ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

新国立劇場バレエ団 『カルミナ・ブラーナ』『ガラントゥリーズ』 5月1日(土)

2010年05月04日 | Weblog

Nさんから再び寄稿頂きました。

前回も鑑賞されたが、

スピード感があり、且つ壮大な面白い作品で何度も観たくなりますとのこと。

 

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新国立劇場バレエ団 『カルミナ・ブラーナ』『ガラントゥリーズ』

5月1日(土)

 

『カルミナ・ブラーナ』

運命の女神:ヴィクトリア・マール(バーミンガム・ロイヤルバレエ団)

神学生3:ロバート・バーカー(バーミンガム・ロイヤルバレエ団)

 

神学生1:グリゴリー・バリノフ

神学生2:八幡顕光

 

恋する女:さいとう美帆

ローストスワン:本島美和

 

ソプラノ:臼木あい

テノール:五郎部俊朗

バリトン:牧野正人

 

5年前に鑑賞し、大きな衝撃を受けた作品の待望の再演で、

大いに期待を寄せながら足を運んだ。

幕開けからダンス、音楽、合唱、装置全てに

圧倒されるばかりで、最後まで息つく暇も無く興奮がおさまらなかった。

 

まず、ヴィクトリア・マールさんのフォルトナが踊る、

空間を支配するような凄みのある冒頭のソロが素晴らしい。

場面が変わって神学生3と絡むところでは、音楽のゆったりとした調べに乗せて

しっとり踊ったりと、女神の様々な面を見せていた。

 

ロバート・バーカーさんの神学生3は

いかにも生真面目そうな神学生で、

性欲に溺れる姿が想像つかぬほどだった。

しかし徐々にのめり込んで終盤には完全に女神の支配下に置かれてしまい、

最後に裏切られたときの哀れな姿が印象深かった。

 

さいとうさんの恋する女は、外見は清楚で可愛らしい少女で、

バリノフさんの神学生1とほのぼのとした恋を見せていた。

しかしあっけなく他の男性に走ってしまうので

女の怖さを思い知らされたような思いになって面白かった。

お姫様や妖精の印象が強いが、

今回のようなクセのある役もなかなか新鮮であった。

 

神学生2の八幡さんは

まだ入団間もない前回の上演時、

降板したゲストの代役を急遽務めた。

それから5年経って主役をこなしてきたこともあり、

存在感が益々増してきたように感じさせた。

出始めから走りっぱなしで特にスタミナを消耗する役であると思うが、

最後まで力を落とさず踊りきっていて良かった。

 

群舞のダンサーも皆いきいきとしていて、

色鮮やかな大胆な衣装や振付も違和感が殆んどなかった。

次々と変わるフォーメーションも観ていて面白い。

 



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