ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』2012年5月6日(日)

2012年05月09日 | Weblog

Nさんより日曜日の日本ペアの観劇記を寄稿頂きました。

福岡さんの復帰ステージ。

今週土曜にも更にいらっしゃるようですね。

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新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』2012年5月6日(日)

オデット/オディール:小野絢子
ジークフリート王子:福岡雄大
ロートバルト:厚地康雄

王妃:西川貴子
道化:福田圭吾
家庭教師:石井四郎

王子の友人(パ・ド・トロワ)
さいとう美帆 長田佳世 奥村康祐

小さい4羽の白鳥:さいとう美帆 長田佳世 寺田亜沙子 細田千晶

大きい4羽の白鳥:本島美和 厚木三杏 堀口純 丸尾孝子

花嫁候補:寺田亜沙子 堀口純 丸尾孝子 川口藍 小村美沙 細田千晶

スペイン:湯川麻美子 楠元郁子 マイレン・トレウバエフ 江本拓

ナポリ:大和雅美 井倉真未 八幡顕光

ルースカヤ:米沢唯

ハンガリー:長田佳世 古川和則

2羽の白鳥:厚木三杏 堀口純

大きい4羽の白鳥(第4幕):本島美和 楠元郁子 丸尾孝子 小村美沙

小野さんのオデットは水晶のような輝きを放ち、
神秘性と優しさを思わせるヒロインであった。
2年前のオデットデビューの頃より
滑らかで美しい踊りに更に磨きがかかり、
白鳥達のリーダーらしい生命力のあるオデットを好演していた。
オディールは、以前は小悪魔な可愛らしさが前に出ていたが、
今回は妖艶な魅力が増し、
主役として、力強く舞台を引っ張っていた。

大役を務めるにおいても
物怖じしない肝の据わりっぷりに天晴れである。
初役で怪我からの復帰初舞台を踏む王子役の福岡さんにとっても、
頼もしい存在だったことであろう。

福岡さんは登場シーンから華やかさがあり、
会場を祝宴らしい雰囲気で包み込んでいた。
ソロルやバジル、パゴダの王子では堂々たる貫禄があったが、
今回はどこか初々しさもあり、
オデットに心を尽くす純粋さが伝わって
あたたかく見守っていたくなる王子であった。

美しい跳躍も健在で、2月以来の舞台だったが
好調な復帰で嬉しいばかりである。

福田さんの道化は愛嬌たっぷりで可愛らしく、
軽やかな踊りで大いに和ませてくれた。
前回は山本さん、トレウバエフさんの王子と組んでいたため
可愛がられている弟のように見えて微笑ましさがあったが、
今回は王子の良き友人・理解者のようで、
同じ役でも組む相手によってがらりと雰囲気が変わるのは興味深い。

民族舞踊では、湯川さんと楠元さんによる
ベテランスペインの存在が特に光っていた。
登場しただけでもその場の空気を変え、
気持ち良くびしっと決める踊りに圧倒された。

また、ルースカヤの米沢さんも印象深い。
ゆったりと大きく、クリアな踊りに引き寄せられ心に響いた。
最終日のオデット/オディールが益々楽しみである。

2羽の白鳥の堀口さんも素敵であった。
伸びやかに音楽を目一杯使った凛とした踊りは
目に快く、いつかオデットを観てみたいを思わせた。

土曜日は川村真樹さん、貝川鐵夫さんペアが登場する。
前回の白鳥では当初主役以外での登板予定だった川村さんは、
ザハロワの降板により代役として急遽ウヴァーロフと組み、
見事主役を踊り切ったことは忘れられない。
今回はどんな舞台を作り上げるのか、今から待ち遠しいばかりである。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつも素晴らしい (バレエファン)
2012-05-11 09:46:27
管理人さん、Nさん
いつもNさんの素晴らしい観劇記をありがとうございます。
今回も中国ペアと日本ペアの対比を楽しく読ませて頂きました。
これからもNさんの観劇記を楽しみにしております。
返信する
ありがとうございます (N)
2012-05-12 11:18:01
バレエファンさん

Nです。
このたびもコメントいただきまことにありがとうございます。
楽しみにしてくださっていると拝読し、
改めて心より嬉しくなった次第です。
いつも励みになっております。

あと2キャスト鑑賞して参りますので
是非お立ち寄りくださいませ。
返信する
ありがとうございました (管理人)
2012-05-12 14:36:29
バレエファンさん
何時もコメントありがとうございます。

Nさん
今度共 寄稿宜しくお願いします。
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