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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.3.16 Newsモーニングサテライト

2017年03月16日 17時08分14秒 | MS
■マーケット

NY株 3指数揃って上昇
FRB=連邦準備制度理事会は年内の利上げ見通しは3回を維持しました。また雇用と物価が目標に近づいているとして、政策金利を引き上げました。声明文では設備投資が幾分改善していることも示されました。利上げペースの加速を警戒していた市場には安心感が広がり、声明文発表後、株価は上昇しました。株価の終値確認します揃って上昇。ダウは3日ぶり反発112ドル高、2万950ドルナスダックは反発43ポイント上昇、5,900。S&P500は反発19ポイントプラスの2,385でした。

金利です。年内に加えて2018年の利上げペースも据え置かれたことで、FRBが緩やかな利上げを見通している事がわかり、金利は急落しました。

為替を確認します。イエレン議長が会見で経済の見通しについてはほとんど変更していないと発言した事を受けてドル安円高がさらに進みました。


【アメリカの専門家インタビュー】
今回のアメリカの利上げについて、アメリカの専門家は、「情勢分析に大きな変化はなかった」と指摘し、「次の利上げは9月」と予想します。

《バークレイズ・キャピタル/マイケル・ゲイペン氏》
「声明文では設備投資とインフレ率の表現を上方修正したが、それ以外は大きな変化はなかった。ただ市場の期待から見ると、やや慎重だったと言える。エネルギー価格の下支えでインフレ率が上昇しているが、4月以降は落ち着くだろう。そのためインフレ率は年半ば以降、今と変わらない水準となると見ている。だからFRBは次の利上げは多少、慎重になるかもしれない。7-9月期にはコアインフレ率上昇が期待されるので、次の利上げは9月と見ている。」

一方、注目されていたバランスシートの縮小について、ゲイペン氏は「6月の会合で方針についての言及があるのでは」と予想します。

「イエレン議長はバランスシートの議論はしたが、結論には達しなかったと言った。6月会合では何らかの方針が示されるだろう。FOMCが考えるいくつかの選択肢が書面で提示される可能性がある。」

【NY証券取引所中継】FOMCを読み解く
解説は大和証券CMアメリカの森本裕貴氏

--FOMCの結果はどう見ましたか。

かなりハト派的、つまり慎重な姿勢を崩していない内容でした。今回のFOMCに関して、市場が注目していたのは3点で、1つ目は今年の利上げ回数の予想です。一部では年内4回の利上げを見込む声が増えていましたが、3回という見方が据え置かれました。バランスシートの縮小についての議論の有無が2点目ですが、これも議論はあったことは認めたものの、具体的な決定は無いということでした。

--そして3つ目は何ですか。

はい、「なぜ利上げをするのか、12月から何が変わったのか」、という部分です。これに関しては「物価上昇率が目標の2%に近づいた」ことが声明文で繰り返されていました。しかしイエレン議長も以前、高圧経済に言及するなど、「多少のインフレには目をつむる」と示唆してきただけに、新たなヒントとはなりませんでした。

--ということは今後を見通すうえでのヒントはあったんでしょうか。

はい、イエレン議長の記者会見にも目新しい内容はなかったと感じました。しかし株価が大幅高となったことは、素直にポジティブです。株式市場が現状の利上げペースを心地よく感じていることが確認できたことは、大きな収穫の1つと考えています。
 

【NY証券取引所中継】ダウ銘柄入れ替えに注目
解説は大和証券CMアメリカの森本裕貴氏

--イベントをひとまず好感でしたね。

はい、FOMC後に長期金利が低下したことで、高配当株やエネルギ0株が買われ、相場を押し上げました。

--今日は今月の中でも、特にイベントが多いんですが、森本さんはちょっと違った目線で注目しているイベントがあるそうですね。

はい、今月中にニューヨークダウの銘柄入れ替えの可能性があるのでは、と考えています。実は先週、S&Pダウジョーンズ社がS&P500の構成銘柄の時価総額基準の引き上げを発表しました。株価水準を維持する目的で、指数の採用基準を厳しくした形で、ダウも株価のさらなる上昇を狙って、入れ替えを検討しても不思議はありません。実際、2年前のこの時期、アップルがAT&Tの代わりに採用されました。

--今回はどんな銘柄が候補になっているんでしょうか。

よく名前が挙がるのが、バークシャーハサウェイとウェルズファーゴです。しかしバークシャーはダウ構成銘柄のアメックスやIBMなどの筆頭株主で、彼らの株価変動の影響を受けることを考えると適切ではなさそうです。またウェルズファーゴは不正口座開設の不祥事がくすぶっています。ダウの採用基準には、素晴らしい名声を得ていること、という基準があり、現時点では難しかもしれません。

--なるほど、ということは現実的にはどの辺りなんでしょうか。

はい、2つの理由からフェイスブックが最有力だと思います。1つは、「同社の高い成長期待から、指数を一段と押し上げると期待できること」、もう1つは、「現在の株価レベル」です。ダウは株価の単純平均型の指数なので、株価が高い銘柄は指数に与える影響があまりにも大きくなり過ぎてしまいます。フェイスブックの現在の株価は、ダウの中で7番手程度であり問題のない水準です。ダウはS&P500に比べ、指数連動型の運用は少ないものの、フェイスブックが組み入れられれば、指数にとっても、同社にとっても大きな注目を集めることが期待されます。
 

【為替見通し】注目ポイントは「日銀金融政策決定会合」
解説はみずほ証券の鈴木健吾氏

--まずFOMCでの反応はドル安でしたね。

そうですね。FMOCは利上げを実施した一方で、今年から来年にかけての利上げ回数の予想値に変化はなく、利上げペース加速といった一部の期待を裏切るものとなりました。これを受けて米金利の低下とともに、ドルは全面安となり、ドル円は113円台前半まで下落しています。またオランダ総選挙の出口調査が、反EUを掲げる自由党が第一党にならないとの結果を受けて、ユーロが買われてる動きとなっています。

--今日の予想レンジは、113.00~114.00円、今日は「日銀金融政策決定会合」もありますね。

はい、金融政策は現状維持がコンセンサスですが、先週、ドラギECB総裁のコメントがタカ派的と評価され、先ほどFRBが利上げに踏み切った中で、黒田総裁が緩和姿勢の継続を強く示せば、分かりやすい円売り材料となりそうです。

--このあとも為替市場が注目する材料が目白押しですよね。

そうですね。アメリカの予算方針やG20などが週内にも控えておりますが、これらを消化していく中で、今回の利上げを織り込む前の水準、2月末の1ドル113円近辺まで下落すれば、ドル円の下げも一巡し、その後、目先は113円~115円といった水準での揉み合いになると見ています。

【日本株見通し】注目ポイントは「アク抜けかリスク回避か」
解説はニッセイ基礎研究所の井出真吾氏

--今日の予想レンジは、19300~19650円です。

FOMCが年内の利上げ予想3回を維持したことと、バランスシートの縮小に関して進展がなかったことを受けてアメリカ株は上昇しました。一方、為替相場は円高で反応しましたので、これが重しとなって日経平均は続落して始まりそうです。日中はオランダ選挙速報などが材料になりそうですけども、今のところ出口調査をみると安心感のほうがちょっと強い。

--注目ポイントは「アク抜けかリスク回避か」です。

(フリップ1:市場は先行きに強気?)
年明け以降、日経平均株価は19000円を挟んだ展開が続いて、じりじりと煮詰まってきています。そろそろ動きそうなんですけども、徐々に下値を切り上げていることから、市場が先行きに強気な様子が見えます。オランダの議会選挙、アメリカの予算方針、それからG20などのイベントを波乱なく通過すれば、アク抜け感から来週にも20000円を目指す展開が予想されます。

--そうですか、ただそうは言っても、リスク回避というものもあるんですね。これは何を意識してのことですか。

(フリップ2:米予算方針で共和党の分裂も)
今夜トランプ政権が議会に提出する予算方針のことを意識しています。大型減税などの景気刺激策は盛り込まれない一方、国防費を増やすために、環境保全とか、障害を持つ子供への補助など、国民の人気が高い政策の予算を減らす見通しなんですね。予算方針を受けて、共和党議会が賛成派・反対派に分断されるようだと、先行きへの不安感から、リスク回避に傾いて、19000円割れとなる可能性もあると思っています。
 

■【特集】FOMCを読み解く
アメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)は3ヵ月ぶりの利上げを決めました。焦点だった今年の利上げ見通(ドットチャート)をみると、今回含めて今年は年3回の利上げが行われる見通しです。次回の利上げはいつになるのか、三菱東京UFJ銀行の鈴木敏之さんに解説してもらいます。
 
--FOMCでは3ヶ月ぶりの利上げを決定しましたが、マーケットは・・・。

(森田キャスター) 「緩やかな利上げのペースになるということで、ハト派的な見方が多いということですね。」

--ただ、FEDウォッチャーの鈴木さんは少し見立てが違います。内容としては、タカ派的だったと・・・。

(フリップ1:かなりタカ派)
・ 声明文の変更:
 ① 設備投資
 ② 利上げの進め方
 

「もともと私がそんなに利上げがないと思っていたから、そう感じているのかもしれませんけど、結構熱心に利上げしそうな姿勢が・・・。この前の2月のFOMCからそうなんですけど、ハッキリしてきていると思います。」

--声明文からそれが読み取れるということで、どこが変わったのかを見ていきます。まず変更した部分は、「設備投資の評価」。

「そうですね。設備投資の書き方が、前回は『ソフト』という言い方で、ハッキリと自信がなかったわけです。今回は『固まった』という言い方にしてきておりますので、これはGDPの数字でも触れたところなんですけれども、『景気に対して自信を持っています』ということが、まずそこで伝わっていますね。」

--それから「利上げの進め方」について、書いてありましたか?。

「そうなんですね。『グラジュアル』という言い方で、『徐々に上げていきます』といいうのが、前回はその前に『オンリー』って付けていたんですよ。今回はそれを取っているんですね。記者会見でも、『そんなに大きな変化と見ないでくれ』、とイエレン議長は言っているんですけれども、そんな無視できるような言い方ではないと思います。1つの解釈なんですけれども、『グラジュアル』というのが、『会合2回に1回、0.25上げる』というふうに解釈しますと、今までは、『それだけしかやりませんよ』、と言っていたのが、『この先はもうちょっと広めに考えていますよ』、と言いうことになると思います。これはさっきのドット・チャートでも同じなんですけれども、やっぱり全体で少し利上げの方向に、より強めに言い出しているなというふうに見るべきかなと思います。」

--すごいですね。オンリーという一言だけが取れたというところで、見てとれるということなんですね。では、GDPの見通しも今回出ていますけれども、ただそれを見ますと、鈴木さん、それほど強いものと・・・。

(フリップ2:アメリカの成長率見通し、注目は2018年)
「これから先ちょっとタカ派に振れる可能性があるということで、見ていただきたいんですけれども、2018年の数字です。前回12月は2.0と言っていて、今回は2.1と数字を上方に改定しているわけです。これは財政がきちんと出てくる、あるいは規制緩和でアメリカ経済がどんどん成長していくというふうに、トランプ政権のやることを前向きに捉えるんだったら、もっと強い数字にしないといけないんですね。ここのところがやや非常に牽制になっていて、『今の状態だったら、こんな利上げで済むし、利上げからの景気後退はありませんよ』というメッセージを送っているんです。もしそこで無理に景気を押し上げるような政策をやれば、私たちはもっと利上げをしないといけませんよ、というシグナルを送っているんですね。そう思います。」

--だとすると、私たちの関心は次の利上げはいつかというところになってしまうんですけれども、鈴木さんは、次はもう、すぐに6月というふうに見ていらっしゃいますか。

「そうですね。今回のドット・チャートを見ていただくと、ほとんどの人が年3回やらないといけなということであります。6月にやらないと、9月と12月に2回やらなきゃいけないというような形で、結構動きが制約されてしまいます。ということで、私は6月のほうが可能性ありかなと思います。」

--理由としては、3つ見ていらっしゃるわけですね。

(フリップ3:次回利上げ6月と見る理由)
・ 債務上限の復活
・ 経済指標がピークアウト
・ 人事問題

「大きなのが予算の審議なんですね。これは債務の上限の問題も関わるんですけれども、9月までおそらくズレ込むと思うんですね。その最中に利上げするというのはちょっと難しいのかなというふうに思いますね。」

--それから経済指標がピークアウトということで、これはいつも鈴木さんが見ていらっしゃるISM製造業景気指数です。

(フリップ4:米景気はピークアウトか)
「これは非製造業も書いているんですけど、製造業の数字で見ていただきますと、60というのがピークであることが多いわけです。今は57.7ですからもう60まであまり時間がありません。60に達してしまったら、その先の利上げというのが、必要なんだけど、やりづらくなる。これは60に達したらすぐに不況になるんだったら、利上げなんか必要ないんですけども、結構アメリカ経済はしっかりしていますから、この後のことを考えておかないといけないかなと思いますね。」

--そして人事問題、FRBのメンバーですね。

「そうですね。とにかく今の経済状態だったら、今年0.75、皆さんの言い方だと3回やらないといけないという判断です。FRBの理事のいま空席が、タルーロさんが辞めますので、3つあるんですね。議長・副議長の任期も来ますので、大幅刷新されてしまいますと、その時にしっかり利上げをできるという形にしておかないと、その先、非常に難しくなるということで、6月というのはそういった観点から可能性を強く見ておくべきだと思います。」

--そうした中、もう1つ、やはり気になるのがバランスシートの問題ですが、今回、議論はあったけれども、結論は出ずという話でしたね。バランスシートはここまで今膨らんでいて維持している状態ですね。

(フリップ5:バランスシート縮小はいつ始まる)
「そうです。ここもちょっと専門的すぎるかもしれませんけども、去年のジャクソンホールの時には、これを緩和の手段として位置付けていたんですね。今回の記者会見では、いわゆる異常事態でないならば、この方策は使わなくていいというようなことを言い出していて、検討していたというよりはもう縮小のほうを考えてますよと・・・。ただ、いつやるか、どうやるか、については今は何も決めていませんと・・・。議長はもう1つ言っていて、やるときには皆さんが分かるように、プレデクターになるように説明をして始めます、いうことを言っています。これはもう『やる』、『やらない』は、『やる』が前提のような話ですね。」

--そしてここ(このグラフ)には株価とチャートが乗っかっていますが、S&P500が連動しているんですね、バランスシートと・・・。

「だからアメリカがリーマンショックの時から短い時間で立ち直ったのは、やっぱりこのQE(量的緩和)が効いたというのが、如実に表れている。日本の先生方には、そうじゃないという方がいらっしゃいますけど、明らかにこれであって、これを維持しなくてもアメリカ経済が大丈夫なのかどうなのかというのを、これから見極めていって、皆さんが議論していく世界だと思います。」


■オランダ総選挙 最新情報
ヨーロッパの今後の移民政策や極右勢力の行方を占うオランダ総選挙の投票が15日行われ、先ほど投票が締め切られました。最新情報を現地から中継です。

05:51  《中継:オランダ・ハーグ;豊島晋作記者》
オランダのテレビ局「NOS」などの出口調査によると、EU離脱・反イスラムを掲げる野党「自由党」は得票数を伸ばせず、下院の議席数150議席のうち19議席前後の獲得に留まる見通しです。ヨーロッパに広がっていた反EU勢力の勢いはひとまず食い止められた格好です。

《出口調査(NOS調べ)》
自由民主党(ルッテ首相率いる政権与党)31議席
自由党(野党)19議席(予想の25議席には届かず)

自由民主党が第1党となる見通し。今回の選挙では、イギリスがEU離脱を決める中、オランダでも反EU政党が躍進するかが最大の焦点でした。選挙期間中、ウィルダース党首率いる自由党は支持率では与党の自由民主党とほぼ互角の戦いを見せていましたが、結局は国民の幅広い支持を得ることはなかったようです。

投票率は80%超の高い水準で、オランダ国民は反EUの動きに今回NOを突き付ける形となる見通しです。ただ、来月から始まるフランス大統領選挙の投票では、同じく反EUを掲げる野党「国民戦線」のルペン党首がなお強い勢いを保っています。このため、反EU、反グローバル化の流れが止まるかはまだ予断を許さないと言えそうです。以上、オランダのハーグから中継でお伝えしました。
 

■日経朝特急

賃上げ・働き方、両方探る
ことしの春季労使交渉は、きのう主要企業がベアや一時金を労働組合に回答し、好業績を背景に4年連続のベア実施となった。しかし日本経済新聞社実施の緊急アンケートでは、去年よりベアが縮小した企業は約6割にのぼり、ゼロ回答の企業も増えた。人手不足への対応も迫られる労働市場の変化に、春季労使交渉のあり方も変わってきた。
 

仮想通貨技術、地銀にも
全国銀行協会は、複数の銀行が連携して仮想通貨技術を使った新たな金融サービスを生み出す環境を整備する。来年度中に大手銀行や地銀などが共同で実証実験できる場を設け、金融庁や日銀からも法制度などの観点から助言を受けられるようにする。金融とITを融合したフィンテックの活用が加速する中、送金などの分野で安く利便性の高いサービスの実現を目指す。
 

ドラッグ店、百貨店超え
ドラッグストアの売上高が、百貨店を上回る見通しだ。業界団体によると金額ベースで2015年度比5.9%伸びて、6兆4916億円になる見込みに対し、去年の全国百貨店売上高は5兆9780億円にとどまった。新たな事業の柱として拡充している調剤事業が押し上げ、インバウンド需要の取り込みでも明暗が分かれた。
 

■今日の予定

日銀黒田総裁会見
安倍総理とティラーソン米国務長官会談
英中銀金融政策委員会結果発表
米予算方針を公表
米2月住宅着工件数

■ニュース

米FRB 3ヵ月ぶり0.25%利上げ
アメリカの金融政策を決めるFOMC=連邦公開市場委員会は15日、主要政策金利を去年12月以来3ヵ月ぶりに0.25%引き上げることを決めました。
《FRB/イエレン議長》
「緩和策の縮小を先送りしすぎると、将来的に急激な利上げを余儀なくされる。急激な利上げは金融市場の混乱だけでなく、景気後退に陥る危険性もある。景気の回復基調は続くとみているので、緩やかな利上げは続けられるだろう。」
これにより銀行が資金を貸し借りする際に適用される短期金利の指標=フェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標は、年0.75~1%となります。今回の声明では特に、物価が目標の2%に近づいていることが強調されました。なお今回の追加利上げに対し、ミネアポリス連銀・カシュカリ総裁だけが現状維持を主張し利上げに反対しました。四半期ごとに公表される利上げ見通しは、前回と変わらず「年内3回」のままで、「来年も3回」に据え置きました。また現在4兆ドルを超えるFRBの保有資産=バランスシートの縮小について、イエレン議長は「話し合いを始めたばかり」と説明しました。
 
 
米ヤフー情報流出 ロシアスパイなど4人を起訴
アメリカの検索大手ヤフーから2014年におよそ5億人分の個人情報が盗まれた事件で司法省は15日、ロシアの情報機関のメンバーやロシアに雇われたハッカーなど合わせて4人を起訴したと発表しました。サイバー犯罪をめぐってアメリカの司法当局がロシア政府の関係者を起訴するのは初めてです。司法省は「当局者が持つ外交や軍事に関する情報を狙ったものだ」と指摘しました。
 
 
米デトロイト訪問 トランプ氏 燃費規制を見直しへ
アメリカのトランプ大統領は「規制の見直しが工場と雇用を守ることを保証する」と述べました。トランプ大統領は15日、自動車の製造が盛んなミシガン州デトロイトを訪れ、オバマ政権時代に強化された自動車の燃費規制を見直す方針を表明しました。一方で、自動車メーカーの経営トップなどとの会合で、北米トヨタのレンツCEOに対し「工場を作るならこの地に作るべきだ」と注文をつけました。
 
 
米消費者物価↑0.1% 予想上回る
アメリカの2月の消費者物価指数は、市場予想を上回り、前の月から0.1%、上昇しました。項目別では食料品が上昇したものの、ガソリン価格の低下を受け、エネルギーが1%低下しました。エネルギーと食料品を除いたコア指数は0.2%の上昇でした。
項目別:食料品↑0.2%、エネルギー↓1%、コア指数↑0.2%。
 

米小売売上高↑0.1% 予想と一致
アメリカの2月の小売売上高は、前の月から0.1%上昇し、市場予想と一致しました。ただ、上方修正された前月から伸びは鈍化しました。内訳を見てみると自動車が2ヵ月連続で減少したほか、ガソリンスタンドがマイナスでした。
内訳:自動車↓0.2%、ガソリン↓0.6%。
税金の払い戻しが例年より遅れているため2月は消費者が慎重になっていたという見方も出ています。
 

中国・全人代閉幕 李首相 トランプ政権をけん制
中国の今年の方針を決める全人代=全国人民代表大会の閉幕会見できのう、李克強首相が通商政策で中国に強硬な姿勢を見せるアメリカのトランプ政権を強くけん制しました。(中国・李首相)「我々は貿易戦争を望まない双方が損をする」李克強首相はこのように述べ、為替政策や貿易で中国に圧力をかけるトランプ政権をけん制しました。李首相はまた今年の目標として掲げるGDP6.5%前後の成長の達成について「簡単ではない」との認識を示しました。さらに「中国国内の金融部門に無視できないリスクがある」と分析したうえで「世界の政治経済に不確定な要素がとても多い」と、海外情勢が中国経済に与える影響について懸念を示しました。
 
 
ティラーソン米国務長官来日 北朝鮮への対応協議へ
アメリカのティラーソン国務長官が昨夜、就任後初めて来日しました。午後に開かれる岸田外務大臣との会談で北朝鮮の核やミサイル開発問題への対応について協議します。ティラーソン長官は19日までの日程で、日本、韓国、中国の3ヵ国を訪れる予定です。トランプ政権では、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射などを受け、北朝鮮への武力行使を視野に入れた政策を検討していて、今回の来日で、緊密に日米の北朝鮮政策をすり合わせる狙いがあります。会談では、来月中旬を予定している「日米経済対話」に向けた調整も行われます。
 
 
東芝 監理銘柄に 内部管理体制確認書を提出
東芝はきのう、東京証券取引所に内部管理体制確認書を提出しました。東芝は、2015年の不正会計問題で「特設注意市場銘柄」に指定されており、確認書の再提出を求められていましたが、きのう付けで上場廃止の恐れがある監理銘柄にも指定されました。東証が数ヵ月かけて審査し、改善が不十分と判断した場合、東芝は上場廃止となります。これを受け、東芝の株価は大幅に下落、下落幅一時、およそ14%まで達しました。
 
 
サントリー食品インターナショナル 脱・缶コーヒー「ボス」発売
サントリー食品インターナショナルは、缶コーヒーのロングセラーブランド「ボス」から新たなシリーズ「クラフトボス」を来月発売すると発表しました。新シリーズは、缶コーヒーでなく、初めてペットボトルを採用し、時間をかけて少しずつ飲むことを想定しています。働き方の変化やコーヒーの楽しみ方の多様化に合わせたということです。
 
 

楽天エアマップ ドローン管理システム提供へ
楽天はきのう、ドローンを安全に運用するための管理サービスを今年半ばまでに始めると発表しました。楽天は世界各国でドローンが飛行する空域の管理システムを提供しているアメリカのエアマップ社と「楽天エアマップ」を設立しました。ドローンの活用が期待される中、楽天エアマップでは、複数のドローンの飛行状況の確認や、飛行可能ルートの作成などのシステムを提供します。
 
 
東北6行+日本政策投資銀行 観光分野で企業など支援
七十七銀行など、東北6県の地方銀行6行と日本政策投資銀行が、インバウンド誘致など観光分野で連携し、企業や事業を支援すると発表しました。7行が協力して、東北の観光資源の発掘や観光業への投融資を行っていくということです。観光客は、1カ所にとどまらず、周辺を「周遊」することから、観光業の活性化には、広い地域での連携が不可欠だと判断しました。
 

■【コメンテーター】三菱東京UFJ銀行/鈴木敏之氏

・米国FRB、3ヵ月ぶり利上げ

--FOMCでは3ヵ月ぶりの利上げを決定しました。マーケットは株高、ドル安で反応ということで、ハト派として受け止めているようですけれども、鈴木さんはどうでしょうか。

「私は結構びっくりするぐらいタカ派的という感触を持っています。市場で債券が買われたというのは、利上げの回数が減ったのか、それともイールドカーブが先行きフラットニング、引き締めの効果と見ているのか、そこのところは議論があると思いますけど、ちょっと例のドット・チャートを見てみますと、やっぱり少しタカ派なんですよ。」

《ドットチャート:中央値(前回見通し)》
2017年末 1.375(1.375)
2018年末 2.215(2.215)
2019年末 3.000(2.875)
長期     3.000(3.000)

「というのは、今回、2017年の中央値1.375%ということは、3回は変わらないということをFEDは言っていると思います。ところがこの中央値の点(ドット)の数が、今回大きく増えているんです。前回はこの中央値より下に6人いたんですが、今回は3人になっています。タルーロ理事が投票に入っているので、普通は理事を辞める前はFOMCに出ないはずなんですが、今回出ているようです。彼が入れているとすると、たぶん彼はハト派なので次回は減る可能性があります。それから3人いた中のうち、上に移った人に、ひょっとして執行部(イエレン議長を含めて)がいると、今まで3回やるかどうか分からなかったのが、3回はやりますよ、という形に変わったので、結構自信があって、だからたった3ヵ月しか間をあけずに利上げをしました、ということかなと思います。」
 

・ 「オランダの総選挙、反EUの動き」について

--オランダの総選挙の出口調査の最新情報を現地から伝えてもらいましたけれども、反EUの動きというのは止められそうかなという印象ですか。

「いや、これもあまのじゃくで申し訳ないんですけれども、そういう分析になるかどうか分かりませんけれども、いわゆる今の与党のほうが少しそういった動きを排除するような政策を組み替えた結果としてこういうふうになっていたとしますね。そうしますとEUの単一市場を守る根幹なんですけども、人の移動の自由ということに対して、やっぱり疑問を持ちつつというか、そういう今の情勢、難民の人とか、いろんな人が入ってくることへの不満に対して、いわゆるEUのまとめ役の人達がきちんとした青写真を描けるかどうか、ということでは、問題はやっぱり残ったままだと思いますね。」
 

・きょうの経済視点 「名パイロット」

「今日のイエレン議長の会見の最後のほうなんですけれども、『この利上げについて一番発したいメッセージは何ですか』という質問があったんです。イエレン議長がその質問に答えて、『よくその質問をしてくれた、ありがとう』とまず言ってから、アメリカ経済が非常にうまく回っているということを強調したんです。FEDというのは、アメリカという飛行機を操縦しているパイロットに例えるというのが言われているんですけれども、去年はもっと4回利上げするというようなことが言っていて、実際は1回しかやっていないわけですね。そういう操縦を上手くやって、ほぼ完璧に完全雇用にいって、インフレもちゃんと2%程度に望めるところまで来ているという操縦の仕方ですね。彼女がいかに経済を上手く回しているかということを自信を持って言った。こういうふうに当局者が経済がうまくいっているというのを久しぶりに聞いたんじゃないですか。」

--私たちからすると、4回と言っていたのに1回しかできなかったでしょ、というふうに・・・。でもやっぱりそこまで操縦したということが・・・。

「だからうまく操縦しているんだから、こういっては何ですけど、株式投資をされる方もそんなに心配しなくていいでしょということに話はつながるんじゃないでしょうかね。」

--そうですか。その中でも、今日は日銀の金融政策もありますし、先日のECBではもうデフレの心配はないというようなことになっていた。日銀も今後どうなるかですね。

「そうですね。イエレン議長も日本銀行も任期がもう迫ってきていますので、どうやって連続性を皆さんに上手に伝えていくか、というところを気にしています。」
 


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