情があるのではないか。
また、このときの官邸側は「その件はもういい」とばかり、東電の緊急時対策本部長である社長が繰り返しかけた電話にこたえなかった。無責任な対応と言わざるを得ない。
政府と東電が情報を共有せず相互に不信を強めたことが、事故対応の混乱を招いた。本来であれば、政府や電力会社、自治体の関係者は原発に近いオフサイトセンターに参集し現地対策本部を設営、そこで情報を共有する手はずだった。今回は肝心のセンターが機能しそうにないと早くからわかっていた。一刻も早く代わりの場所をつくることが必要だったが、だれも動かなかった。
結局、15日早朝に前首相が東電本店に行き、合同の対策本部を立ち上げて、情報共有の問題は解消した。これを前首相の「英断」と評価する見方もある。しかし災害発生から3日半たってからだ。その間、指揮系統の乱れを許した事実にこそ目を向けるべきだろう。
政府の原子力災害対策本部の事務局を務める保安院の責任は重い。寺坂信昭・前院長あたりがオフサイトセンターの機能代替について進言すべき立場にあったのではないか。
官邸での会合の詳細は記録がなく東電のテレビ会議録画にも欠落があるという。物的証拠なしでは真相究明に限りがある。参考人も真実を述べると宣誓しているわけでもない。
黒川委員長は「聴取は海外中継されている」と述べ、外からの視線を意識させ襟を正した証言を促したが、参考人たちの厚顔ぶりに対し効果は薄かった。
半年間の参考人聴取で、原発の安全対策と事故対応で枢要な立場にあった人々が自らの責任の自覚を欠き「自分なりに頑張ったのだが……」などと、どこかひとごとのように話す姿が印象に残った。行政や企業のトップのあり方が問われた。
報告書を受け取れば、今度は国会が世界の視線を浴びる番だ。
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時事ドットコムより
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放射能予測「限界認めてくれた」=国会事故調見解に-班目委員長 
国の原子力安全委員会の班目春樹委員長は11日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故の国会事故調査委員会が、公表遅れを批判された緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の活用は困難だったと指摘したことについて、「限界があることを認めていただいた」と述べ、妥当との考えを示した。
班目委員長は、SPEEDIは気象情報と放射性物質の放出源情報を合わせて使うものとした上で、「公表すべきとは思うが、公表したからといって(適切に)逃げる判断ができたかは疑問」と述べた。
一方、国会事故調が「首相官邸の過剰介入が現場を混乱させた」との見解を示した点については「立場上、コメントは控えたい」と話した。(2012/06/11-20:31)
http://jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012061100879
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6月12日付南日本新聞(373news.com)社説より
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[国会事故調見解] 歴史の評価にたえるか( 6/12 付 )
国会の東京電力福島第1原発事故調査委員会は、参考人聴取を踏まえた論点整理で「官邸による過剰介入で現場の混乱を招いた」との見解を示した。
政府の避難指示は「場当たり的だった」と批判した。また、政府が原発の緊急事態を伝える東電からの通報の意味合いを十分に認識できなかったために「初動対応が遅れた」とも指摘している。
菅直人前首相も認めている通り、国策で進めた原発の事故は国に最大の責任がある。原子力緊急事態宣言を出すのに手間取るなど、官邸の対応に問題があったことも間違いない。
政府は指摘を謙虚に受け止め、再発防止策や危機管理態勢づくりの教訓として役立てなければならない。
政府と東電で水掛け論になっていた「全面撤退」問題について事故調は、「(官邸の介入で)阻止したとは言えないというのが委員会の認識。最後まで持ち場を離れなかった作業員の使命感が、事故対応の重要なポイントだった」と結論づけた。
政府と東電との「コミュニケーションのミス」が原因で、「全面撤退」と勘違いした菅氏が東電本店に乗り込み、撤退を阻止した、と言わんばかりである。
だが、菅氏をはじめ、当時の経済産業相だった海江田万里氏や官房長官だった枝野幸男経産相は「全員待避と認識した」と口をそろえている。コミュニケーションの問題とあっさり片付けてしまうのは違和感が残る。
民間の立場で事故を検証した福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)は、菅氏が乗り込んだことで結果的に東電本店に統合本部ができ、作業が円滑化したとして一定の評価をしている。調査する機関が違うとはいえ、正反対の判断では国民は戸惑ってしまう。
大事なのは史上最悪レベルの原発事故がどのようにして発生し拡大したのか、当事者の電力会社や政府はどのように対処したのかをきちんと検証することだ。国会事故調には歴史の評価にたえる検証を求めたい。
現時点で東電が全面撤退を検討していたという証拠はない。だが、清水正孝前社長は参考人聴取で「もう少しきちんとコミュニケーションギャップを詰めておく余地はあったのかなと思う」と述べている。官邸との信頼関係が崩れていたことは間違いない。
報告書がどうであれ、東電の責任が軽くなるわけではない。「記憶がよみがえらない」の連発で、のらりくらりとかわすのではなく、明確な説明を求める。
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国会事故調が発表した論点整理のなかで、官邸の過剰介入が現場を混乱させてとの指摘に対し、菅元首相が自身のブログで反論している。
菅直人元首相のブログより
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国会事故調の論点整理 2012-6-10
6月9日に発表された国会事故調の論点整理において、官邸の「過剰介入」という指摘がなされ、注目が集まっている。たしかに、本来、原災法が想定していた仕組みでは、原子力発電所の敷地外(オフサイト)に関しては「オフサイトセンター」を中心に対応し、敷地内(オンサイト)での原子炉に対する事故対応は事業者である東電が中心に対応する仕組みになっていた。その意味では、事故発生から3月15日に政府・東電統合対策本部が東電本店内に設けられるまで、官邸が中心になって事故収拾に直接関与したのは異例と言えるだろう。
しかし、異例ではあるが、今回のような、東電も保安院も想定していなかったシビアアクシデント(過酷事故)が起きた状況においては、官邸として、そうせざるを得なかったのが現実であった。その事が、国会事故調に理解されていないとしたら残念である。
事故発生直後から、東電からは官邸や本部長である総理に、電源車の搬送への協力要請や、住民避難を必要とするベントの了解を求めてきた。さらに、今回のシビアアクシデントでは原子炉や使用済み燃料プールへの注水においても東電単独では実行できず、自衛隊、消防、警察など各方面に官邸から出動を要請するなど、オンサイトに関することも含めて事故対応に当たらざるを得なかった。本来、事故対応の中心となるべき原子力安全・保安院が、事故発生当初、組織として機能しない中で、もし官邸が動かなかったならば、結果はどうなったか。私は、他の政府機関が十分に動かない以上、官邸として、また原災本部長として、直接対応せざるを得なかったと、今でも考えている。
「撤退問題」では、発電所長をはじめ現場の皆さんは最後まで頑張る覚悟であったことは、その通りだと私も思っている。しかし、清水社長が経産大臣と官房長官に電話をし、両大臣が「会社としての撤退の意思表示」と受け止めたという事実は大きい。これを官邸の誤解と一蹴するのは、やはり一方的な解釈と言わざるを得ない。
こうした解釈の背景には、国会事故調が入手したいかなる情報があるのだろうか。例えば、国会事故調の担当委員は東電本店と福島第一サイトのテレビ会議の記録を見て調査したと述べている。そうであるなら、原発事故発生から今日までの記録を、私が東電本店で社長や会長など約200人の東電幹部を前に話した場面も含めて、国会事故調の責任において全て公開していただきたい。そのことによって、真実と真相が、より公正かつ正確の明らかになるのではないだろうか。
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産経web---『東電の調査報告書案「官邸の介入、無用な混乱助長させた」 2012.6.12 』
『東京電力福島第1原発事故での首相官邸の現場への介入をめぐり、東電が「対応に要員が割かれ、無用の混乱を助長させた」と批判する内容を、近くまとめる社内事故調査の最終報告書案に盛り込むことが11日、分かった。東電が事故後に原発からの「全面撤退」を官邸側に伝えたとされる問題については全面的に否定した。
報告書案は、官邸から第1原発の吉田昌郎所長(当時)への直接の問い合わせが相次いだため、本来は事故対応に当たる吉田所長らが官邸への対応を強いられたと指摘。事故2日後の昨年3月13日には官邸からの要請で、官邸と第1原発の間で専用電話回線が引かれた。現場への直接の問い合わせについて「所長を板挟みにするばかりで事故収束の結果を改善するものではなかった」と批判している。
事故発生翌日の12日には、菅直人前首相が知人から1979年の米スリーマイル事故と同じ進展になると聞き付け、吉田所長に電話。この電話の内容については「現場実態と乖離(かいり)した指導だった」としている。』
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120612/dst12061207010001-n1.htm
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