5月24日のライモンダの記事を寄稿頂いた方から25日の分も寄稿頂きました。
5月25日 ライモンダ
ライモンダ:アンナ・アントニーチェワ
ジャン:アンドレイ・ウヴァーロフ
アブデラフマン:ユーリー・クレフツォフ
本日の主役アンドレイ・ウヴァーロフの、昨年の怪我から復帰後初めて私が見る全幕舞台となりました。また、ウヴァーロフのこの役はガラでは見たことがありましたが全幕では初めて。ボリショイの中では最も好きなダンサーのうちの一人なので、今回ツィスカリーゼと連日で同じ役を見れることはこの上なく幸せでした。
幕が上がる前は、「ライモンダ」ならザハーロワとの組で見たいと、アントニーチェワにさほど期待はしていませんでした、正直・・・ ところが、今回の短いモスクワ滞在での一番の収穫は、実はアントニーチェワの素晴らしさを知ることが出来た事でした。それまで、彼女は「スパルタカス」のフリーギア役で何度も見ていましたが、ライモンダのようにチュチュを着て踊るという役がどうもピンと来なかったのです。幕が上がってみて先ずその明るく愛らしい雰囲気に眼が釘付けになりました。舞台の雰囲気も瞬時に変わりました。年齢的にも中堅ダンサーで比較的地味な彼女に、このような「愛らしい」という形容詞を用いる事になるとは・・・思ってもいなかったのです。
彼女の素晴らしいのは雰囲気だけではありませんでした。その技術の正確さ、決して誇張はしないけれども決めるところは決める、軸が全くぶれることもない腹筋力。それでいて、アスレティックにならず、一つ一つのムーブメントが上品で美しく、表現力に富んでいるのです。バレエのお手本を見ているようでした。その落ち着きと、完全なまでに音楽を理解している踊りは、経験の賜物なのでしょう。 長身ノーブル系ダンサーのウヴァーロフが、更にエレガントな雰囲気をかもし出し、2人の息やオーケストラとのタイミングも抜群で(この日はかなりお年の指揮者でした)、酔いしれてしまいました。
前日に見たレポでも書きましたが、1幕目から見所の多い「ライモンダ」という演目は、主役のダンサーにとっては非常にハードワークです。それを2人は非常に音楽性のある身体表現作り上げてゆくので、どんどん引き込まれました。
ウヴァーロフは、コーダでも期待を裏切らない滞空力のジャンプや、切れの良い回転を見せてくれました。スピード、高さも、いつもながらドキドキして迫力に圧倒されます。ホーム・シアターとあってか、スペースの配分も心得ており、普段なら3回で対角線を後ろに進んでゆくジャンプでも、2回で完全に左奥角まで行き、残りの音楽はポーズでごまかすのかと思いきや、そこから45度切り替えて横(すなわち舞台奥中央)の方向に、同じポーズで同じ高さで飛んだのには驚きました。ともすると足を捻りかねない切り替えです。また、ハンガリアン舞踊のように片手を頭の後ろにするポーズは、ウヴァーロフの場合はかなりのメリハリをつけ、首筋も後ろに伸びるので、前日のツィスカリーゼよりもポーズが決まっているように見えました。
アントニーチェワは、踊りの正確さのみならず、2幕3幕では非常に奥深い表現力を見せてくれました。怒っても困っても眉を顰めるだけのダンサーもいますが、彼女の表現の多彩な事・・・! 素晴らしいです。
アブデラフマンは、ベテランのクレフツォフでしたが、前日のベロゴロフツェフほど特徴のある技を見せるわけではなく、ただ力強い踊りといったところでした。 かなり前のウヴァーロフの雑誌のインタビューで、「ライモンダ」について語ったものがあり、その中で彼が「ボリショイでは戦うシーンで鉄製の剣を使うので重く、火花が飛ぶ」と語っていたので、彼の気に入りのこの役がどのようなものか興味があったのですが、剣で戦うシーンでは確かに、火花がバンバン散っていました。もの凄い迫力です。剣先の熱まで伝わってくるようでした。
この日のウヴァーロフは、優しいだけの戦士ではなく、非常に男らしい戦士を作り上げており、ライモンダをアブデラクマンから守るぞといった意気込みが感じられました。前日のストーリーとは若干違ったのは、この日はアブデラクマンはライモンダに同情されることもなく、ただ単に彼女を脅かす存在としてジャンに負かされたと言うことでしょうか。
この日も若手バレリーナのクリサノワやコバヒーゼ他のバリエーションも優雅さを沿え、それぞれソリストも大きな拍手をもらっていました。 ボリショイの古典ここにありき!と、久しぶりに心に焼きつく舞台でした。あまりにも感動したのは、モスクワに来て感情が高まっているからかしらと思いましたが、その日のカーテンコールの多さをみても、満足したのが私だけではなかったことがわかりました。アントニーチェワは抱えきれないほどの花束をもらっていました。
動画も写真も寄稿頂きました。
カテコ動画
写真
バレエ団の資料としての録画なのか、いつか放映する予定なのか、カメラが入っていました。
ウヴァーロフさんは去年大怪我をされたのがまるで嘘のように、昔と変わらぬジャンを演じていました。
ガラ公演で彼だけが披露するグラン・パ・ド・ドゥのコーダのマネージュで1回ごとに角度を変えてのジュテ・アン・トゥールナンも、素晴らしかったです。
管理人様はご覧になれず残念でしたね。
レポと動画、借用されてまでのUP有難うございます。
以前こちらのブログで大変盛り上がったウヴァーロフさんの怪我復帰後初ライモンダ・・・もう半年も前のことですね。今回はそれ以来初めてのジャンであったのでしょうか。
アントニーチェワさんも、ウヴァーロフさんもキラキラ輝いておられますね。やはり、私のような世代には(?)、お二人のようなベテラン組みを拝見すると、妙に懐かしいとともにホッといたします。
モスクワに飛んでゆきたい・・・です。
叶様、テクニカルな部分の解説が参考になります。なるほど、ウヴァーロフさんの独特の技なのですね。
この演目、2008年日本公演に持ってきてもらいたかったですね・・・涙。
芸術家は皆一長一短で、それぞれ違う味わいがあります。比べて上下をつけるより、それぞれの良さを味わいたいと私は思うけど、世間的には、皆スターが好きみたいですね。それ以外にスポットライトがあたりにくくて。
私はアンナ・アントーニチェワを好きでも嫌いでもないですが、ウヴァーロフとアントニチェワというと、
「スタープリマ」たちよりも、ウヴァーロフ本来の持ち味である「舞台を見てうっとりする」度合いがずっとはっきり出て、複雑な思いをしました。
レポにある技。「ライモンダ」3幕で、近年ガラコンからウヴァーロフがやり出した技は、クペ・ジュテ・アント-ルナンっていうのかなとバレエ本見て思ったけど、未だに正確な技の呼称を知りません。
そっちも受けるけど、ライモンダ3幕のGPDDというと、片腕を頭につけたライモンダの定番ポーズのまま、ひゅーっと横に飛翔する難技(片脚を床と水平の位置にに伸ばし片脚まげたまま高く跳び、空中で横に移動するジャンプ)が目立ちます。
これはムハメドフはやってたけど、ヴァシュチェンコはできずに上に跳んでいて、あれを3回も跳ぶボリショイ版はかなり難しいのでしょう。
ウヴァーロフのHPの動画に、ムハメドフよりさらに難度をあげた驚異的な技をみせているのがあって、目が点になりました。
ジャンプして空中で横に移動するように跳ぶのは同じですが、更に曲げた方の脚を、ジャンプして宙に浮いたまま、膝下の部分を動かしていて。
ムハメドフより上のことをジャンプでやる人が出るとは思わなかった!ウヴァーロフの向上心とボリショイ鬼コーチ陣が恐かったです。
詳細記事、美しく撮られた表紙写真、ありがとうございました!
早速の色々なコメントありがとうございました。
25日の夜はコーラスのオケを交えてのゲネプロの為に見る事が出来なかったのですが素晴らしい舞台だったようですね。残念。
Thank you for your nice comment!
管理人様!
フランス人の次はロシアの方らしきコメントが!
タイトル英語に切り替えてさすがと思っていましたが。
どなたかきとくな方、ロシア語でお返事書いてくださりませんかね~。
雑誌のダンサーの写真を見たのですが、管理人様は写真を撮るのが上手だな~と思いました。雑誌のザハロワ他の写真より、こっちの方がずっと綺麗です。以前のブログの写真、特にザハロワ、ウヴァーロフ、どれもこれも美しい写真で、改めて見るとため気が出てしまいます。アントニチェワは11月6日の笑顔が、凄いですね。あんなに笑ってるのはじめて見ました。
Большое спасибо за то, чтобы посещать мой blog. Пожалуйста не стесняйтесь видеть все предыдущие статьи также. Наилучшие пожелания
ロシアの方の書き込みは初めてですね。
返事は自動翻訳を使って作ったのでいい加減ですが
通じると良いのですが。
For all non Japanese speaking readers, I made automatic translator rink today.
Please ref article today
Hope it helps you to understand this blog.
Enjoy.