この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#577 「白菊の歌」

2009年04月22日 | 
旧制東京高等商船学校の学生によって歌われたというこの歌は私の好きな歌の一つである。

白菊の歌(東京高等商船学校寮歌)
作詞:神長瞭月
作曲:神長瞭月
1.
かすめる空に消えのこる
おぼろ月夜の秋の空
身にしみ渡る夕風に
背広の服をなびかせて

2.
紅顔可憐の美少年が
商船学校の構内の
練習船のメンマスト
トップの上に立ち上り

3.
故郷の空を眺めつつ
ああ父母は今いづこ
我が恋人は今いかに
少年左手に持つものは

4.
月の光に照らされて
傍の友に語るやう
もとこのものは故郷の
外山のかげに咲き残る

5.
遅れ咲きなる白菊を
吾れ故郷を出づる時
君が形見と贈られし
真心こめしこの栞

6.
海山遠く隔たつとも
彼が形見を思ひ出に
朝な夕なに眺めつつ
云はんとすれど悲しやな

7.
涙の為に遮られ
そのままトップに打ち伏しぬ
やがて少年身を起こし
遠き故郷を眺めつ

8.
男子立志出郷関
学若不成死不帰
去年今夜眺秋月
更心身如大海

9.
満天雲なく月は澄み
風はそよそよ吹きはたる
秋の夜中の空高く
折りも聞こゆる喇叭の音

10.
ああこの十時は今鳴りぬ
忽ち消ゆる少年の
姿は校舎に入りにけり
音するものは程近く

11.
小松原に打ち寄する
岸打つ波の音高く
犬の遠吠えかすかなり
犬の遠吠えかすかなり

You Tube で探して見た.
帆船日本丸の合唱団による見事な合唱がみつかった。

旧制高校や専門学校の一年生は満年令で16歳、17歳の年頃であろう。
今は新制の高校生としてまだ子供扱いなのであろうが、昔は旧制中学を出れば、一人前の大人に扱われたのではなかろうか。

故郷を出て、東京の商船学校に来るときに、恋人から贈られた菊の花などと何と詩情のある歌だろう。

神奈川SGGクラブでご一緒させていただいているTさんは旧制東京高等商船学校のご出身なので、Tさんにもこの歌を聞かせて頂きたいと思っている。

リンク:You Tube 「白菊の歌」(帆船日本丸合唱団)←クリック


リンク:Tさんについて #403ブログ「南太平洋」「戦艦武蔵」←クリック


画像:筆者撮影 於葉山

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