CO2削減ドットコム

ローコストオペレーションを追求した結果、地球環境問題に直面した。企業責任とコスト削減の両立を目指すMr.削減のブログ。

“ヨーロッパに見る、コスト削減の原点”(旅のまとめ1)

2006-09-30 19:21:48 | Weblog
デンマーク、スウェーデン、ドイツを回って強く感じたことが
あります。

これまで日本で言い続けてきたことに間違いはなかったな!と。

驚きました。ヨーロッパにこそ“もったいない”の文化があり
ました。コスト削減の原点である、“無駄遣いはしない”が
到着日からそこかしこにゴロゴロ転がっていました。

国ごとに列記しておきます。明日からでも是非、家庭や職場で活か
してください。


【デンマーク・スウェーデン編】
(コペンハーゲン、ヘアニン、マルメ)

ホテルに着くなり、まず、ホテルの照明が少ないし、日本のように
異常なまでの明るさがなく、非常に落ち着いた感じでした。多分
照明に掛かる電気代は日本の同程度のホテルの半分以下であること
は間違いありません。その分、窓を大きく広くして自然光を積極的
に取り入れる造りになっています。

また、デンマークでは、地盤が弱く地下は掘り難いため半地下が
大半です。ホテルの場合半地下がレストランになっていることが多く
日本ならまず間違い なく暗いために好んで照明を付けますがデン
マークは逆です。自然光の取り入れと、テーブルごとに蝋燭を積極的
に使用しています。


その蝋燭も、お客様が来て初めて着火します。日本なら全て灯して
お客様をお待ちするはずです。大きな違いです。

ホテルの部屋の明るさも日本のホテルの半分以下です。もちろん
一つのスイッチで複数の照明が点くことは100%ありません。スイッチ
一つに照明一つです。さらには、コンセント一つ一つにスイッチが
ついているので無駄な電気(待機電流)も流れません。このことを知ら
ないと、充電したはずのビデオやデジカメ、携帯電話が朝になって
未充電と言うことになります。早速、痛い目に合いました。


また、最近のホテルでは部屋のドアを開けると、廊下の照明がつくよう
になって います。エレベータには100%閉まるボタンがないことも付け
加えておきます。(押すのと押さないのではエレベータの消費電力が
全然違います!)

「閉まる」ボタンはホテルに限らず、デンマークではついに見ることは
ありませんでした。また色々な施設のお手洗いでも結構自動照明が使わ
れていました。かなり古い施設でもそうだったのには驚きました。

部屋のメモ用の鉛筆も昔ながらの木の鉛筆です。当然色をつけるなどの
加工は一切してありません。長さも通常の半分です。珍しさも手伝って
こちらの方が持って帰って大切に使おうと思います。ホテルの部屋据え
置きの中途半端なボールペン ほど捨てられやすいものはありません。
プラスチック製ですから処分も大変です。そのことを証明するように
スウェーデンのホテルには使わないボールペンを入れ、皆に見えるように
貯めて置く立方体のガラスの箱がロビーに据付けられていました。中には
半分以上、多分1,000本近くの使わないボールペンが入っていました。

ということで、私は早速、鉛筆を鞄にしまい込みました。可愛そうに(?)
間違いなく誰かへの立派なデンマーク土産になります。但し、国境を越え
て無駄なく大切に扱われます。捨てられ焼かれても有害物質は出ません。
もちろん、部屋には歯ブラシもシャンプーもリンスもありません。髭剃り
なんて持っての他です。尚、これからヨーロッパを旅する方々のために
スリッパやパジャマ等もないことを伝えておきます。

ヨーロッパのそれなりの環境に配慮したホテルにはあるのは石鹸のみ
(ホテルによってはシャンプー兼用石鹸もあります)です。それも
1日に使うだけの大きさです。タオルはふかふかで水の吸収がいい
とても綺麗なものが置いてありますが、決して新品ではありません。
また、使わなかったタオルは当然交換してくれません。極めて合理的
です。


さらに、朝食券もそのチェックもありません。泊まった人が決められた
時間に食べる、それだけです。朝食券様の無駄な紙代、印刷代が省けます。
これは、ホテルだけに限らず、美術館や博物館の入場の際にも言えます。
入り口でお金を払って、そのことを目で確認したらOK、もしくはレシート
が入場券の代わりと言う施設が結構ありました。少なくとも日本の様に
スポンサー付きの広告や宣伝の入った、キラキラ輝くコート紙の入場券
には出会うことは一度もありませんでした。チボリ公園でもそうでした。

駅に改札がないのも同じような発想からだと思います。人は必ず無賃乗車
をすると考え、その対策にコストを掛けるのか、その逆の発想でその分
人的資源の効率的な配置を目差すのか。日本でも検討に値すると思います。
(JRはICカードで、我々個人の趣味志向までを含めてどこまでも追っ
かけるつもりですか・・。怖くなりました!)


さらにさらに、コペンハーゲンの街中でも多くの“もったいない”の精神
に出会いました。まず、街全体に無駄やギラギラした照明がありません。
セブンイレブンだろうとマクドナルドやケンタッキーだろうと全て街の
雰囲気を壊さないことが大前提での出店です。日本の京都のローソンや
ロイヤルホストのような極めて中途半端な街との偽融合ではありません。


蛍光灯が一本もないゼブンイレブン。マクドナルドとは思えないおとなしい
看板のMAC。カーネルおじさんの見つからない、違う店じゃないかと
思われ、少なくとも私は気づかなかったKFC。照明の数から言って
本当に街全体が夜は暗くて大丈夫かな?と心配になるくらいでした。


店内も、スポットライトが中心で、“必要な商品を必要なだけ照らす”が
基本にあり、今日は開いているのかなと思われる店が沢山あります。また
お休みの店はほぼ全部の電気を落としています。日本のように開店して
いるのかと見間違い思わず入ってしまう程明かりを点けている店は皆無
です。

さらにランチをしたチボリ公園の入り口のステーキレストランは極め付け
でした。 全面ガラス張りで自然光を使いまくっています。天気がよく少し
暑くなってきたのでどうするかと見ていたら、単純に天窓を開けて自然の
風を取り込みました。当然、テーブルには蝋燭です。明るかったので点灯
はさせませんでした。その夜、チボリ公園の帰りに通りかかったら、お客
様がいる席だけで蝋燭がゆらゆらと輝いていました。他の照明は見当たり
ませんでした。

昼間、そこのお手洗いを借りました。入り口からして真っ暗です。異国の
地です。普通は怖くては入れません。スイッチを押しました。点いたのは
地下の踊り場までの階段の電気だけです。階段を下りました。そこのスイ
ッチを押すと今度点いたのはトイレの入り口までの踊り場の照明だけです。

トイレに辿り着きました。狭いトイレですが「大」と「小」でそれぞれ
スイッチが分かれていました。お陰で旅行中は自然に電気を消す癖がつき
ました。因みに、ここを含めていくつかの施設では男女の便所が共用で
した。これにもデンマーク人の合理性を感じました。


それから、我々の活動の拠点となったコペンハーゲン駅も天井全体が採光
できるようになっており、また、天井の両側も全て開閉ができる窓の構造
で、多分照明の数は同程度の日本の駅の四分の一以下です。決して日本の
駅のように明るくはありませんが、日本の駅の明るさはまでは必要ないな
と強く感じました。


日本の多くの駅では昼間もプラットホームの蛍光灯は輝いています。
あ~もったいない!です。

追加で、コペンハーゲン空港もカラス張りでした。中央にデンマークでは
ここだけで見たエスカレータが2基ありましたが、着いた日も、飛び立った
日も動いてはいませんでした。

最後にふと気が付きました。ついに一度も飲料の自動販売機には出会い
ませんでした。街角はもちろんのこと、ホテルにもありません。日本に
帰ったら一度日本中の自動販売機が食う電気の量を調べて発表しようと
思いました。

誰か知っていたら教えてください。

そう言えば、行きのスカンジナビア航空の食べ残しを考えての食事の
メニューには感謝でした。ヨーロッパやアメリカ行きの飛行機では
これでもかこれでもかの食事攻撃が嫌でしたがそれもありませんでした。

飲み物にしても必要な人が必要な時に必要なだけ貰うが徹底していて
かえって気持ち良かったです。本当に合理主義の国民性です。

スウェーデンには1日もいなかったので、先ほどのボールペン収集以外
これと言ってありませんが、当然コペンハーゲン駅と同じように屋根は
全て採光できるようになっており、照明も少なかった記憶があるのと
駅のお手洗いが有料(日本円で100円程度)でしたが、熱帯魚が泳いで
おりその価値はあったなと思ったのと、ビックマックセットが1,400円も
した物価の高さです。


最後に、『合理主義』というと日本には、人間不在の冷たいものと勘違い
する人がいます。『合理主義』とは“必要な時に必要なだけのものを使い
決して無駄はしない”と言う、日本に古くからある“もったいない”の
精神と同じものです。そのために必要なら一致団結もするし、“私だけが
しなくても大丈夫だろう”の精神の対極にあるものです。ヨーロッパに残り
根付いていました!


【ドイツ編】
(フライブルグ)

基本はデンマークと一緒です。照明ごとにスイッチがあります。
ただ、コンセントまでにはスイッチがありません。エレベータにも
閉まるボタンがあります。ドイツとデンマークの違いは、本当に
デンマークは自然の恵みが少なく、その分徹底して無駄を省いた歴史
だった気がします。

一方、ドイツは黒い森を中心に自然に恵まれていました。その自然の
めぐみを巧く利用することで、つまりものを大事にすること、自然を
壊さないこと、自然から授かったものはいつかは綺麗にして自然に返す
こと。つまり、早くから、持続可能な社会を目差してきた、大げさに
言えば長い目で見て無駄なコストを削減してきた歴史を感じました。

フライブルクと言う、キリスト教徒が作った世界で一番美しい教会を
中心に作られた美しすぎる街。街中をアルプスからの水が縦横に走る
街全体が博物館のような街。 誰も汚せる人などいない美しさです。


この街を守り続けようとする精神が、無駄をしない“もったいない”の
精神につながってきている気がします。そしてこれからもそれは守り
続けられると確信させる市民であり街でした。


(Mr.削減)

“CO2を吸収しまくる街、バーデンバーデン”

2006-09-26 21:42:54 | Weblog
10・11・12日目です。

10日目のフライブルグは終日雨でした。旅のまとめに入りました。
昨日一日雨が降らなかったことは本当に幸いでした。少しオーバー
に言わせていただければ奇跡です。これだけ森と街が一体化した
ところでも、昔、酸性雨の影響で20年後には黒い森が消えてしまう
と言われたものの、40%は枯死や衰弱などの事態に直面しつつも
実際にはなくなっていないことから、最近では環境に対する市民の
危機感が以前ほどではなくなっているようです。

11日目は、最高の環境都市、間違いなく“車のアイドリング消し
オバちゃん”がいる街フライブルグに別れを告げて、最終目的地
世界の保養地バーデンバーデンへ向かいました。

一言で言って、200年後の軽井沢でしょうか!とても落ち着きのある
ヨーロッパ最高の保養地です。ドイツのDB(鉄道)をやっとマスター
し、胸をときめかせてICE(国際新幹線)に乗り込みました。
(予断ですが、一応ドイツ国内なら鉄道を使ってどこへでも行けるよう
になりました。)

ここでは、フライブルグ以上に大きな川が街の中を流れていました。
そしてとにかく木が大きくて蔦(ツタ)が上の方まで絡まっている
ことから、フライブルグ以上に森との共生の歴史を感じました。
今、年間で失われる森のCO2吸収量が、アメリカ一国分のCO2の排出量
に相当する現実を考える中、森との共生はとても大事なことに思えます。

食事前にローマ時代のカラカラ帝が保養をしたカラカラテルメ(巨大な
温浴施設)に入浴して来ました。日本でここまで拘った施設ができれば
まず間違いなく大流行です。オペレーションの仕組みに効率運営の一端
を垣間見ました。2時間、3時間、4時間コースがあり、それぞれ値段が
違います。

考えてみれば当たり前ですが、このような施設での時間制を日本では見た
ことがありません。多分日本ではチェックが大変だからとか、施設内で
沢山の消費活動をして欲しいからとの声が大勢を占めるのでしょう。

保養施設ですよ。そこで思いっきり飲み食いして体のためになるのでしょ
うか?やっているうちの当初の目的が変わってしまう“日本的現象”は
ここでは見られません。もっと言えばここでも生きているのはやはり、必要
な時に必要なだけ使う“もったいない”の精神です。とっても善いと思い
ます。(Mr.削減)はもちろん2時間コースでした。

12日目は、朝一番にジョギングの予定でしたが、寒かったので(根性無し)
散歩に切り替えました。朝飯が美味しかったこと!その後、近くの美術館
でシャガールの展示会をやっていたので行って来ました。驚きました。

日本でこれほど多くのシャガールの絵が集まった展示会を見たことがあり
ません。また、シャガールの絵としては見たこともないもの、驚くほど
大きなものが沢山ありました。シャガールに対する認識が大きく変わり
ました。凄い画家でした。日本で思っていた以上に!

それから、ドイツの鉄道は世界一正確と言われていますが、これも今回
のシャガールではないですが、聞くのと実際に行ってみるのとでは大きく
違っていました。初日はフランクフルト空港駅の小火騒ぎで仕方があり
ませんでしたが、それ以降、定刻に到着した列車も、出発した列車も1本
もありませんでした。主要幹線が沢山あり、乗り継ぎが多い実情を考えると
そんなに不思議なことはありません。

ついでに、泊まった★★★★★ホテルについて言っておくと、シャワー
や水道栓には節水のこまが入っています。しかし決して水圧が弱すぎて
困るほどのものではありませんでした。ドライヤーも1200Wではなく
600Wでした。これで十分です。もちろんタオルは新品ではありませんが
その分水の吸収がよく、使っていて気持ちよかったです。窓は二重窓で
遮音以上に冬の暖房対策になっていると思われます。(窓ガラスと窓ガラス
の間で暖気が作られ、夕方それらを開放することで部屋が暖まる)

今、バーデンバーデンからフランクフルト中央駅に向けて特急列車は
走っています。これにて旅のレポートは終了です。これからは通常通り
毎週土曜日に更新です。引き続きご愛読ください。

旅に送り出してくれた方々に感謝を込めて“ありがとうございました”
価値ある旅でした!

▲ブタは持続可能な社会の象徴。セレブの友です!




“フランクフルト空港駅が火事でした。危うく電車に乗り遅れそうに・・”

2006-09-25 15:35:06 | Weblog
7日目は一人でコペンハーゲン空港からドイツのフランクフルト空港
に飛びました。目的地はフライブルクです。ドイツで一番美しい街
(環境都市)と言われています。フランクフルトからICEと言う
国際版新幹線に乗りました。2時間15分掛かります。

ところが、フランクフルト駅が火災で(小さい)出発ホームまで行けず
電車に乗ったのは定刻ぎりぎりでした。背中を冷や汗が何度も何度も
流れました。着いた晩と翌日(8日目)は天気も悪く、また、インター
ネットをしようと思っても、パソコンのモジュラージャックがデンマ
ークでは接触に問題がなかったのですが、ドイツでは問題がありました。

そのため、現状解消の為の必殺USBを一人でドイツの家電専門店に
買いに行きました。しかし、ドイツも(ヨーロッパは一般的に)無線
LANの国で、結局見つからず(絵まで描いて行ったのに!)、この
対応で一日を無駄に過ごしてしまいました。もう、インターネットは
今回の視察では金輪際諦めます。帰ってから打ちまくります。備えが
100%でなかったことを深く反省しています。普段できなことは、いざ
と言う時にもできない。この諺(ことわざ)を大切に来年リベンジします。
“チックしょー”(小梅太夫)です!


“フライブルグの街は美しすぎました!街全体がCO2を出さずに、吸収
しまくっていました!こんな街が日本に一つでもあったなら・・。造り
たい!”

9日目は曇りでしたが、爽やかな空気の中、終日市内散策でした。まず
キリスト教徒が作った世界で最も美しい教会を見ました。その通りでした。
中のステンドグラスも言葉にならない美しさでした。また、教会周辺の
朝市では100軒以上の店が軒を連ね、そこには自然の恵みが山積みにされ
ていました。その鮮度、色、美しさ・・。言葉では何一つ伝え切れない
もどかしさを強く感じました。日本国籍を捨ててでも棲んでみたくなる
街です。多分皆さんも・・。


午後は、この素敵な街全体の姿が見たくて、高所恐怖症にも拘らず勇気
を振り絞って街の真ん中にある山の頂上の塔(200階段あります)に登り
ました。その息を呑む美しさが恐怖心を上回る勇気を与えてくれました。

こんなに綺麗な街が地上にあったとは・・とうとう自分の中で、1年に
一度は訪れなくてはならない街になってしまいました。街の中を水路が
縦横に張り巡らされ、そこにはアルプスからの水が流れ(ひょっとしたら
その水は何百年か前に降り積もった雪が氷河になってとけだしたものかも
知れません)、水路の両脇の商店街のお店の2階は住宅で、そこには綺麗
な、本当に綺麗なお花が飾られています。なかには1454年から続いている
チーズ屋さんがありました。よくぞまあ建物が持っているものです。世界中
の街がフライブルクを目指したら、ポスト京都議定書は要りません!!
間違いない!


10日目からぼちぼち来年の3月の本の構想を練ります。また、送れなかった
メルマガ3本を書きあげます。だんだんと帰国準備です。よく眠れるので
体調は万全です。文章に力が出てきました。





“CO2削減は子供の頃の教育から!デンマークは子供を宝と思っています!”

2006-09-24 16:13:17 | Weblog
6日目は前半戦のまとめをしておきます。5日目の風力発電所視察に先立ち、
午前中に車を飛ばし

【森の幼稚園】を見てきました。コペンハーゲンの郊外にあります。本当に
森の中です。(景色としては、北海道の大沼公園によく似ていました)写真
を見てください。隣が日本で言う森林公園です。

暗くなると魔女が出てきてもおかしくないところです。子供たちもここで
自然の鹿と出くわして危険からの身の守り方を学び、やがて街中では鹿が
自動車に変わるだけで、自動車は危ないと教えなくても自然と自動車から
身を守る術が身についているそうです。

ここに子供を預ける親達は広告代理店やIT企業等に勤める都市部の高額
所得者層が中心です。子供たちの将来を考え抜いた上でそうしているよう
です。私が子供なら入りたかったし、身近にあれば子供たちを何が何でも
入れたい幼稚園です。保育園課程は子ども11人に保母さんが3~4人。幼稚
園課程でも22人に3人。手厚い人数です。子供の可能性を自然の中で引き
出すプログラムに満ち溢れています。

教室のショーウインドには子供たちが森の中から持って帰ったものが展示
されています。蛇の死骸、スカンクの白骨化した頭蓋骨等々日本ではまず
考えられません。それから、保育課程であっても面白かったのが、子ども
それぞれに特徴を捉えたデザインマーク(コスモスちゃん、○○トンボ君)
が付けられていました。幼い頃から、個を尊重していることを強く感じま
した。

とにかく、子供は自分たちの将来を支えてくれる宝物。だから、最高の環境
での教育を施すし、尊重しつつ大切に育て上げる。このような環境の中で、
子供たちは森の大切さを学び、森を守り、結果的にCO2の削減に協力する
ようになるのです。まあ、徹底しています。


“CO2の40%は住宅から出ています。ならば環境に優しい住宅を作らねば!”

6日目は、何とスウェーデンに行って来ました。デンマークとの間に橋が掛か
っているのです。凄いことです。11キロあります。東京から横浜に行く感覚
です。マルメと言うスウェーデン第二の都市で人口27万人の街です。

ここでは市が所有している工場跡地に環境に優しい住宅を開発する様子を見ま
したが、決して順調には行っていません。国外の企業にも声を掛け、安くて
環境に優しい先進的な住宅を沢山作ることで公共工事を増やし、不況下の景気
を上昇させるのが目的でスタートしたようですが、結局は賃貸で予定していた
ものがいつの間にか企業の都合で分譲に変わり、さらに価格も高いものになっ
てしまい、工期も長いものは5年遅れになっていると言っていました。
(こちらの公務員は隠し事をしません!)

その象徴が写真の119メートルの高さの奇妙な高層マンションです。スペインの
著名建築デザイナーの作品です。思った以上に建設コストが嵩み、結局は、きわ
めて高い(億単位の)分譲になったので中はガラガラです。

ただ、日本のようにゆるい建築基準を守っていれば自由に家が建てられる環境
にはなく、(デンマークも、スウェーデンも)その分、いい住宅への執着は感
じました。そのため、住宅の値段は日本並みか高めです。

その後は、お口直しに開発成功例であるオーグステンボリの住宅街を見に行き
ました。綺麗な町並みができていました。
やはり、スエーデンでも国主導よりは住民が一致団結してルールを決めて運営
している街づくりのほうが結果的には環境に優しくなっているようです。




“CO2も皆で協力すれば削減できるし、儲かります!”

2006-09-23 19:41:52 | Weblog
5日目はヘアニンからコペンハーゲンに帰ってきたのが午後9時過ぎと遅く
食事もそれからだったので、朝から眠い目をこすりつつも今回の旅の
デンマークにおける最大のテーマである“風力発電”の勉強です。

【ミドルゴロンヌン洋上風力発電所】とそれに先立ちデンマークにおける
風力発電の昨日・今日・明日を学ぶため【コペンハーゲン環境事務所】
を訪れました。

デンマークの発電用の風車の数は現在5,400基です。これが、発電量全体
の18~20%を占めています。ピーク時には何と50%の電力をカバーします。

1891年には国内に粉引きやポンプ用の風車が6,000台ありました。戦争中は
30~70KW中心に小型風力発電機が175台。戦後、これらを中心に大型化し
ていきました。今でも中型は大型(2,000KWクラス)に切り替え中です。
そして、全土で5,400基も立ててしまったので、もはや陸上には建てる場所
がないのが現状です。

また、EUの指導で電気料金が値下げ(以前の60%、但し残りを政府が補助
するようになったので風力発電への投資家への影響は軽微におさまった)に
なったことも手伝ってこの6年間は新設がありません。よって、現在は洋上
発電にシフトしています。その中でも世界最大規模がホーンスレウの洋上発電
で、年間発電量6億kWh、総建設費300億円です。6億kWhと言えばこれに
20円を掛ければ使用量だけで120億円もの金額(年間売り上げ)になります。

今回見学してその大きさに驚いた【ミドルゴロンヌン洋上風力発電所】が35億円
の投資です。約十倍です。ウトウトしていて聞き逃したのですが、多分大型風力
発電機が200基近く海上に建つのでしょう。見てみたいものです。


そんな中、驚いたのがここまでやっていてもデンマークは決して風力発電量では
世界で一番ではないことです。歴史と技術力は一番であっても・・・・。

■デンマーク(2880MW 2004年で3117MW)あまり増えていない。
■ドイツ  (12001MW 2004年で16629MW)国としてかなり気合が入ってる。
■スペイン (4830MW 2004年で8263MW)倍増の勢い。

しかし、デンマークで面白いのは、風力発電機の所有形態です。【58%個人
23%組合、18%発電会社】となっています。

最後に、【ミドルゴロンヌン洋上風力発電所】の詳細な状況を書く前に、日本の
官僚や電力会社の方々に一言。

【コペンハーゲン環境事務所】には、前日に訪れた【フォルケセンター】と違い
日本の官僚や企業の方々が訪れるそうです。それにしては日本では風力は一向に
増えません。
理由は三つあります。
1.景観を汚す!

2.山の上とかの僻地でないと建たない。そこから電気を街まで持ってくるコスト
が掛かる

3.電力の系統がヨーロッパのようにネットワーク型ではなく、どこからでも繋げ
るわけではない(日本は櫛型といい、どこからでも繋げるわけではない)

1.は間違いです。写真を見てください。白く大きい風車は美しすぎます。コペン
ハーゲでは間違いなく観光資源になっています。オランダ全土でも今はそうです!

2.3.も間違いです。今回も、電力会社は洋上の発電機から自らの系統まで電力線
をつなげる義務がありました。日本において電力会社が過去から現在までの長い間
あげ続けてきた利潤と、出し続けてきたCO2の量を考えると、風力発電普及の
ために電線を引くことくらい微々たる投資です。例えば、東京電力が地球の将来の
ために2,000億円の利益、6兆円近くの売り上げの中から数億円、数十億円を出せな
いわけがありません。
電気の搬送に関する投資負担をデンマークの様に電力会社がしてくれれば、採算性
も2,000KWの発電機一本建てればデンマークであれば3年で元が取れる絵が描け
ます。日本でも4~5年での回収は十分可能です。

最後に【ミドルゴロンヌン洋上風力発電所】の詳細をまとめておきます。日本の
官僚の皆さん、電力会社の皆さん参考にしてください!

1基2,000KWが20基建っています。つまり40MWの発電量です。コペンハーゲン
の3%(35000世帯)の電力需要をカバーしています。所有者は8594人の株主です。
40,500株。1株570ユーロ。よって、2,300万ユーロの投資でした。(約35億円、
一基にすれば海上施設で1.8億円弱。決して高くありません)

とにかく大きい。海底に埋め込む土台の重さが2000トン。支柱(75メートル)が
120トン。上の発電機が100トン。羽根の長さが36メートル(3トン)。夏は発電機
が凄い熱を持ちます。変圧器14基は全て支柱の中に入っています。このあたりの
高熱対策が今後発電効率を上げるための課題です。発電機はボーナス社製のもの
を使用。風車の間隔は500メートル。

その他、≪面白かったこと、日本での普及の参考になったこと≫

★株主は借金があってはダメ(してもダメ)で、かつ10人の株主を捜す義務が
 あった。(TV、ラジオで2年以上宣伝)

★環境評価を丁寧にやった。船がぶつからないか。魚はいなくならないか。
 鳥はぶつからないか。飛行機から十分見えるか・・。殆んど影響がなかった。

★毎年7月の第二日曜日が風車の日。夏は風が弱いので見学がし易いので開放
 している。

★建てるまでは景観を心配したが、今はデンマークのシンボルにもなっている。
 64%の国民があってもいいと思っている。



“CO2の出ない持続可能な社会は、持続可能な系の積み重ねから!”

2006-09-22 23:48:02 | Weblog

▲風車の羽根は実に美しかった!

4日目からは諸般の事情で、インターネット環境になく、本来なら毎日
現地から“ブロぐる”約束が守れませんでした。悪戦苦闘したのですが
悔しくてたまりません。帰国後、日本からまとめて1回で“ブロぐる”と
相当のボリュームになります。よって、本日から毎日1本づつ、日本に
いながら現地からの情報風にお届けします。その分、写真をふんだんに
入れます。期待ください。
■ 9月22日(金)4日目 今回
■ 9月23日(土)5日目
■ 9月24日(日)6日目
■ 9月25日(月)7・8・9日目
■ 9月26日(火)10・11・12日目
■ 9月26日(水)旅のまとめに1 ≪ヨーロッパに見るコスト削減の原点≫
■ 9月27日(木)旅のまとめに2 ≪起きてからの国と、起きる前にの国≫

前日(9月10日)の3時にコペンハーゲンを発ちヘアニンに向かいました。
3時間20分の列車の長旅でした。ヘアニンはメッセ会場がある物凄く綺麗
な街です。朝から日本円にして6万円強(3,000DKK、DKKはデンマーク
クローネの略、1DKKが約20円)でワゴンタクシーを借りきり、まずは、
【ハミングバイオガスプラント】に向かいしました。前日のブログにも書き
ましたが、少し補足しておきます。

ここは、97戸の農家が自分たちでお金を出し合って1992年にスタートしました。
日本ではまず考えられません。デンマーク人はぶっきらぼうの個人主義ですが、
合理主義でもあるため、まとまってやった方が善い事に関しては非常に強固に
結びつきます。そして凄いのが2013年に99農家で当初背負った借金11億円
(うち政府2.8億円補助。現在はバイオマス新設に政府の補助金はありません。)
の返済を完了する予定になっていることです。
作ったガスはパイプラインを通じて5km先の町に供給されます。そして、電気
と暖房のためのエネルギーに変わり、それぞれ3,000世帯(電気)と900世帯(暖房)
をカバーします。売上げで言えば年間約3億円(1,500DKK)になります。
返済が完了すれば、農家の方々の老後を十分に潤す気がします。

それから、開設以来一度も、持ち込まれるありとあらゆる有機物を分解・発酵
させる菌(酵素、牛の腸から取る)を変えていないことも驚きでした。追加で
足すだけです。52.5℃が最に活性化するそうで、この温度管理には気を遣って
いました。この菌は何とあの猛毒のサルモネラや鳥インフルエンザの菌も分解
する力があります。凄い菌です。(デンマークには医薬品分野で最先端の企業
があります。)

責任者の自慢は、デンマークでは最も綺麗な(整理整頓、臭くない)バイオガス
プラントであること。ガイド役の方も十二分に頷いていました。他は、相当汚く
臭いそうです。
また、責任者の自宅からも24時間プラントの運転状況が監視できるようになって
います。(理由は、施設は週休2日。よって週末は無人)日本なら、「何かあった
どうするんだ!」と言うことで、例え遠隔監視ができても、担当者が順番でまず
100%休日出勤でしょう。

日本からの企業来訪者は“無し”とのこと。最近バイオガス発電に力を入れて
いるファーストエスコ社あたりが、元世界最大規模なので見に来ているかなと
思って質問したものの、ヨーロッパあたりの大学で環境学を学んでいる日本人
学生が来る程度とのこと。プラントはB&W社製で日本へも輸出実績あり。
風力と違って全エネルギーに占める割合は0.6%。但し、ガスができた後の副産
物が家畜の飼料となり、またそれを食べた家畜の糞が回収されてガスの原料と
なる持続可能な系の形成にそれ以上の価値を感じました。

続いて訪れたのが、日本流に言えば風力を中心とした新エネルギー研究所である
【フォルケセンター】です。【冒頭の写真】但し、案内担当者が開口一番、
「2002年(?)労働党から保守党へ政権が変わって風量発電への投資が極端に
減ってきた。」と言ったことを裏付けるように、施設の老朽化の激しさと勢い
の衰えを感じざるを得ませんでした。(確かに、2000年以降は新たな風力発電機
は更新や大型機への入れ替えを除いてされていないはずです。)

そんな中、風力発電を考えたのはデンマーク人とのこと。オランダでポンプや
穀物を挽く役割に使われていた風車を見て他に何か利用できないかを考えたの
が始まりです。世界に7大メーカーがあり、うち3社をデンマークが占めています。
この分野では世界をリードしており、羽根の作成技術と、発電機の技術(大容量
&小型軽量化)がポイントです。ここのところのデンマークの好景気を牽引した
業界の一つです。

ここは他にも、太陽光、菜種油、水素電池、潮力発電、バイオマス発電とありと
あらゆるクリーンエネルギーを研究しており、その中でも気になったのが中国製
の小型風力発電機です。数基が止まっていたので聞いたら「回りが悪い」の一言
でした。日本から輸出された技術や展示物が何一つなかったのがとても残念でした。

▼ヘアニンからコペンハーゲンへ向かう電車の中から虹を撮影






デンマークは合理性の国です!

2006-09-13 06:45:36 | Weblog
★3日目は、王立美術館、王立博物館を見てきました。
いやはや合理的な国です。美術館ではお手洗いの入り口に男女共用
のマークが隣り合って二つ並んでいました。(冒頭写真)全く同じ
マークです。(普通は右は男性、左は女性とかになっていますよね!)

どちらから入ったらいいのかわからず、同行の池澤社長と手分けして
突入したら中は同じでした。そこは手洗い場で、その先に男女共用の
広い個室が3つありました。

3つを男女が使い合う。合理的だと思いませんか!王立美術館には悪い
人は入ってきません。なぜなら、入り口で高い入場料を払うからです。

日本なら、間違いなく「安全性の観点から、危険な人が入場料を払って
入ってこないとも限らないので・・・・。」間違いなくこうなります。

さらに、駅のトイレは有料です。同じように男女共同使用ですが、2クロ
ーネ(40円)が必要です。誰も文句は言わないそうです。そのお金で常に
トイレは綺麗に保たれているからです。

日本では新宿駅に入り口のドアに100円を入れないと中に入れない有料トイレ
があります。しかし、お金を払った人の後について入って、何人もの方々が
無料で利用しています。また、決して綺麗ではありません。ましてや100円
の価値は全くもってありません。

品川駅のトイレは入り口に利用料金を入れるコイン投入口がついていますが
支払う方をいまだ見たことがありません。(もちろん、Mr.削減は払います)

そんなデンマーク人の合理性の源をつらつら考えながら、午後からはヘアニン
に向かいました。3時間20分の列車の旅です。デンマークの鉄道には改札があり
ません。これも合理的です。さらには、電気とジーゼルを使い分けて走ります。

この他にも、デンマーク人の合理的な考え方が証明されるものが明日以降沢山
見つかりそうです。

“ワクワク”します。

★4日目はいよいよ本格的な視察です。

まずはバイオガスプラントを見に行きました。元世界最大の施設です。予測
とは全ての面で違っていました。

1992年に97戸の農家がお金を借りて11億円を出し合い(そのうち約2.8億円は
国の補助。但し、今はもうなし)完成させました。最初の醗酵室の蓋の開放
を希望したわけではありませんが、わざわざ開けていただいた時の匂いは強烈
で、その夜の夢の中まで匂いを思い出しました。

それもそのはずです。単に牛や豚の糞尿だけでなく、薬品工場の副産物、食品
工場から出る(牛とか豚を殺した後の)廃棄物、同じく魚のそれ、果てはし尿
までありとあらゆる有機物を混ぜて発酵させていました。

それが、最終的には5キロメートル離れた街の3,000戸の電気を灯し、800戸を
暖房するエネルギーに変わるのです。

一番感動したのが、ここで“持続可能な系(サイクル)”を形成していること
です。

農家はこのプロジェクトに参加しなければ、牛や豚の糞尿を自分たちで最後
まで処理しなくてはなりません。保管場所に放っておけば、そのうちに30%
は飼料になります。しかし、バイオガスブラントに持ち込めばその率は75%
に上がります。最近では豚小屋の近くまで一般住宅が迫り、もしこのプラント
がなければ97戸の農家がそのために糞尿の処理も含めた環境対策に支払う費用
は97戸で3億円にのぼるそうです。

ここにも、個別でやるよりは、皆でまとまってやった方が効率的と言う合理的
な考え方が浸透しています。

結局、97戸の農家で4,550頭の牛と60,000頭の豚を飼い、年間で182,000トンの
糞尿を処理することでメタンガスを作り、3億円の環境対策費を抑え、電気料金
換算で3億円分の発電をしています。飼料も個別で作るより45%も多くできます。

当初、参加しなかった農家が悔やんでいることからもこのモデルの優秀さ、持続
可能なサイクルを作っている様がうかがえます。

出資した農家は年利にして4%の運用利回りだそうです。2013年には償却が終わります。それなりの収益事業です。(というか、設備の更新さえうまく行けばかな
り儲かります。)

今回の視察旅行ではコペンハーゲンのホテルがなかなか取れませんでした。日本
では以前糖尿病と言われていた病気の世界的な学会が開催されるからです。
デンマークには大きな薬品会社があります。インシュリンで世界をリードして
います。そこの強さを支えているうちの一つに薬品製造の副産物の処理の仕組みの存在(これによるコスト削減)があると思いました。

明日はいよいよ、風力発電です!

Mr.削減 IN ヘアニン

▼バイオガスプラントの最終分解(発酵)タンクを背に




CO2削減はコスト削減からです!

2006-09-10 15:59:40 | Weblog
コペンハーゲン3日目です。
Mr.削減が来る前一週間は天気が悪かったそうで、到着後
一転して日本でいう“爽やかな秋晴れ”の日々です。

本当にありがたいことです。
日頃の行いに心より感謝します。(笑)

街の探索を通じて、デンマークがエネルギー自給率100%を
達成している秘密が徐々にわかってきました。


やはり、答えは『現場』にありました。

1.当然です。エレベータに閉まるボタンはありません。消費  
  電力が違います。


2.ホテルによっては部屋のドアを開けると、廊下の照明が点灯
  します。部屋の中も照明のスイッチが沢山あります。日本の
  ように1箇所で沢山の部屋の照明のコントロールなど一切あり
  ません。点ける必要のある箇所の照明のところでスイッチは
オン・オフします。


3.街に看板が少ないです。特に電飾看板など僅かです。街の景観
  に合わせないと建築がOKになりません。日本のように法律の
  抜け道を捜す姿勢など全く見られません。セブンイレブンにも
  蛍光灯は一本もありませんでした。スポットライトが商品を
  やわらかく照らし出していました。(日本のセブンには200本近く
  あります。そして、驚くほど明るいです。多分、デンマークの
  方は腰を抜かします!)


4.相乗りでの省資源が目立ちました。シャンプー兼石鹸、TVの
  リモコンスイッチ兼目覚まし、これからいっぱい出てきそうです。
沢山捜して帰ります。


5.蝋燭を沢山売っていました。かなりの部分、夜間の照明に利用して
  います。


この他にも、もちろんホテルに歯ブラシなどありません。当然です。
それから、本当に使わない箇所の電気を消すことが徹底しています。


先ほど朝食を済ませたホテルのレストラン。お客様の数に合わせて
照明を点けていきます。多分、オン・オフのスイッチが沢山あるので
非常に細かいコントロールが可能なのでしょう。当然、自然の採光を
まず考えることが出発点です。机の上には蝋燭があり、席に着いた順番
に点火していました。決してお客様のいない席で蝋燭が燃えることは
ありません。

また、昨日昼食を済ませたステーキレストランでは、地下一階のトイレ
も1階の入り口からして真っ暗です。(普通は怖くて行けません)まず
階段の照明のスイッチをONします。地下一階に着いたらそこのフロア
のスイッチをONします。そして、トイレのドアを開けます。さらに
大と小で照明が別れています。最後の極めつけは、水でビショビショの
手を乾かす乾燥機の風圧は日本のように強くなく、物凄く熱いです。
やけどしそうになります。常にハンカチ持参で、二度と使うものかと
思います。

まだまだ沢山の工夫がありますが、明日にします。

明日から、ガイドをしてもらう福田さんが言っていました。
「デンマークの人も始めから環境、環境と言うことで今の様に積極的に
取り組んでいたわけではありません。環境への配慮が結局は省コスト
つまりコスト削減につながることに気が付いて拍車が掛かってきたのです。」
と。

また、電気代も高くワンルームアパートメントで3ヶ月で5万円の請求が
くるそうです。また、省エネナビ的な家庭の省エネを推進する「見える化」
装置もあるそうで、活躍していることも聞きました。(3ヶ月に1回とは
またこれも合理的ですネ!)

それでは、今日は明日元世界最大のバイオガスプラントを見るために
午後からヘアニンに移動です。特急で3時間の列車の旅です。


行ってきます!

写真がなかなかアップロードできません。
これも、文明の進化のせいです。理由は次号で・・・・。


Mr.削減 IN コペンハーゲン

SASは流石(さすが)です!益々デンマークが好きに・・

2006-09-09 14:25:15 | Weblog
コペンハーゲンに着きました。

流石に環境の国、つまり水と空気は自分たちで守っている国だけ
あります。SAS(スカンジナビア航空)の中だけでもそのこと
が徹底されていました。

実は、飛行機は大量の化石燃料を消費します。
人一人を同じ距離運ぶのに電車と比べたら格段のCO2排出量です。
このことは意外と知られていません。

今世界の航空需要はうなぎ上りです。


最新鋭のエアバスですので、エコノミーであっても全席液晶画面
が付いていて、映画や様々な映像が見れるようになっています。
しかし、読書灯を点けていると液晶画面は起動しません。

つまり、読書中に液晶画面を見ることはないだろう。だから、
“もったいない”ので起動させません。これです!


また、読書灯を点けたまま寝ている方がいたら、丁寧に消して
回っていました。


機内食も食べ残しを考えてちょうどいいボリュームでした。


この積み重ねが、これ以上地球環境を悪くしない方法の一つである
ことは間違いありません。

着く前から善いものを見せてもらいました。
(因みに、SASは2002年度に「欧州環境レポート大賞」を受賞しています。)

そんなスチュワーデスさんは例え60歳間近であっても素敵に見えます。
(北欧は殆んど職業に関して男女の差別はありません。)

飛行機の中で、3日目から3日間現地施設を案内してもらう福田成美さん
の本を一冊読みました。題名は『デンマークの環境に優しい街づくり』
です。読み終わって本の最後を見たら、何と初版(1999年、新評社)が
私の誕生日と同じ9月25日でした。不思議な“縁”を感じました。


私が買ったのは第4刷でした。ロングセラーです。他にも『デンマークの
緑と文化と人々を訪ねて』という著書(2002年、新評社)があります。
こちらもお会いするまでに読みます。

読み終わって、益々デンマークファンです。


これからは、インターネット環境が許す限り毎日ブログります!


(Mr.削減)改め⇒(Mr.CO2削減 in デンマーク)

新エネルギーの発電量が増えてもCO2は減りません?

2006-09-03 23:31:14 | Weblog
▼ 新エネルギーの発電量が増えてもCO2が減らないわけは・・。

最近では、風力、太陽光、バイオマス等を中心とした新エネルギーに
よる発電に関する記事がひとつ新聞に載っていない日はありません。


では、確実にCO2は削減されているのでしょうか?

実はそうではないのです。あくまで発電総量が変わらない中で、CO2
排出係数の高い石炭や重油による発電が新エネルギーによるそれに切り
替わってこその話です。

悲しいかな、ここのところ日本の発電総量は景気回復に合わせて、前年
同月比で2~3%増えている記事をよく見かけます。

発電総量に占める新エネルギーの割合は、頑張っているようでもまだ1%
程度です。全体が2%伸びていれば何の意味があるのでしょう?


原因は、日本が環境問題を口では叫びながら、相変わらず国として経済の
成長のみを目指しているからです。今のままでは、首相が変わってもこの
方向は変わりません。

このままでは、近代経済において歴史上最も早く成長し、最も早く滅びた
国になってもなんらおかしくありません。


そんな中、今回の自家発電業者であるエネサーブの重油発電からの撤退と
バイオマスへのシフトや発電事業者(PPS)のジィーティーエフ研究所
の重油発電の停止はCO2削減の観点から見れば善いことです。

しかし、冒頭にも書きましたが、国としての発電総量を減らす中でこその
新エネルギーの開拓です。


9月8日から二週間視察に行くヨーロッパでは、これでもか、これでもかと
いうくらい、至るところに風車が立っているそうです。ニュースにすら
なりません。

▼ 日本で風力発電が普及しない3つの理由とは

ではなぜ、ちょっと風車を立てただけで新聞に載る日本においては風力発電
が普及しないのか、その理由は3つあります。
 
最大の理由は、電力の系統がヨーロッパはどこからでもアクセスしてどこ
へでも流すことができるメッシュ(ネットワーク)型であり、一方日本は
上流から下流に流す櫛型であり、どこからでもアクセスというわけには行か
ない点です。

それから、風の方向の安定性です。ヨーロッパは風が吹いてくる方向が一定
で安定しています。一方、日本は季節によって風向きが変わります。その際
の振動による金属疲労が風車の軸に蓄積され寿命を縮めます。

最後は、日本は平野が狭く、風車の安全性を確保しかつしっかりと回そうと
すると、人里離れた山の上のようなところに設置するしかありません。そう
なると、電力の系統まで長い距離を送電しなければならなくなります。ヨー
ロッパでは人口も少なく十分平野部に設置できます。系統までの距離も少なく
てすみます。

上記が理由ですが、知ったかぶりをしてもしょうがありません。9月8日~21日
まで2週間、デンマーク・スェーデン・ドイツを旅してこの目で確かめてきます。


次回はデンマークからブログります。


では・・・・。

2006.9.3

(Mr.削減)