CO2削減ドットコム

ローコストオペレーションを追求した結果、地球環境問題に直面した。企業責任とコスト削減の両立を目指すMr.削減のブログ。

新エネルギーの発電量が増えてもCO2は減りません?

2006-09-03 23:31:14 | Weblog
▼ 新エネルギーの発電量が増えてもCO2が減らないわけは・・。

最近では、風力、太陽光、バイオマス等を中心とした新エネルギーに
よる発電に関する記事がひとつ新聞に載っていない日はありません。


では、確実にCO2は削減されているのでしょうか?

実はそうではないのです。あくまで発電総量が変わらない中で、CO2
排出係数の高い石炭や重油による発電が新エネルギーによるそれに切り
替わってこその話です。

悲しいかな、ここのところ日本の発電総量は景気回復に合わせて、前年
同月比で2~3%増えている記事をよく見かけます。

発電総量に占める新エネルギーの割合は、頑張っているようでもまだ1%
程度です。全体が2%伸びていれば何の意味があるのでしょう?


原因は、日本が環境問題を口では叫びながら、相変わらず国として経済の
成長のみを目指しているからです。今のままでは、首相が変わってもこの
方向は変わりません。

このままでは、近代経済において歴史上最も早く成長し、最も早く滅びた
国になってもなんらおかしくありません。


そんな中、今回の自家発電業者であるエネサーブの重油発電からの撤退と
バイオマスへのシフトや発電事業者(PPS)のジィーティーエフ研究所
の重油発電の停止はCO2削減の観点から見れば善いことです。

しかし、冒頭にも書きましたが、国としての発電総量を減らす中でこその
新エネルギーの開拓です。


9月8日から二週間視察に行くヨーロッパでは、これでもか、これでもかと
いうくらい、至るところに風車が立っているそうです。ニュースにすら
なりません。

▼ 日本で風力発電が普及しない3つの理由とは

ではなぜ、ちょっと風車を立てただけで新聞に載る日本においては風力発電
が普及しないのか、その理由は3つあります。
 
最大の理由は、電力の系統がヨーロッパはどこからでもアクセスしてどこ
へでも流すことができるメッシュ(ネットワーク)型であり、一方日本は
上流から下流に流す櫛型であり、どこからでもアクセスというわけには行か
ない点です。

それから、風の方向の安定性です。ヨーロッパは風が吹いてくる方向が一定
で安定しています。一方、日本は季節によって風向きが変わります。その際
の振動による金属疲労が風車の軸に蓄積され寿命を縮めます。

最後は、日本は平野が狭く、風車の安全性を確保しかつしっかりと回そうと
すると、人里離れた山の上のようなところに設置するしかありません。そう
なると、電力の系統まで長い距離を送電しなければならなくなります。ヨー
ロッパでは人口も少なく十分平野部に設置できます。系統までの距離も少なく
てすみます。

上記が理由ですが、知ったかぶりをしてもしょうがありません。9月8日~21日
まで2週間、デンマーク・スェーデン・ドイツを旅してこの目で確かめてきます。


次回はデンマークからブログります。


では・・・・。

2006.9.3

(Mr.削減)


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