Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

2024年大卒新卒者の退職について(補足)。

2024-05-12 15:41:26 | 日記
私は先日、若者側の自分勝手で一方的な目線で、一つの体系化した記事を書きました。

約束手形不渡りと良心の呵責の関係について。 - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

これから書く内容はあくまでも、ある若者側の一方的な目線であり、世の中の現状を正しく反映したものではありませんので、一種の認識の上でのギャップを知る材料の一つに思...

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しかし、若者の自己を正当化するロジックにより造られた価値観は、長い期間その若者の人生の指針となり、人生の漂流をも正当化します。

就職難民を作り出すと、その後数十年の社会に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

中には、反社会的組織と関係をもつ人間も出てきますし、自分が反社会的組織と関係があることを、自覚していない人間も出てきます。

そのためには、大人は例え未熟で一方的なロジックでも、一旦耳を傾ける度量が必要と私は経験から感じます。

信頼できる大人がいないと感じることは、「社会人として信頼される人間になる必要が無い!」という極論を産み出す原因となります。

可能な限り、国や地方公共団体も専門的なチームを作り、真摯に取り組むべき問題と感じます。

さて、先日若者の早期離職問題について、大卒の25歳のバス運転士に話を聞きました。

その運転士曰く、大学生活と社会人生活のギャップが大きく、学校で事前に教わってい社会人像と現実の社会人像が違いすぎたとのことです。

仕事も忙しく、表面的には穏やかに見せつつ、ブラック労働やパワハラが隠れて存在している現実にうんざりしたそうです。

確かに、我慢すべきことも多いかと思いますし、もう少し長い目で観て修行期間として理不尽に耐えるべきとも思います。

しかし、彼らからすると「ブラック労働やパワハラなどがある昔ながらの修行期間を過ごすのが嫌だったから、代わりに大学に行った。」というのが本音で、むしろこんなこだったら高卒で就職した方が悩まずに済んだと言っていました。

要するに、「俺は、騙された!裏切られた!」と言いたいのです。

私は、このようになった若者を変に上から押さえつけたり、スピリチュアル洗脳をして、矯正することは好きではありません。

この若者に必要なものは、緩やかな移行期間と感じます。

もしよければ一旦バス会社に入社して、バス運転士として3年間勤務してみてはいかがでしょうか?

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特に大手バス会社でも、若者のならば入社のハードルは高くなく比較的容易に入社できますし、福利厚生も充実しています。

ここで自分の再構築と、全国どこでも体が続く限り出来る「路線バス運転士3年の経験」を得ることができます。

最悪バス運転士ならば、食いっぱぐれることもなく、必要最低限の生活をおくることは可能です。

また、バス会社で3年勤め、運行管理者の資格も取得すれば、内勤業務も経験可能です。

営業についても、観光バス(旅行業)や送迎バスの営業職としての経験も充分身に付けることができます。

特に運行管理者3年の経験は、自分自身を相当打たれ強い人間に変身させると思いますし、人事のスキルや経験も相当身に付きます。

仮に、路線バス運転士3年と運行管理者3年の経験があれば、34歳以下の若年層ならば一般企業は大歓迎と思います。

正に捨てる神あれば、拾う神ありです。この「一旦拾う神」に、バス業界はなってほしいと思います。

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世の中、騙されたり裏切られることは、日常的にあります。社会に出る最初に直面して、絶望しているのかもしれません。

いきなり、固いものを食べさせようとしても、吐き出すのは当たり前です。

また、子供も頃から固いものばかり食べていると、歳を取ってから病気になることもあります。

しかし、みんな「自分のことで精一杯」の世の中で、貴重な拾う神の3年間の緩やかな移行期間を経て、立派な社会人になってほしいと感じました。

捨てる神が捨てた棄児は、拾う神が拾い育て、将来「福の神」に育つといいます。自分が社会に捨てられたと感じる若者は、拾う神の元で福を授ける神になるべき人かもしれません。
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バス運転士に対するカスハラについて思うこと。

2024-05-12 13:49:31 | 日記
バス運転士志望の方が、よく気にすることでカスハラ問題があります。

カスハラとは、カスタマーハラスメントの略語で、乗客などの顧客がバス運転士やバス会社に対して理不尽なクレームや言動をすることです。

バス運転士となると、不特定多数の乗客を乗せて運行するため、必然的に多くのカスハラを受ける機会に遭遇することが予想できると思います。

その事から、未経験でバス運転士になることを志望する方や、貨物運送のドライバーから転職を考えている方が、真っ先に心配されることの第一位であると推察します。

タクシー運転士も含めた旅客運送事業への転職を躊躇することの一つとして、このカスハラ問題への心配が大きな心理的障壁として昔から有名です。

この問題に対して私は、「バス運転士がやるべき対応をしっかり行っていれば、さほど気にすることはない!」ということが正直な感想です。

特に車内アナウンスで、声を普段より半音上げて明るく対応するだけでも、カスハラの8割は事前に解消できると思います。

また、乗客の動きを事前に予測して、特に発車時や停車時は、「動きます。おつかまり下さい。」、「止まります。おつかまり下さい。」などの車内事故を防止する乗客を思いやったアナウンスをすることで、バス運転士に対する印象も大分変わります。

乗車の際に、明るく挨拶をすることも大変重要です。

バス運転士への乗客からの印象が変わると、乗客から労いの言葉をかけられたり、ファンになってくれる女性(高齢者がほとんどで、残念ですが…)も出てきます。

逆に頻繁なカスハラを受けるバス運転士もいますが、休みの日にそのバス運転士の運行に乗車すると分かるのですが、アナウンスが圧倒的に暗く無愛想な場合がほとんどです。

また、感情の起伏が運転に出たりすることもあり、アクセルやブレーキが雑な場合があります。

特に女性は、バスのブレーキに対して嫌悪感を持つ人が多く、バス会社もブレーキの使用については研修で厳しく指導されます。

このようにバス運転士の努力によって、大方のカスハラやクレームを減らすことは可能です。

たまに、厄介なカスハラをしてくるクレーマーがいますが、どうにもならない場合は、運行管理者に対応をお願いすればいいです。

通常、問題行動をするクレーマーは、過去に警察の御厄介になっていたり、行政が面倒を観るべき人だったりします。

また、数にしても1,000人に1人位の割合のため、心を病む程ではありません。

その事からも云えますが、頻繁にカスハラを受けるバス運転士は、その運転士に問題があるケースがほとんどで、改善すべきは改善する必要があると感じます。
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バスが道間違をした場合どうするの?

2024-05-12 10:08:10 | 日記
昨日はバス停での「バス停飛ばし」という運行事故について説明しました。

いちいちバス停に止まるな! - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

乗客から「時間が過ぎているのに、バス停に人が居ないなら通過すればいいじゃないか?何故、わざわざバス停に止まって扉の開閉作業を行うのか?」というクレー...

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折角運行事故についてふれたので、良くあるものとして「運行経路逸脱」という運行事故についても説明したいと思います。

これは単純に道間違えのことで、良くあるものとしては、例えばある運転士がA路線とB路線、C路線を日替わりで運行していたとします。

この路線は、途中までは同じルートを通行していて、ある場所に来ると其々の路線に分岐します。

前日までA路線を3日連続で担当していた場合など、当日B路線にも関わらず惰性でA路線側を走行してしまうなどを云います。

バスは運行経路に沿って必ず運行する大前提があるため、このような単純なミスも運行事故になり運行記録に残ることとなります。

「運行経路逸脱」を犯した運転士は、その間違いに気付いた時点で直ぐに路肩に停車し、運行管理者に事の顛末を報告し、回復ルートの指示を受けます。

間違っても、バス運転士の自己判断で回復しては行けません。

万一、報告なしに回復中の事故を犯した場合や乗客がクレーム電話を入れた場合、バス運転士の自己責任が発生する場合があることはもちろん、バス会社も行政処分の対象になる可能性があります。

バス会社は、予め運行経路を運輸局に届け出た上で運行しています。

この運行経路を逸脱することは、本来はあってはならないことで、適切な対応なしに運行経路外をバスが通行することは許されません。

この事は運行以外の回送ルートにも同様に適用されます。バスは、予め決められたルートのみ通行が可能な乗り物なのです。
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