Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

昔の基準がモアベターなこともある。

2024-05-26 17:03:05 | スキルアップ
大型二種免許は、過去運転免許試験場で技能、学科試験に合格して初めて発行される免許でした。

そのため、合格率10%程度の難関資格の部類に入るものでした。

バス運転士=運転が模範的で上手という評判は、ここから来ていたと思います。

しかし現在は、指定教習所に通うことで取得が可能になり、取得難易度も格段に易しくなりました。

そのため、普通自動車が普通に運転できるのであれば、運転免許自体の取得はさほど苦労しなりました。

強いて難しくなった点を云えば、昔は車長9mで試験をしていたものが、現在は車長11mで行うぐらいです。

実際、60歳でほぼペーパードライバーの女性が免許取得していますし、40代、50代で免許取得できなかった話は、聞いたことがありません。

そのため、運転免許取得への心配は、ほぼしなくてよいと云いたいです。

さて、バス運転士に実際に成ることについては、免許取得ほど楽ではありません。

バス運転士は、過去4t以上の貨物自動車の経験を3年以上したドライバーの次の選択肢の一つでした。

現在は、バス運転士の高齢化や人材不足を埋めるため、非常措置として入社障壁を低くしていると云う考え方もあります。

そのため、昔から続けているバス運転士は、「昔の基準が本来の入社基準である」と主張する方もいます。

そして、新しいバス運転士のことを「金で免許を買った奴」と、揶揄する昔気質の運転士もいます。

モアベターで考えるのであれば、昔の基準が良いのは云うまでもありません。

しかし、現実問題として人材確保の観点からある程度社会的に受忍しないと、適正運行の確保が難しいと思います。

そのため、入社や免許取得の段階までは、今の基準を受忍している昔気質のバス運転士は多いです。

しかし、入社後の研修については、一定の基準をクリアーできない限り、単独運行を許可しない風潮があります。

大手の場合、昔気質のバス運転士も合意した3ヶ月から6ヶ月の厳しい研修カリキュラで粛々と入社後の研修が行われます。

そのため、大手の研修で単独運行が許されれば、独車後に変な揶揄を受けたりすることは少ないと思います。

しかし、研修制度のしっかりしていない田舎の中小企業のバス会社の場合、独車後も3年ぐらい揶揄されることがあります。

但し、思い出してもらいたいことは、本来は昔の基準がモアベターであると云うことです。

私も含め新しいバス運転士の方は、そこを忘れてはいけないと感じました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする