ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

新国立劇場バレエ団2010/2011シーズン開幕公演ーシンフォニー・イン・Cー

2010年11月03日 | Weblog
Nさんの寄稿の続きです。

『シンフォニー・イン・C』
10月27日(水)
10月30日(土)
第1楽章 長田佳世 福岡雄大
第2楽章 小野絢子 冨川祐樹
第3楽章 酒井はな 芳賀 望
第4楽章 本島美和 マイレン・トレウバエフ
 
10月28日(土)
第1楽章 米沢 唯 菅野英男
第2楽章 川村真樹 貝川鐵夫
第3楽章 厚木三杏 輪島拓也
第4楽章 丸尾孝子 古川和則
 
クラシックの真髄ともいえるこの作品、
ダンサー達の高い技術を堪能できた。
また、新国立が誇る群舞の一糸乱れぬ踊りも
素晴らしかった。
フィナーレは次々と大勢のダンサーが舞台に揃い、
壮観であった。
 
特に印象深かったダンサーは
第1楽章の長田さんと福岡さんである。
2人のきびきびとして晴れやか、
どんなアレグロの動きでも丁寧にこなし、
そして安定感があった。
パートナーシップも良く、
次のシンデレラが楽しみになった。
 
酒井はなさんの煌くような存在感も忘れられない。
登場しただけで、照明が2倍3倍になったかのような
オーラがあった。

ただ、登録ダンサーになってクラシック作品を踊る機会が少なくなったのか
以前では考えられないような慌てふためく場面もあり、
改めてクラシックの難しさを感じさせた一幕であった。
 
第2楽章でコール・ドを務めたのは
背が高く、際立って手足が長いダンサーばかり。
2楽章での優雅なアダージオでのたおやかな美しさは勿論のこと、
第4楽章終盤でのアレグロのリズムにおいても
手足を持て余すことなく音楽にぴったり合わせて踊りこなしていたことには
感動を覚えた。
 
また、使用されているビゼーの交響曲もいたく気に入った。
以前から時々聴いてはいたものの、
同じバランシン作品でも
チャイコフスキーのテーマとヴァリエーションに比べて
流麗さや甘美さが感じられず、
今ひとつ心に届かなかった。
しかしながら今回バレエと一緒に鑑賞した後は
より格調高く美しい曲に感じ、
繰り返し聴くまでになってしまった。
バレエの影響力はやはり強いと感じさせた。


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