ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

バヤデルカー1月20日-アントニチェワ・ステパネンコ・ネポー

2007年01月25日 | Weblog
1月20日のバヤデルカ 
配役
ニキヤ:アンナ・アントニチェワ
ガムゼッテイー:ガリナ ステパネンコ
ソレル:ネポロジニー
ラジャ:アレクセイ・ロパレビッチ(前日と同じ)
大僧正 : アンドレイ シトニコフ (前日と同じ) この二人は最近いつも同じです 
苦行僧 :アントン サビチェフ 
ドラムの踊り: Anastasiya Yatsenko, Andrey Bolotin, Timofey Lavrenyuk
黄金の像:イワン ワシリエフ (前日と同じ)
マヌ:チナラ アリザデ
3幕の影の王国のバリエーション :第1バリエーション アレーナ・アンドリエンコ、第2バリエーション: ナターリア・オシポバ (前日と同じ) 第3バリエーション :ビクトリア・オシポバ
指揮: パベル クリニシェフ
 
*ステパネンコ
少なくとも当方見た限りでは久しぶりのステパネンコのガラ以外での舞台登場でした。足を痛めたとか噂ありましたのでその踊りに注目していましたが全く軸のぶれない回転は衰えていませんでした。見事の一言。
残念ながらステパネンコを写した二幕後のカテコの写真の写りが悪いものしかなくて元気な姿を写真でお見せ出来ないのは残念ですが動画をご覧下さい。
前日のシプリナのガムゼッティーも良かったのですが元々顔がきつい(あごがとがってますし)ステパネンコが怒ると姉御が怒ったようで怖いですね。
演技では1幕終了時にシプリナの様に握りこぶしを作るのでなく両手を胸の上で交差させるという演技でこれは怒りを表現というよりは神に祈っているのでしょうか。
 
*アントニチェワ
アントニチェワは一幕最初の登場の際は手首から両腕全体にきらきら光る輪をいくつも巻き 頭に花飾りをつけて登場。
ステパネンコもアントニチェワも恋する乙女というのは一寸実年齢上はきついところですがこのような衣装で雰囲気をだしているのでしょう。
1幕で奴隷に水を飲ませる際にソレルが待っているよと伝言を受けるシーンがありますが前日のアラーシュと比べアントニチェワは喜びの表情をほんの一寸見せるという抑えた演技。
1幕でソレルとニキヤが逢引した後大僧正が出てくるので慌ててニキヤが隠れてすれ違いに寺院に入るシーンがありますがアラーシュは壺は置いたままで一旦奴隷の後ろに身を隠し寺院に入るところで壺を取って寺院に隠れますがアントニチェワは壺を取ってから奴隷の後ろに身を隠すという細かいところですが演技に違いあります。
アラーシュは壺を取る余裕もない切迫したという演技でしょうしアントニチェワは壺を置いたままでは大僧正に見つかってしまうことを恐れて壺を取って隠れるという演技なのでしょう。
それぞれ思うところあってそのような演技をしているでしょう。偶々アラシュが壺を取り損ねたなんてことは無いはずですから。
 
又1幕でラジャに大僧正がニキアとソレルの事を説明しているところをガムゼッティが盗み聞きしてショックを受けるという場面があるのですがシプリナは庭の仕切りと思しき物の内側に出てきて盗み聞き、ステパネンコは仕切りの外から盗み聞きとここでも二人の演技の違いありました。ここは今まで見ていてもバレリーナによって両方のやり方があるようです。
このように演技がそれぞれによって微妙に違うことは二日続けて見ると判るのもバレエを見る楽しみの一つでしょう。勿論記憶力の良い方は間を置いても違いは判るのでしょうが。
 
二幕のドラムの踊りではいつも闘牛士役で颯爽とした姿を見せるアンドレイ ボロチンが野生的役を演じていて意外でした。
 
いつも二幕でニキヤが花かごから蛇が出てきて噛まれるシーンはニキヤに注目してしまい大僧正は余りその表情を見ていなかったのですが今回良く見ていたらニキヤが花かごに顔を近づけるシーンで明らかに止めろという表情を見せていますね。
大僧正は手回し良く蛇の解毒剤を持っているしそもそもこの花かごをラジャに捧げたのは彼ですから蛇を仕込ませたのも彼で仕込ませたがいざとなると躊躇して止めろという表情になったということでしょうか。只 昨年のボリショイ来日時のパンフの説明ではガムゼッティが仕込んだというような解説ですが。
 
確かにニキヤが蛇に噛まれて断末魔の中でガムゼッティーにお前が蛇を仕込んだんだろうと迫るシーンがありますが良く見るとそこでニキヤは地面に蛇の姿をしぐさであらわすんですね。
アラーシュの演技では見落としましたが少なくともアントニチェワははっきりと地面に向かって蛇のようなくねくねとした姿を右手でなぞる仕草をして蛇を表現していました。
 
ネポ:
ネポは連日ご苦労様でした。踊りはというと技術もありジャンプも回転も破綻無くやっていましたしサポートもキチンとやっていましたがスターの輝きというには今少しでしょうか。
でも以前見たころより最近は踊りも可也堂々としてきて良くなっているように思えます。
 
バリエーション :
三幕の影の王国のバリエーションでは第二のナターリア・オシポバが高いジャンプ力を両日に渡って見せ付けていました。
第一バリエーションは前日のクルサノワはきっちりとした回転で拍手喝采でしたがこの日のアンドリエンコは一寸回転がふらついていました。
第三バリエーションのビクトリア・オシポバは苗字はナターリアオシポバと同じですが姉妹とか親戚でしょうか?只顔は余り似ていませんし髪の色もナタリアは黒、ビクトリアは栗色。
踊りは上手いがお顔の方がもう少し良ければねとボリショイの踊り子の中で囁かれるというナタリアと違いビクトリアの方は可愛いかも。踊りはビクトリアは無難にこなしていました。
 
尚写真ネポの左後方に小さいですがコバヒゼが写っています。
 
動画 1 二幕終了後カテコ 最後に太鼓の踊り 左端にアンドレイ ボロチン 
       マヌ、そして次に黄金の像のワシリエフがジャンプして登場します。お見逃し無く。そしてステパネンコ、 ネポ 、アントニチェバ
       3幕終了後 影の王国のコル・ド  パリエーション1、2,3
     4   アントニチェバ、ネポ
 


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4 コメント

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ワシリエフのジャンプ! (Nana)
2007-01-27 13:07:57
アントーニチェワ、ネポロジニー、ステパネンコ、他いつもの脇役達、動画それぞれ楽しませて頂きました。注目株といわれるイワン・ワシーリエフ、当方未見で、このブログで初めてジャンプを見ました。ナイスショット!(ボリショイ見たい人でワシリエフ注目してる人、日本にもいると思います。)(私自身は作品全体を見るのが好きで、スター主義や新人売り込みのスターシステムの過剰宣伝は余り好きではないのですが、このジャンプや別の日のオーラを見れば騒がれるの納得でした。時間がなくて他のダンサーの話を割愛)若い人特有の魅力あるジャンプがばっちり写って、ワシーリエフ見たい人には必見!

演技は、同じダンサーでも日によって変わる場合も有るみたいです。ボリショイ「バヤデルカ」はキャストシャッフルするとまた違った味があるようですね。自分の未見のキャストがちらり見られて嬉しかったです。
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ワシリエフのジャンプ! (管理人)
2007-01-27 15:57:14
Nanaさん
そうでしたね。昨年10月にオシポバとのペアでドンキで17歳で主役デビューで騒がれたのがワシリエフでしたね。当方当日見損ねたのですが確かその踊りの評価は未だ早すぎたというのではなかったかなと。今回のジャンプや回転を見れば技術は凄いのは確かですがドンキで主役を張るにはそれだけでは足りなかったということでしょうか。兎も角黄金の像の役ではその技を存分に見せていましたので暫くこのような役で場数を踏んで次を目指すということでしょうかね。
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Unknown (管理人)
2007-01-27 16:24:03
ワシリエフはソリストですが英文HPにも履歴がある数少ないソリストですね。
http://www.bolshoi.ru/en/theatre/ballet_troupe/soloists/detail.php?act26=info&id26=842

やはり将来が嘱望されているのは間違いないようですね。10月の当地記事を見直すと家族の家を手配するという条件を出して世界のバレエ団からの争奪戦にボリショイが勝ったようですね。
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ワシリエフのジャンプ! (管理人)
2007-01-27 16:32:17
当該Newsです。
http://blog.moura.jp/courrier_news/2006/10/post_2a46.html
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