CO2削減ドットコム

ローコストオペレーションを追求した結果、地球環境問題に直面した。企業責任とコスト削減の両立を目指すMr.削減のブログ。

ドイツを見習わなくてはなりませぬ!

2006-11-25 20:26:41 | Weblog
THE NIKKEI MAGAZINE 11月号(No.25)の特集
“ドイツと言う生き方”は読みごたえがありました。また、大変参考に
なりました。


前書きには・・・・

『 人口減少と自然破壊―
  日本をはじめとする先進諸国が
  抱える今世紀の二大問題を、
  柔軟な発想で解決しようとしている国、ドイツ。
  その背景には、ロマン主義と学生運動という  
  異なる時代に起こった二つの潮流の
  幸福な出合いがあった。           』

とありました。どんどん読み進みたくなる前書きです!

内容は、街を小さくすること、これを名付けて“シュリンキング・ポリシー”
日本語訳で“縮合政策”と呼び、実践している様子が書かれています。

“縮合”の名が示すように、思い切って都市を縮小するという「人口減を好機
ととらえ、持続可能な街づくりを目指す」試みです。


機能を中心部に集約するだけでなく、不要と思われる部分は壊し、自然を
再生する。建物でふさがった土地を減らし、住まいの近隣に緑を取り戻す
ことになります。

夕張市に見習ってもらいたい施策です。


そして、この様な施策を受け入れることができるドイツ人の環境意識の根底
にあるものが、ひとつには「ロマン主義時代から続く、人間は大地に根ざし
ている、自然の一部であるという思想」です。日本人が殆どといっていいほど
亡くしてしまった考え方でもあります。


そして、もうひとつが学生運動の系譜です。1960年代末に広がった学生運動が
ドイツでは日本のように雲散しなかったことです。つまり、「経済成長が生み
出したひずみや、社会的矛盾を見直すと言う行為が脈々と受け継がれていた」
と言うことです。

まとめると、ドイツでは環境意識の根底に、“森は文化であり、国を代表する
自然である”との意識が変わらずに脈々と民族の中に引き継がれてきたと言う
ことです。


人口減と自然破壊で見せたドイツの独自の『解』には、一見硬そうに見える
ものの、それだけではない叩き上げの地に足のついたしたたかさを見ました。

日本が見習わなくてはならないところが沢山沢山あります。

一方で、『解』すら求めようとしない日本人の多いことに危機感を強く強く
感じます。


ドイツの森は、日本の里山です。里山を中心とした街づくりを考えなくては
いけない気がします。

日本でも持続可能な社会作りに向けて、ドイツのような幸福な出会いがないか
模索します!


(Mr.削減)


沖縄こそ“持続可能な社会”を目指して欲しい!

2006-11-18 22:55:15 | Weblog
沖縄に来ています。
九州の8行の銀行が沖縄に集まり、その会合でコスト削減の正しい考え方
を講演しました。翌日は、電気の無駄取りの営業にパチンコホールと大手
のリゾートホテルを回りました。電気の無駄が取れれば、その分CO2の
削減になります。ましてや、沖縄電力は日本で一番石炭火力の割合が高い
つまり、一番CO2を出している電力会社です。自ずと営業には気合が入
りました。


回ってみてパチンコ店の営業時間の長さに驚きました。9:00AM~23:45
です。何と、約15時間です。開店準備と閉店処理をあわせると19時間営業
です。恐ろしい電気の無駄遣いであり、CO2の排出です。自然の島であり
続けて欲しい沖縄の話です。

リゾートホテルは色々頑張っていました。400室のホテルは温泉から出る
天然ガスを使って発電できないかを真剣に考えていました。名護の300室
の1年前にできた素晴らしいホテルは自然の光をしっかり取り入れて、エネ
ルギーを大切に使っていました。


ただ、11月であっても外気温は暑い日は27度くらいになることから(衣替
えは12月1日です)エアコンは高くて24℃、低いところは22℃に設定して
ありました。銀行での講演中は寒かったです。ホテルも部屋に入るとしっ
かりと冷えていました。ペンギンが冷蔵庫の陰から出てきそうなくらい!


ただ、難しいのは日本人はリゾート慣れしておらず、短い期間にとにかく
“楽しもう”と言うことで、部屋は目いっぱい明るくし、部屋を出る時に
は、ヨーロッパなら電気もエアコンも全て消すところを逆に、帰った時の
快適な環境を求めてつけっ放し、入れっ放しで出かけるそうです。間違い
なく北欧の人は腰を抜かします。


また、夏場はビーチが近いのでバスタオルの使い方も半端ではありません。
2泊の滞在なら、多い人は2桁の回数シャワーを使い、その結果の水道使用量
は想像を絶します。(このままではマジで沖縄から水はなくなります。沖縄
には大きな川などありません。)その証拠に、なんと前出のホテルは地下に
海水淡水化装置まで持っていました。(これを動かすとまた多大なエネルギー
が使われるのですが・・。)


沖縄ではヨーロッパの様に自然と共生したリゾートはできないのでしょうか?

考えてみてください。
東京のOLさん、夏に沖縄に来る。
暑いのでリゾートホテルに着いて直ぐに部屋のエアコン全開。
出かける際も、電気もエアコンも一切消さず、エネルギー垂れ流し!

まず、東京からの長旅の汗をシャワーで流す。
バスタオル1枚消費(☆1)

海岸に行く。海から上がって来て海岸でまずシャワー。
バスタオル1枚消費(☆2)

部屋に帰って来る。海岸では十分に砂も落とせなかったのでシャワー
で髪を洗う。
バスタオル1枚消費(☆3)

食事前に、SPA(温泉)に行く。
バスタオル1枚消費(☆4)

食事後部屋に帰る。本格的入浴。
バスタオル1枚消費(☆5)

夜、近くをドライブする。汗を掻いたので寝る前にシャワーを浴びる。
バスタオル1枚(☆6)

朝起きてシャワーを浴びる。
バスタオル1枚(☆7)

もったいないので、もう一度SPAに行く。
バスタオル1枚(☆8)

これ、オーバーでも何でもありません。都会からやってくるOLさんの
一般的タオル消費構造です。
1日ではや8枚!?


シャワーを使う。お湯をだす。ボイラーが動くため重油が消費されます。
この狂った枚数のタオルを洗濯しなくてはなりません。リネン会社の4トン
トラックが島内を猛スピードでピストン運転です。もちろんCO2を撒き
散らして・・。


見事なまでの“持続不可能な社会”が実現しています。完璧に!


リゾートに行くとは、エネルギーを消費しに行くのではなく、都会で自然
から奪ったものを返しに行く旅でありたいと思います。
(少なくとも、リゾートにいる期間と都会にいる期間では、リゾートに
 いる時のほうがエネルギー消費が少ない型)

滞在中はバスタオルは2枚。夏であれば直ぐに乾きます。自分で洗えば
善いと思います。子供に洗濯を教える善い機会です。

出かけるときはベランダの窓を開けて自然の風を取り込んでおく。もち
ろん、あらゆる電気は消して部屋を出ます。コンセントから抜きます。
部屋は帰ってから冷やせば十分です。日本のエアコンは高性能です!

2泊目のホテルの総支配人は素晴らしい方で、まさにお客様に対するホスピ
タリティ、従業員に対するホスピタリティ、そして自然に対するホスピタリ
ティを持っていらっしゃり、この3者のバランスを常に考えていらっしゃい
ました。


来年4月に某新聞社から出版予定の本の仕上げは、このホテルで行うことを
決めました。

私一人だけでも滞在中はエネルギーの無駄遣いをしない行動をして見ます。


(Mr.削減)IN 沖縄 名護



“ワァームビズ”VS“明かりを替えて世界を変えよう”

2006-11-11 15:38:36 | Weblog
今週は海外のCO2削減事情と言うか、キャンペーンの実態に迫ります。
知人の省エネシステムメーカーの社長さんに教えてただいた話です。


アメリカでは、10月4日から“Change A Ligtt、Change The World”
つまり、“明かりを替えて世界を変えよう”なるキャンペーンが始まった
そうです。これは、毎年行われているもので、内容は、従来型の電球や
機器をエネルギー効率の良い『エネルギー・スター』の認証を受けたもの
(認証シールが張ってあります)に取り替えることを国を挙げて推進する
ものです。

この『エネルギー・スター』とは1992年に米国環境保護庁とエネルギー省
により始められた「エネルギー効率の良い製品を通じての節約と環境保護」
を目的としたプログラムだそうです。1995年度からは、日本も協力して実施
する国際的な制度となっています。(全く知りませんでした!)


しかし、知人も私も日本ではそんなシールが張ってある電球を見たことが
ありません。この秋、デンマークではA~たぶんGまでの7段階表示だったと
思いますが、確かに見ました。全ての電球にありました!

このラベル付の電球の中にはその寿命が最大従来型の10倍に達するものも
あります。そうすると、家電店に車に乗って買いに行く回数が減ります。
結果、車が出す温室効果ガス(CO2)が削減されます。電球を交換する時間
の節約もできます。(電球の下まで重い椅子を運ばなくてすみ、運動により
体内から吐き出されるCO2の量が減ります。細かいですが、とりあえず)


さらに、現実(金)的にも、認証された一個の電球を使い切ると、何と
30ドル以上の節約ができるそうです。また、シール付の電球には税金を
掛けない州もあります。


さらにさらに、このキャンペーンで面白いのは、ホームページを通じて
電球交換に関する地域(州)間の得点競争に参加できることです。具体的
には、ニューイングランド州では、住民に1個ではなく2個以上の電球を替
えるように発破を掛けているようです。もちろん、昨年度に引き続き全米
1位の地位の維持が目的です。

日本も、クールビズ、ウァームビズいずれも、ちゃんとした計測方法を
考えた上でこれをやれば面白いことになる気がします。


また、この地域間競争には企業も参加するようで、昨年度は優れたエネルギー
スター・パートナーとしてトヨタが選ばれました。


2005年度のキャンペーンでは、電球交換を誓約した人が7万人に達し、年間で
3,000台の車が出す量に匹敵する温室効果ガスの削減に相当しました。

こんな善い話を教えてくださった社長さんに感謝します。

インターネットを使った地域間競争は面白いと思います。また、日本では
省エネ家電はありますが、こういった省エネ電球の認証制度、ランク付けは
ありそうであり、また、できそうなのですが・・・・。調べてみます!!


(Mr.削減)




東京都も排出権取引、自動車需要の抑制に補助金・・。

2006-11-02 20:13:42 | Weblog
「大証に引き続き、東京都も参入か?排出権取引!」


05年度から都内の大規模事業所に対してCO2削減目標を設定
させて5段階評価する「地球温暖化対策計画書」制度を導入した。
制度の3年目の来年から見直しをする中で、自治体による排出権
取引制度の導入の可能性や実施する場合の留意点等を洗い出す。

環境省の制度では経済界から統制経済につながると反発された為
自主参加とした経緯があり、全企業に義務化するか、他県や海外で
CO2削減を行った場合の削減量の取り扱いも検討する。

こんな記事が「フジサンケイビジネスアイ」にありました。

統制経済につながる・・・・の「統制」の言葉にも驚きますが
反発する経済界にも驚くと言うか、本当に経済界全体が反対して
いるのか?そこのところが面白いというか不思議です。

こと、マスコミもCO2削減に関しては経済界に味方している気が
してなりません。いつもなら、反対する経済界を強く批判しそう
なものですが・・。

また、1日の日経MJには、「環境省 CO2削減車依存抑制都市」
「中心街の活性化促す 自治体事業に助成」との目次が載っていま
した。


こちらは、都市機能が郊外に拡散し、自家用車に依存した都市ほど
一人当たりのCO2排出量が増大する傾向に着目。「省CO2型都市」
を目指して地方自治体が行う公共交通の活性化や自動車需要の抑制
土地利用の効率化などの費用の一部を補助するというものです。

しかし、いずれも根本的な解決に結びつく気がしません。皆さんは
どうですか?

予算もたった5億円です。5億円だから駄目だと言っているのではない
のですが、5億円で都市機能が変わると思いますか?

5億円でいくらのCO2を削減しようと目論んでいるのか?

この方法が数ある方策の中で、果たして効率的なのか?

CO2削減の施策はきりがないくらい考えられますが、日本はどうも
相変わらずの行き当たりばったりの気がしてなりません。

新しいものには直ぐに飛びつきます。クリーン開発メカニズム(CDM)
排出権取引、シカゴ気候取引所・・・・。

もういい加減、目指す国家の姿を固めてそこに向かって舵をきらないと
世界の孤児になってしまいます。


なぜ、それができないのか?

安倍首相が掲げる“美しい日本”とは、いかなる日本なのか?

私にとっての“美しい日本”の原風景は「里山」です。


今の仕事を通じて一箇所でも多く復活させたいと思います。

皆さんは?

(Mr.削減)