料理の変遷

2005-02-07 20:01:31 | Weblog
昭和38年、西暦に直すと1963、わたしが生を受けたのは
この年だ。同年生まれにはKONISHI、北尾にダウンタウ
ン。唐沢寿明は星座も同じ、ついでに血液型も同じだそうだ。
このことからも、占いは迷信ということがよくわかる。

 もういい加減よい年であるので、体の節々にガタがくる。朝
目覚めると体が痛い。のびをすれば足がつる。歯を磨いたら吐
き気で苦しむ。平均寿命の半ばを過ぎ、ウルトラマンならカラ
ータイマーの色が、青から黄色に変わるころだ。この苦しみも
妥当なところか。

 オッサン故に昔話を語ってみるが、「30年前、牛肉はすべ
てご馳走であった」と聞いたら、牛丼世代はなにを思うか? 
当時の漫画でご馳走といえば。ローストチキンかビフテキ(こ
の表現自体がもぉ)であった。ファミレスがない時代、ビフテ
キとは一流レストランで食すべきものであった。当然ウェイタ
ーが蝶ネクタイしている店ね。疑うものは吉沢やすみの「ど根
性ガエル」を、隅から隅まで見て欲しい。ご馳走と言えばすき
焼きにビフテキ。にぎり寿司など「ほんのちょっとの贅沢」に
過ぎない。「金持ちは肉を食い、貧乏人は魚を食う」 こんな
図式があっさり覆るとは、40のオッサン的に、過去を振り返
ると感慨深い。

 徒然草にこんな記述がある。最近上流にもてはやされている
カツオについて老人曰わく、「カツオという魚はいやしい食べ
物で、自分らが若い頃は決して身分の高い人に供するものでは
なかった」 このように、若者が老人になるくらいの短い時間
のうちに、食物に対する概念は容易にひっくり返る。鰯が高級
魚になり、安価な食べ物としてマグロがイメージされる時代も、
もう少しでくるかもわからない。

あるいはまた「愛のエプロン」で、女性タレントの見せるゴ
ーカイな調理法、あれが世間の流行となり、大いなる大衆性
を獲得する日がくるかもしれぬ。あまり長生きしない方が賢明
なのかも