Nさんからの寄稿の続きです。
厚木さんのガムザッティは可愛らしい中にも
ニキヤに対する嫉妬が細い肢体からじわじわと表れていた。
婚約式で、花籠を持って踊るニキヤを見つめる視線が怖く、
とことんソロルを追い詰めていた。
黄金の神像の福岡さんは
ぶれがなく、本当に神像が踊り出しているようでだった。
また由緒ある寺院に奉られていそうな美しさがあり、
思わず拝みたくなってしまった。
他に印象深かったのが、まず1幕の8人の舞姫達である。
それはそれはたおやかで美しく、
神聖な雰囲気が舞台全体に広がっていた。
澄んだ水色の衣装が全員似合っていて、目の保養になった。
ラジャーの宮殿で踊られるジャンペの踊りも忘れがたい。
溌剌と楽しそうな表情できびきびとした踊りが気持ち良かった。
ハーレムらしい雰囲気があり、
インドの豪族になった気分に浸ることができた。
そして32人の群舞が見物の影の王国は文句なしの出来栄えだった。
統制がとれていて尚且つ幻想的な空気を漂わせ、
新国立の誇る群舞の底力を感じさせた。
新国立のラ・バヤデールは舞台装置、衣装も豪華絢爛で
グランドバレエを観た、と満足させてくれる。
指揮者とオーケストラについても挙げておきたい。
指揮のアレクセイ・バクランからは
ダンサーとの呼吸を大事にしている様子が
バクラン氏、そしてダンサー(特に1曲終わっておじぎをするとき)
双方の表情から伝わり、信頼関係が窺えた。
また、ミンクス作曲のいかにもバレエ音楽らしい曲を
丁寧に奏でてくれるオーケストラは貴重であろう。
バクラン氏と東京交響楽団にも大きな拍手を送りたい。
明日は川村真樹さんの主演である。
白のチュチュがたいそう似合うダンサーの1人で、
ニキヤ役をずっと待ち望んでいただけあり、鑑賞が楽しみである
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます