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ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2011年12月21日(水)

2011年12月24日 | Weblog

Merry Xmas!

クリスマスに相応しいくるみ割り人形をNさんが再びご覧になって寄稿頂きました。

又写真はリースに彩られた新国立劇場玄関とのこと。

新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2011年12月21日(水)

金平糖の精:本島美和
王子:福岡雄大

雪の女王:湯川麻美子
クララ:さいとう美帆
ドロッセルマイヤー:冨川祐樹

シュタルバウム:貝川鐵夫
シュタルバウム夫人:楠元郁子
フリッツ:八幡顕光

ハレーキン:奥村康祐
コロンビーヌ:高橋有里
トロル:福田圭吾

ねずみの王様:小笠原一真
くるみ割り人形:福田圭吾

スペイン:西川貴子 マイレン・トレウバエフ

アラビア:寺田亜沙子 輪島拓也

中国:長田佳世 吉本泰久

トレパック:八幡顕光 福田圭吾 奥村康祐

葦の精:寺島まゆみ 米沢 唯 細田千晶

花のワルツ:
堀口 純 丸尾孝子 川口 藍 小村美沙
菅野英男 古川和則 貝川鐵夫 江本 拓

本島さんの金平糖は、
眩いばかりのオーラで場を圧倒していた。
貫禄もあり、まさにおとぎの国の女王に似つかわしい華やかさである。
近寄り難いほどの輝きがあると同時にクララに対する接し方はとても優しく、
魅惑的な女王を好演していた。
今シーズンよりプリンシパルに昇格したが、
その地位に相応しい舞台姿であった。

福岡さんは男気のある凛々しく清々しい王子、
クララを力強くリードしながら支える頼もしさがあった。
確かな技術で跳躍は高く、回転は軸がぶれず美しさがあり惚れ惚れする。
終始しっかりとした踊りを堪能させてくれた。
また昨年12月のシンデレラの王子、
今年10月のガラでの眠れる森の美女のデジレ王子以上に気品を湛え、
2幕の深紅色をしたベルベット衣装にも負けない
ノーブルな魅力を醸し出していた。

今後はこうもりのヨハンやアンナ・カレーニナのカレーニン、
白鳥の湖のジークフリート王子、マノンのデ・グリューまで
個性豊かな主役が待っているが、
どのように役を作り上げていくのか益々楽しみである。

さいとうさんのクララは可憐で気立ての良い少女であった。
安定感抜群の踊りでパーティーの場面では
研修生を中心とした子供役のダンサー達を引っ張り、
ベテランの本領を発揮していた。

また、細やかな感情表現も秀逸であったことも挙げておきたい。
特に、王子に出会ったときの戸惑いから
徐々に心を開いてときめきに変わっていく過程が全身から伝わり、
クララと共に夢の世界へと入っていくような気持ちにさせてくれた。

アラジンのときも感じたが、
さいとうさんと福岡さんが組むと微笑ましい雰囲気が生まれ、
ほんわかとした気分になる。
お淑やかで控えめなクララと、強くて逞しい勢いのある王子で
今回もたいそうお似合いであった。

今後もこのペアでの舞台を観る機会に恵まれることを祈りたい。
八幡さんのフリッツは悪戯が大好きでいくら怒られてもめげない
楽しい男の子であった。
おもちゃで遊ぶ姿も、子供役のダンサーと
はしゃぎ回っていても全く違和感が無く、
いくつになってもこの役を踊ってほしいところである。
全日トレパックを踊るため
フリッツを踊る4日間は2幕から国籍がロシア人に変わるのだが、
その変貌ぶりも見事で連日パワフルに魅了している。

ハレーキンの奥村さんは
生来の美しい顔が際立ち、優美でどこか切なさの漂う人形で
柔らか且つ切れ味鋭い踊りがとても良かった。

トロルの福田さんはゴム鞠のような強靭なバネで
縦横無尽に駆け巡っていた。
ハリネズミのような大きなつんつん頭の飾りで
踊りにくいと思うのだが、
そのようなことは一切感じさせず、端正でユーモラスな踊りに自然と吸い寄せられた。

葦の精には、18日(日)に金平糖を踊った米沢さんが登場、
回転が速く自信に満ちていて、
中心を務めていることに納得である。

23日からはいよいよ4組目、川村真樹さんと芳賀望さんペアが登場する。
クララは井倉真未さんで、3人とも2009年の初演時と同じ組み合わせである。
今回はどのような舞台を作り上げるのか、心待ちにしたい。

 



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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
メリークリスマス (バレエファン)
2011-12-25 22:21:27
Nさん クリスマスにぴったりのくるみ割り人形の素敵なバレエのお話ありがとうございました。
管理人さんいつもありがとうございます。

このところ記事が少なくて残念に思っていました。

楽しみにしていますので是非宜しくお願いします。
返信する
本当に本当に (aruyaranaiyara)
2011-12-26 10:49:04
今回は、残念ながら、初日しか観に行けず、Nさんのリポートも、ちら見するくらいしか時間がなく、ずーーーーーっと、気になってました。

今日は久しぶりにゆっくり読めて、全体の様子が良く分り、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

それぞれの王子様と金平糖の持ち味の違いが、よく表現されていて、興味深く思いました。

それと、小村美沙さんと言う、素晴らしいダンサーがいらっしゃると聴き、是非、次の演目では目を皿のようにしてチェックしてみたいと思いました。

Nさんがおっしゃるくらいですから、素晴らしいダンサーだと確信してます。

本当に本当に、Nさん、ありがとうございました!!
返信する
このたびもありがとうございます (N)
2011-12-26 23:32:07
バレエファン様

このたびもお立ち寄りいただき、
あたたかなコメントもありがとうございます。
心から感激いたしました。

クリスマスの定番演目で
何度も鑑賞している作品ですが、
キャストによって全く異なる味わいになり、
チャイコフスキーの音楽、
そして古典バレエの力を感じた次第です。

もう1キャスト分をまた寄稿いたしますので、
是非お読みいただければ幸いです。
返信する
パゴダに引き続きありがとうございます! ()
2011-12-26 23:48:37
aruyaranaiyara様

パゴダに引き続き今回もコメントお寄せいただき
誠にありがとうございます。
一言一言がとても励みになりました。

初日にいらしていたのですね。
ビントレー監督体制になって
初のチャイコフスキー三大バレエ
全幕上演でしたので、
どこか新鮮な空気が
劇場全体に漂っていたように思いました。

金平糖は出番が少ない上
派手な超絶技巧も無く、
どこまでも様式美を追求したシンプルな振付ですが、
ダンサーによってそれぞれの個性、味わいが表れ
クラシックの奥深さを改めて感じました。

ええ是非、小村美沙さんにご注目ください!
こうもりの配役が今から楽しみです。
返信する
ありがとうございます (管理人)
2011-12-28 02:23:46
バレエファンさん、aruyaranaiyaraさん
コメント誠にありがとうございます。

Nさん
早速ご返事ありがとうございます。これもNさんの寄稿のお蔭です。23日以降もご覧になったのでしょうか?
寄稿宜しくお願いします。
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