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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.4.3 Newsモーニングサテライト

2017年04月03日 20時44分22秒 | MS
【本日のコメンテーター】双日総研/吉崎達彦氏、マネックス証券/広木隆氏

■マーケット
 
「米雇用統計は力強い」
マーケットも先週で1‐3月期が終わりました。第1四半期はトランプ政権への期待からダウが史上初の2万ドル、さらに2万1,000ドルと立て続けに節目を突破。終盤にかけてその期待がしぼんだものの結局5%近い上昇でした。金曜日の株価は揃って下落しました。ダウは反落、65ドル安2万663ドル。ナスダックは6日ぶり反落、2ポイントマイナスの5,911。S&P500は4日ぶり反落、5ポイントマイナスの2,362でした。決算発表シーズンを来週に控える中で、今週は重要指標も多く材料は豊富です。6日から始まる米中首脳会談ではトランプ政権の中国に対する姿勢が注目。貿易収支の発表と併せて保護主義を警戒する為替市場でも材料視されそうです。
 
【月曜恒例、アメリカの専門家インタビュー】

「3月雇用統計力強い」
今週は金融政策を占ううえで注目の3月の雇用統計が発表されます。
エコノミストは、これまでの傾向と変わらず、力強い数字を予想します。
《バンクオブアメリカ・メリルリンチ/ミシェル・マイヤー氏》
「非農業部門雇用者数の6ヵ月移動平均は19万4000人増であり、3月の増加幅もそれに近い20万人程度になると見ている。20万人増のペースは幅広い分野で雇用が増えていることを意味しているが、それと同時に、今後それほど雇用者数が増えないことも示唆している。雇用者数の増加は、全体的な賃金上昇にもつながる。賃金伸び率は2月の0.2%増から上昇し、前月比0.3%増となるだろう。賃金は緩やかに上昇し、年末か来年初めには、前年比で3%増を達成すると見ている。」

「製造業さらに改善か」
また今週は製造業の動向を示す3月のISM製造業景気指数も発表されます。マイヤー氏は、新規受注の増加などを背景に景況感はさらに改善すると見ています。
「3月のISM製造業景気指数は58.5と、2月の57.7から上昇するだろう。地域別の指数を見ても、製造業が強いことがわかる。製造業の先行き見通しが明るいだけでなく、実際、新規受注も増えている。これは世界的に需要が回復していることが背景にある。また原油価格が安定していいることから、これまで足を引っ張ってきた原油関連の製造業が回復していることも支援材料になっている。」
 

【為替見通し】注目ポイントは「企業の販売価格判断」
解説は三菱東京UFJ銀行の内田稔氏
 
--さて先週の相場を振り返っていかがだったでしょうか。

8営業日ぶりに112円台を回復したドル円でしたが、NY市場では米国債利回りの低下に押され、111円台前半まで下落して引けました。

--今日の予想レンジは、110.70円-111.80円です。

新年度を迎えるドル円相場は、例年、日本の投資家勢による対外証券投資の活発化によって、ドル高円安が進むとの期待が高まります。
(フリップ1:4月はドル高?円安?)
過去20年を振り返りますと、新年度の第1営業日にドル高円安となった回数のほうが確かに半分を超えています。但し、直近5年に限りますと、そのうち4回でドル安円高が進んでおり、月間で見ても4月は円高が進むことのほうがむしろ多い結果となっています。特に今年はトランプ政権の政策や、FRBの金融政策に加え、為替ヘッジコストの見極めも難しいため、対外証券投資は慎重な滑り出しとなりそうです。本日に関しましても、ドル円の上値は重いと予想します。

--4月だからと言って、円安だとは限らないということですね。さてそうした中、注目ポイントは「企業の販売価格判断」です。

本日は日銀短観の概要が公表されます。ドル円相場を展望するうえでは、国内の物価の先行きを判断する材料として、非製造業の販売価格判断に注目したいと思います。
(フリップ2:企業は物価を慎重視)
前回調査時点では、油価の上昇などを受けて、仕入れ価格が上昇した割に販売価格は低迷していました。こうした傾向が確認されると、依然として企業は先々の物価情勢を控えめに見ている可能性が高く、慎重な賃上げや価格設定を通じて、インフレ期待の低迷につながると警戒されます。これは予想実質金利の上昇を通じて、ジワリと円高圧力に効いてくるだけに、注意が必要と見ています。
 
【日本株見通し】注目ポイントは「年度替わりの波乱に警戒」
解説はマネックス証券の広木隆氏

--今日の予想レンジは、1万8800円~1万9100円です。今日から新年度入りしますが、昨年度末は冴えない終わり方でしたね。

19000円という節目を割り込んだだけじゃなくて、一目均衡表の雲の下に抜けるという、本当に冴えない終わり方になりましたね。

--例年、年度末はこうした引け方が多いのでしょうか。

(フリップ1:日経平均)
ええ、特に注目したいのは、朝は高いんですけど、引けにかけて下がってしまう。30日も午後になって下がって、最後年度末はものすごく午後から急落ですね。例年このパターンなんですよ。2006年以降、12年連続、朝高くて引けに安いという・・・、2000年以降の18年間だと17回このパターンですから、これはもう年度末は特異日ですね。

--ということは今年もそういった下げに警戒ということでしょうか。

そうですね。去年はこのあと4月1日に600円安という急落があったんですね。その背景は、年度内に年金基金の組み入れ比率を高めなければいけないという事で、年金の大幅買い越しが続いていた。それが年度替わりで剥落したために、そういった急落が起きたというふうに見られてますね。今年もそれを注意することに越したことはないんですけども、去年とちょっとやっぱり事情が違うところがいくつかあります。
(フリップ2信託銀行、年度末の売買は?)
まず年金基金の買い、これは主に信託銀行の買い越しなんですけど、去年はずっと年度内買い越しが続いていたんですけど、今年はむしろ売り越しているんですね。ですからこういった年金特需みたいなものの剥落というのは今年は警戒しなくていいのかなという気がしますね。ただ、その分、金融機関が期初になって売りを出すというのは、これも毎年のパターンなので、そちらで崩れると気うことには注意したいと思います。

--下値はどれぐらい行きそうでしょうか。

(フリップ3:兜為替の3月のパフォーマンスは同等)
そうですね。3月は妙に株が強がっていて、為替が円高になっても、崩れなかったんですが、最後にドドドドッと崩れてきて、結局この3月のパフォーマンスは株も為替もいま同じぐらいの位置にあるんですね。こういった意味では、株価調整というのはかなり十分に出てきているので、26週移動平均の1万8600円台まで見ておけば、押した場合でもその辺が下値のめどだろうと思いますね。
 
 

【株価材料】東京市場の個別銘柄に影響がありそうなニュースをお伝えします。
 
吉野家HD、大幅下方修正
牛丼大手チェーンの吉野家ホールディングスは2017年2月期の業績について、純利益を従来予想19億円から12億円となる見通しを発表した。第4四半期、国内既存店の客数の伸び悩みや、為替の影響で海外事業の売上高の減少などが響いた。
 

東芝、上場維持・廃止「審査に時間」
東芝を巡り、日本取引所グループのCEOは会見で、上場維持・廃止の判断については、審査に時間がかかるとの考えを改めて示した。一方、東芝は1日に半導体事業を受け継いだ新会社「東芝メモリ」を発足させた。東芝はこの新会社の株式の過半を今年度中に売却する。売却先の選定は来月中を目指していたが、精査に時間がかかる見込みで、6月以降にずれ込む可能性も出てきた。
 

商船三井、特別損失205億円
商船三井は2017年3月期に特別損失として205億円を計上すると発表。コンテナ船の運賃が依然低水準で推移していて、保有する船などの減損処理の可能性が出てきたためだ。
 

ゆうちょ銀行、個人向け無担保融資申請
ゆうちょ銀行は個人向け無担保融資事業など、新規業務の認可を政府に申請。
 

明日からはこういった株価材料と共に、金融情報サービスQUICKのAIが日経平均の寄り付き予想を伝えていきます。
 

■【特集】トランプ支持率下落も株価は強い?
アメリカのトランプ大統領の支持率は就任から2ヵ月が経過し下落しています。それにも関わらずアメリカの専門家は株価が堅調に推移すると見ています。その理由とは。双日総研の吉崎達彦氏が解説します。

--吉崎さんは先月アメリカに出張されて、現地でトランプ大統領の意識というものを肌で感じられたと思うんですけれども、どうでしたか。

「ちょうど下院で医療保険法案を変えるという話をやっていたピークの時期に行っていたので、結構みんなどうなるんだ、どうなるんだという感じだったんですが、帰ってきて1週間経つと、『なんだ、トランプさん意外と大したことないね』という感じになってきている。それからアメリカの三権分立のチェック&バランスはちゃんと機能しているね、という感じになってきているので、少し安心感が出てきたというところがあると思います。」

(フリップ1:トランプ大統領支持率↓(世論調査平均))
・ 支持 41.1%
・ 不支持52.7%

--無茶なことは全部できないだろうという話になっていると思いますけれども、ただ、そうした中で懸念されるのがトランプ氏の支持率低下。それでも今回相場は強いのではないか、というお話なんですが、支持率の最新のものを見ていきましょう。コチラはアメリカの世論調査、大手のものの平均なんですが、不支持が52.7%。

「これはリアルクリアポリティクスという全部平均値で出しているやつなんですが、これを細かく見ていくと、いまだに調査機関によってブレがものすごく大きいんですね。だからまだ本音が出きっていないんじゃないかと思うんです。」

--ではもう1つ注目のものを見ていきますと、コチラです。

(フリップ2:コアな支持が著しく低下(出所:ラスムッセン))
・ 強く支持27%
・ 強く不支持44%

「これはラスムッセンという、ここがちょっと面白くて、強く支持するか、それともまあまあ支持するか (storong approve か、total approve か)という聞き方をしてくれていて、強く支持するかというと、『強く支持』が今3割を切っているんですね。これがなかなか落ちないようだととらんぷさんなかなか強いを思っていたんですが、そこがコアな支持者がちょっと飽き始めているところがあるかと思います。」

--なんか政策実行能力というところも言われていますけれども、やはりオバマケアの失敗というのがあったんでしょうか、コチラを見ていきましょう。現在の経済政策がどういった状況かと言いますと・・・。

(フリップ3:トランプ政権経済政策)
・ 税制改革・・・・・・法人税減税、個人所得税減税(8月中?)
・ インフラ投資・・・10年で1兆ドルの官民投資
・ 規制緩和・・・・・・企業有利(環境規制緩和など)
・ 医療保険改革・・・オバマケア撤廃&代替 (×)
・ 移民制度改革・・・メキシコ国境に壁など (×)
・ 通商交渉・・・・・・TPP離脱、貿易赤字削減など

「はい、上のほうはマーケットがなるべくやってほしいと思っている政策で、下はできればあまり適当で済ましてほしいというところですね。まず移民制度改革なんですが、これは司法から差し止めを食らっております。それからこの3月にオバマケアの撤廃&代替もちょっと駄目よという感じになってきています。そして先週になって、いやいや諦めてないぞ、ということになって、通商交渉もやるぞという感じなんですが・・・。」

--これは「不公正貿易の調査を商務省や通商代表部に命じた」ということで、これは「90日以内に報告しましょうね」というものなんですよね。

「そうするとやっぱり、一番の関心事はここ(税制改革)ですね。」

--でもこれは、ここまでダメになったということを考えると、トランプ大統領の心中を考えると・・・。

「トランプ大統領の心中を考えると、もうハラワタが煮えくり返って裏切られた。この人たちを一生懸命説得しようと、ホワイトハウスに呼んだりいろいろやったわけですよね。これはまずいなと思ったら、今度は脅しもかけた。要するに彼なりに大好きな交渉をやって、結局ダメだった。いろいろ理屈とか、利益とかでやったんだけれども、彼らはむしろイデオロギーのほうを重視した。そんな人が世の中にいるんだ、ということでたぶん今ビックリしちゃっていると思いますね。」

--自分たちのビジネススタイルというのと、政治化のそういう考え方というのが違うんだと、分かってきてしまった・・・。

「違うんですね。やっぱりワシントン政治の壁にぶち当たったと言ってもいいかと思います。」

--実際に市場の期待をつなぐためには何か成果をあげなければいけませんが、目下言われているのが税制改革ですね。

(フリップ4:経済政策の実現性は?(予測:エバーコアISI))
・ 法人税減税(18年初旬) 80%
・ レパトリ減税       66%
・ 個人所得減税(18年初旬)60%
・ 国境税       20-25%
・ インフラ投資       15%

「そうですね。この中でいろんな項目があるわけですけれども、これは向こうへ行って、エバーコアISIというエドハイバンさんのところで聞いてきた話なんですが、彼らの見立てで言うと、法人減税は何らかの形であれば、来年までにはまあまあ行けるだろうと・・・。レパトリ減税もまあ行けるでしょうと・・・。ただ、話題の国境調整税については非常に厳しい見方をしているなというのがちょっと印象に残ったところですね。」

--ただ、法人税減税をするにも、オバマケアの代替法案が通りませんでしたから、財源がありませんよね。

「はい、ですから当初言っていた15%とか、20%というのはちょっと難しくて、20%台後半というところかなというのが今の期待値だと思いますね。」

--20%台後半で、広木さん、市場の期待は大丈夫ですか。

(広木氏) 「大丈夫だと思いますね。僕もトランプ大統領当選直後の11月にアメリカに行って、向こうの投資家といろいろ話したんですけど、その時から、どうせできないだろうと・・・。せいぜい25がいいところだという話が、たぶんマーケットのコンセンサスじゃないかと思いますね。」

--そうですか。ではそうした状況下の中でトランプ相場というのは続くのかどうか。吉崎さん、どうご覧になりますか。

(フリップ5:トランプ効果でアメリカ株上昇続く)
・ 財政刺激
・ 規制緩和
・ アニマルスピリッツ

「要するに財政は思ったほどでないね、ということなんですけど、でも考えてみたら、トランプさんの効果というのは3通りぐらいあって、1つは財政、それから規制緩和、それから3番目はアニマルスピリッツみたいなものがあって、やっぱり経営者のマインドとか、いま変わってますよね。この2番、3番があるので、なんだかんだ言ってトランプ相場というのはまだ続くんじゃいかと、私は思っています。」

--景況感が良くなっているというのは、そのアニマルスピリッツのところが力強く行っているということにもなるんですかね。

「そうですね。アベノミクス初年度の2013年の日本とちょっと似ているかもしれません。」
 

■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(期間:3月31日~4月2日、対象:番組出演者38人)

(1) 今週末の日経平均株価予想
(予想中央値19000円)
(先週終値 18909円)

《岡三証券/阿部健児氏》
(19200円予想)
「新年度に入り、需給が好転すると見る」

《大和証券/石黒英之氏》
(18800円予想)
「トランプ大統領の政策の不透明感に加え、アメリカの為替報告書や日米経済対話など、見極め要因多く、売り優勢の展開が続く。」

(2) 今週末のドル円予想
(予想中央値111.50円)
(先週終値 111.40円)

《FPG証券/深谷幸司氏》
(112.00円予想)
「アメリカの良好な経済指標でドルが支えられる」

《経済産業研究所/中島厚志氏》
(111.00円予想)
「日米の経済指標は良好だが、米中首脳会談など、政治リスクが頭を押さえる様子見の展開になる。」

(3) 米利上げ時期予想
今週の金曜日はアメリカの金融政策に影響する雇用統計が発表されるが、次の利上げのタイミングはいつと考えているのか。
5月(3%)、6月(66%)、7月(5%)、9月(26%)

(4) モーサテ景気先行指数
(37.8、わずかに上昇)
 
 
 
■先読みAI
AI(人工知能)が予想する今週の投資判断とは
 
(1) AIが変える投資の世界
「ザ・グレートチェンジ 大変革時代の経済処方せん」と題して、きょうから5日連続の特集でお送りします。 初日のきょうはAIが変えるマーケットの世界です。農業、輸送、接客、そして服のコーディネートなど、あらゆる分野においてAIが存在感を示す中、投資の世界では今何が起きているのでしょうか。最前線を取材しました。
 
【個人投資家も熱視線】
個人投資家がいま熱い視線を送るのは、人工知能が自らの考えで資産を運用するAI投資だ。AIに関する投資セミナーは全国的に広まっている。

《TCW JAPAN/山口友久氏》
「いろんな種類のセミナーをしてきたが、AIがやっぱり一番食いつきが良くて、集客数も本当に多いですね。」

将来的には運用の半分がAI自らの考えで売買を行うのでは、との見方もあり、マーケットでの存在は日増しに大きくなっている。2月には三菱UFJ信託銀行が大手金融機関として初めて、AIが運用する個人向け投資信託の販売を始めた。マーケットの主役は人からAIに代わるのか。
 
【ファンド開発の競争激化】
瀬之口潤輔さんはAIの可能性に賭けた。

《カムイ・キャピタル/瀬之口潤輔さん》
「はじめは会社の倒産確率を予想するのにAIを使っていたんですね。これを株価の予想に使ったら、ずいぶん的中率が高かったので・・・。」

瀬之口さんは先月、大手証券会社を退職し、AIを使ったファンド開発に乗り出した。瀬之口のAIは週末の株価が週の初めに比べて上がるか下がるかを予測する。株価に影響を与える金融政策や、国内外の経済指標などから過去の株価の反応を解析し、AIがいくつものシナリオを作っていく。その数は実に1000通り。AIは全てのシナリオで株価を予測。例えば上昇シナリオが600通り、下落が400通りと出た場合、「上がる」を最終的な予測として導く。AI予想を基に取り引きした場合、TOPIXはこの3年で2割ほど上昇したのに対し、AI予測に基づいたファンドは2.4倍近くになった。

瀬之口さんはこの予測モデルを使ったファンドの開発を急いでいる。AI技術が急速に進化していて、AI投資を巡る各社の競争が激しくなっているためだ。さらにその競争のカギを握るのは、AIが分析する質の高い情報だと瀬之口さんは言う。

《瀬之口さん》
「AIといえども、一般的に使えるデータだけでは、予想する精度にかなり限界がある。やはりインプットするデータ自体に価値があるということが、何よりも重要な優位性だというふうに思っている。」
 
【新たな消費活動を予測】
こうしたニーズを新たなビジネスチャンスとして捉え、動き出している企業がある。東京大学発のベンチャー企業「ナウキャスト」。この日の打ち合わせは大手クレジット会社のJCB。現在2社はクレジット会社のデータをもとに、AIを使った新たな消費の指標開発の最終段階に入っている。その名も「JCB消費NOW」。政府が発表する家計調査など、消費に関する指標は、個人や店へのアンケートが主な調査方法で、精度が課題と言われている。一方、クレジットカードのデータを利用した場合、使用者の年齢・性別、住まいや購入金額など、正確な情報が即時に得られる。消費の実態を把握できる指標として、今後、同業他社の動向を探りたい小売企業をはじめ、投資判断に使いたい機関投資家などに売り込む予定だ。

《JCB/北原治彦氏》
「政府の統計の先行指標として、正確な数字に近いものを示せるかが、第一弾として非常に重要なところですね。」

さらにナウキャストは現在開発中の新たな指標を特別に明かしてくれた。人工衛星から情報を得て、世界中の経済活動を予測する指標だ。人工衛星で炎の色やエネルギーを読み取り、その温度の変化を分析し、そこから石油関連製品の生産量などを予測しようとしている。
AIがもたらすマーケット大変革時代。投資の形はこれからどう変わっていくのか。

「AIが変える投資の世界」について
--広木さんはまさにその場にお立ちですが・・・。
《マネックス証券/広木隆氏》
「投資の主役が人からAIに代わるかというと、そういうことではないんだろうなと・・・。結局、いろんなデータを使って、投資の分析をするというのは、実はもう80年代からずっとクオンツ運用というのをやってきて、その延長線上に今の形があるんですね。ただ、あの時代というのは使えるデータに限りがあって、マクロの経済指標とか、企業の業績とか、それこそ株式市場のデータだけだったのが、今使えるのが、本当にインターネット上に出る膨大なビッグデータなんですよね。ビデオの中にあったけれども、何をインプットするか、そっちのほうがすごく重要で、それこそサイバー空間にあるいろんな情報から、宇宙にまで行っちゃうでしょ、衛星など・・・。こういったところのデータ革命なんですよね。」
--データ革命・・・。そういう意味では吉崎さんもエコノミストとして、経済指標の分析もされていらっしゃいますけれども、そういう経済指標のところって遅いですよね。
「そうですね。でもこの週末も将棋の世界で佐藤天彦名人がボナンザというソフトに負けちゃったんですよね。これも結構大差の負け方で、やっぱりファンとしてはギクッとするものがあるんですけど、やっぱりこの4~5年の変化ってすごいですね。とにかく試行錯誤のスピードがむちゃくちゃ早いので、どんどん進んでいる。やはり私は脅威と感じます。」
 
(2) AIで株価や指標を予測
(フリップ1:予測するのは・・・)
AI=人工知能で様々なビッグデータを解析し、株価や経済などの先行きを予測する「先読みAI」。いろいろな種類のAIを使って株価や為替、商品価格、景況感などの投資材料を予測します。

【モーサテにもAIが登場!】

(フリップ2:野村AI景況感指数)
具体的に予測するのは日経平均、TOPIX、為替、景況感、物価・注目セクターなど。今日、最初の紹介する「野村AI景況感指数」(野村証券が開発)は、WEB上の膨大なテキストデータを学習し、ニュースや経済レポートで景況感を指数化できるAIを使っている。そして野村のAI指数は、内閣府が発行する「月例経済報告」を指数化している。

(フリップ3:3月月例経済報告)
AIが月例経済報告に書かれている文章の内容を数値化していく。点数は上が100点、下がマイナス100点として計算する。例えば、企業収益は改善などポジティブな文章は98.1と高い数値になって、逆に「消費者物価は横ばい」というネガティブな傾向の文章には低い数値が付く。毎月、およそ20000の文字を読み込んで、どんどん点数をつけていき、その平均がAIの考える景況感になるという仕組みだ。

(フリップ4:野村AI景況感指数グラフ)
そして予測した最新の景況感が46.5(前月比↑1.7)となった。好不況の境目である50は下回っているが、トレンドは改善傾向にある。つまりこの先景気はわずかながら良くなっていくというふうに分析した。
 

(フリップ5:3月野村AI景況感指数)
そして今回の予測結果についてAIは、「外需の回復にけん引される形での、製造業の生産活動の活発化などがある。」と分析をしている。
 
 
 

続いては、日経平均株価とTOPIXの予測をする。先ほどVTRで紹介した瀬之口さんの予測だ。1000通りのシナリオを使って当落を判断するというAIである。日計平均とTOPIXが今日寄り付きの株価に対して、金曜日の終値が上がるか下がるか(情報提供:カムイ・キャピタル)。

(1) 日経平均は上昇
予測分析 「けん引役となるのが、機械・自動車セクター。為替が円安に進みそうだとAIは分析していて、先週冴えない動きだったこれらのセクターが上昇することで、日経平均を支える。」

(2) TOPIXは下落
予測分析「先週好調だった内需関連の電気・ガスセクターが、今週は円安により、いわゆる円安デメリットセクターとして下落しそう、重しになりそう。」
日経平均とTOPIXは明暗が分かれそうという分析結果だった。この先読みAIのコーナーは、毎週月曜日、各社のAIを元に指数や株価、注目セクターなどを伝える。そして明日からは、AIが予測する日経平均の寄り付きを天気予報形式で毎日伝える予定である。
 
 
【ザ・グレートチェンジ/大変革時代の経済処方箋】
--さて今週1週間にわたってお送りしますモーサテ特別企画「ザ・グレートチェンジ」、明日はアメリカ編です。
3日(月)AIが変える投資の世界
4日(火)米製造業ベンチャーを育てる!
5日(水)プロが指南!投資の極意
6日(木)ガスの自由化、新規参入の挑戦
7日(金)中国習近平体制2期目の大変革
 

■日経朝特急
 
ビッグデータ共有後押し
自動車の走行や工場設備の稼働状況を示すビッグデータを、企業共有しやすくなる樒づくりが動き出す。経済産業省が指針をまとめ、データを独り占めしたり、一部の企業が利益を囲い込んだりすることがないよう契約を結ぶよう促す。企業間のすり合わせを強みとする日本企業の特性を生かすため、データ活用の基盤を整えて、新しい商品やサービスの拡大につなげる。5月に指針を公表して、今年の夏にまとめる成長戦略に反映させる方針だ。
 
海外M&A最高11兆円
日本企業による海外企業のM&Aが拡大している。2016年度の買収額は前年度より3割増え、過去最高の11兆円弱に達した。国内市場が成熟する中、高い技術やブランド力、販路を持つ先進国企業などの買収で、新たな収益源を確保する動きが目立つ。低金利で資金を調達しやすい環境が続き、案件の大型化も進んだ。

--広木さん、とは言いましても、実は成功するのは約2割ほどという専門家の声も載っているんですよね。

「そうですね。東芝のウェスチングハウスの失敗例を挙げるまでもなく、これまで日本企業の海外M&Aというのは、失敗の歴史ですからね。ただ、大変であるんだけれども、じゃあ何もしないでいいのかという話ですよね。結局、内部留保の使い道に今もう日本企業というのは苦しんでいるぐらいですから、であれば有効な将来の成長のための賭けとしてM&Aで企業を買収していくというのは、非常にいいチャレンジじゃないかなと思います。」
 
 
タンス預金が止まらない
第一生命経済研究所によると、タンス預金の残高は、直近の2月末時点で43兆円と、前年比8%増えた。増加額は3兆円で、GDP(国内総生産)の0.6%に達する。日銀はマイナス金利政策による預金金利の低下が一因と分析しているが、富裕層が現金志向を強めていることも、タンス預金増加の要因ともなっているようだ。
 
 
■日刊モーサテジャーナル
 
NY株価堅調、情報通信がけん引
NY株式相場も週明けからいよいよ4月相場入り。株価は1-3月までの四半期で見ると、ダウは4.6%、S&P500指数は5.5%それぞれ上昇した。ウォールストリートジャーナルは、上昇相場はまだ続くとの見方を紹介している。1-3月の間に特に目立ったのが情報通信だ。
「トランプ政権がアメリカ経済の底上げに成功すれば、情報通信に関連する企業の成長力がさらに高まることになる。」
こうした見方もあり、例えば、アップルの株価は年初の3ヵ月で24%上昇、時価総額が1448億ドル(16兆円余り)増えた計算だ。このほか、フェイスブック、アマゾン、ネットフリックスの株価も大きく上昇した。「金融やインフラ関連企業の株価に急ブレーキがかかる中、相対的に見て、好業績が期待できる情報通信関連に投資家の期待は集まり続けるだろう。」、と記事は伝えている。
 
 
税制改革が大ピンチ?(ニューヨークタイムズ)
トランプ政権の政策実行能力についての記事。税制改革を巡り一枚岩とはいかない与党共和党。「大統領肝いりの改革がピンチだ」と伝えている。記事によると、税制改革のうち、国境税の扱いを巡り、共和党内で意見がまとまらず、溝が深まっている。例えば、共和党のリーダー・ダイアン下院議長が提案する「国境調整」について、ある保守グループはテキーラの価格が上がってしまうといった例えを挙げ、難色を示しているという。「アメリカ第一主義のもと、国の利益を優先させたいトランプ大統領の見解と、小さな政府を良しとする共和党の伝統的な考え方との違いがより鮮明になってきた。」、と記事は伝えている。
 
 
アメリカの所得、伸びるも消費が低迷(ウォールストリートジャーナル)
アメリカの消費の盛り上がりが今一つで、経済全体に影を落とし始めている。アメリカ総務省によると、2月の個人消費支出は名目で前の月から0.1%の上昇にとどまり、市場予想を下回った。一方、個人所得は0.4%増加していて、比較的堅調。結果として貯蓄率が上がる形となっている。
エコノミストの間では、1-3月期のGDP(国内総生産)の見通しを下方修正する動きが広がっていて、例えば、バークレイズはこれまで今年1.6%だった予想を0.2ポイント引き下げた。賃金が上がる兆しを見せているのに、消費は何故盛り上がらないのか。記事は、金融危機の傷跡がまだ残っているとの見方を掲載。「仕事も家も失った、あの辛い記憶をそう簡単に消し去ることはできない」、と伝えている。
 
 
きょうからモーサテジャーナルでは、イギリスの経済紙「フィナンシャルタイムズ」の注目記事を毎日お伝えします。

保有資産1.4億ドル以上
トランプ大統領の長女イバンカさんと大統領上級顧問を務める夫クシュナー氏の資産内容が公開された。2人の資産は少なくとも1億4000万ドルにのぼるという。トランプ政権を巡っては、これまで政権関係者およそ180人の資産内容が公開され、このうち閣僚の資産は合わせておよそ120億ドルで、「史上最もリッチな政権の1つだ」、と伝えている。また今回明らかになったクシュナー氏の資料などによると、イバンカさんとクシュナー氏の資産は1億4000万ドル~7億ドル(780億円ぐらい)の間だと推定されている。
 
--この感覚というのはどうなんですか、吉崎さん。

《双日総研/吉崎達彦氏》
「アメリカの金持ちの間でビリオン、10億ドルを超えるかどうかというは結構大きな違いらしくて、ビリオネアとミリオネアの違いじゃないですか。ということはクシュナーさんはまだまだですね。まだ若いんだからいいんじゃないですか。」
 
--広木さん、国境税に関して、どういうふうに・・・。

「国境調整というと、なんか保護主義でけしからんみたいな見方もありますけれど、実はマンキュー教授のような著名な経済学者も評価しているところもあって、要は消費税と減税の組み合わせみたいな効果があるんじゃないかなという話なんですよ。アメリカは連邦レベルの消費税はないけれども、日本とか欧州とかはみんなあって、輸出業者とかは免税になってますからね。それと同等のことを導入すればいいんじゃないかなと・・・。やってくれたら円安ドル高だから、マーケット的にも僕はいいかなと思ってますけどね。」

--ただ、アメリカの消費者、国民からすると、それは物価上昇ということに・・・。

「テキーラが飲めなくなっちゃうんですね。」

(吉崎氏) 「どうもマルガリータというカクテルがアメリカのミレニアルズ世代に人気らしいんですね。その材料のテキーラが高くなるよっていう、うまい脅しですね。」
 
 
 
■今週の予定
 
3日(月) 3月日銀短観、米3月ISM製造業景気指数
4日(火) 米2月貿易収支
5日(水) 米3月ADP雇用指数、米FOMC議事要旨(3月14日・15日分)
6日(木) 3月消費者動向調査、中国3月非製造業PMI(財新)、米中首脳会談(~7日)
7日(金) ユーロ圏財務省会合、米3月雇用統計
 

■今日の予定
 
3月日銀短観
日米3月新車販売台数
ユーロ圏2月失業率
米3月ISM製造業景気指数
中国休場
 
 
■ニュース
 
トランプ氏「北朝鮮に一方的行動も」
アメリカのトランプ大統領は、6日からの中国・習近平国家主席との会談を前に「中国が北朝鮮に圧力をかけなければ、アメリカは北朝鮮に一方的な行動を取る用意がある」と述べました。フィナンシャルタイムズ紙の取材に答えたもので、先ほど電子版で速報されました。かねてからトランプ大統領は中国に対し核やミサイル開発を継続する北朝鮮への圧力強化を求めています。

 
OPEC事務局長「需給は均衡し始めている」
OPEC=石油輸出国機構のバルキンド事務局長は2日、原油在庫の水準は下がりつつあり、需給は均衡し始めているとの見解を示しました。一方、イラクの石油相は減産合意を98%履行していると主張したうえで、今後の減産延長についてはコメントを避けました。

 
エクアドル大統領選 即日開票へ
南米のエクアドルでは2日、任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が始まりました。南米では左派勢力の後退が進んでいて3期10年を務めたコレア大統領の左派路線が継承されるかが焦点です。一方、右派の野党候補が勝利すれば、イギリスのエクアドル大使館に滞在する「ウィキリークス」創設者の保護が打ち切られる可能性があります。
 
スー・チー氏 地方に課題 ミャンマー補選で与党1減
ミャンマーで1日に行われた連邦議会の補欠選挙で選挙管理委員会は2日、開票結果を発表し、与党のNLD=国民民主連盟は議席を1つ減らしました。今回の補欠選挙は、アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権が去年3月に発足してから初の国政選挙で、政権と与党NLDに対する事実上の信任投票となりました。選挙は、上院3選挙区と下院9選挙区の合わせて12の選挙区で行われ、開票の結果、与党NLDは少数民族地域で票を伸ばせず、これまでの議席から1つ減らし8議席にとどまりました。ミャンマーでは少数民族の武装勢力と軍との戦闘が続くなど、政権が重視する和平実現の見通しは立っておらず、今回の選挙結果は少数民族を中心に政権への不満が浮き彫りになった形です。
 
コロンビア 土石流で250人超死亡
南米コロンビアで発生した大規模な土石流で多数の死者が出ています。これまでに254人が死亡し、けが人は400人に上っています。エクアドルとの国境に近いコロンビア南西部のモコアで先月31日から今月1日にかけて降った大雨により、街を流れる3つの川が氾濫し、大規模な土石流が発生しました。軍によりますとこの土石流により、1日までに、254人が死亡し、およそ400人がけがをしました。また、行方が分からなくなっている人は200人近くに上るということです。これを受けて、コロンビアのサントス大統領は非常事態を宣言し、救助活動に全力を挙げる考えを明らかにしました。被災地では、軍や警察官1,100人以上が行方不明者の捜索にあたっていますが犠牲者はさらに増える恐れがあります。

 
全国で最も早く 東京都心で桜満開
気象庁は2日、東京都心で桜が満開になったと発表しました。平年より1日早く去年より2日遅い満開で、全国で一番乗りでした。東京・千代田区の靖国神社にある基準となる標本木で8割以上のつぼみが開きました。東京では先月21日に開花が宣言されていましたが、寒の戻りの影響で2日までつぼみが堅いままでした。

 
スコットランドのEU加盟容認
イギリス北部スコットランドの独立問題をめぐり、スペインのダスティス外相は「起きてほしくないが、法的には止められない」とした上で、EU=ヨーロッパ連合への加盟についても「拒否はしない」と述べました。2日付のイギリスのガーディアン紙などが報じたものです。スペインはイギリス領ジブラルタルの領有権問題でイギリスと対立関係にあり、EU離脱を機に揺さぶりをかける狙いとみられます。

 
春の訪れを告げるNY青空市
ニューヨークの春の訪れを告げる青空市が週末から始まったので取材してきました。この青空市はスモーガスバーグと呼ばれ4月から10月まで毎週末開かれています。地元を中心におよそ100店が出店していて、今年は新たに20店ほどが参加しています。ここから新たな食のブームが生まれることも。今回最も人気を集めていたのはスパゲティドーナツです。1つ5ドル、560円ほどのスパゲティドーナツの店には、もっとも長い行列ができていました。景気回復でニューヨークの店の賃料が高騰する中、この青空市は新しいビジネスチャンスの場となっています。
 

■【本日のコメンテーター】双日総研/吉崎達彦氏、マネックス証券/広木隆氏

・ 米3月の雇用統計は?
 
--今週はアメリカでは雇用統計、ISMなど重要指標があり、注目ですね。

《マネックス証券/広木隆氏》
「そうですね、雇用者数は専門家インタビューの中にありましたけど、雇用者数というより、やっぱり注目は賃金の上昇ですね。平均時給は12月には前年比で2.9%増までいったんですけど、1月で一回下がっちゃって、2月は再び2.8まで戻ってきていますから、今回出てくる3月の数字がこの水準から一段と加速してくると、いま6月の利上げを見込む人はまだまだいないですけど、急速に6月利上げの可能性も高まってくるので、平均時給の伸びに注目したいと思いますね。」
 
 
・ 北朝鮮の動向に注目

--利上げができるのは米国の景気がしっかりしていると言えるが、ただ、一方で、水を差すのが地政学リスクですね。

《双日総研/吉崎達彦氏》
「ええ、北朝鮮の問題ですね。今週後半が米中首脳会談で、そこでとにかく中国に向かって圧力をかけろと・・・。もしかけないんだったら、俺がやるぞと・・・。その場合は5月は9日が韓国大統領選挙なので、その間、確率は非常に低いんですけれども、そういう地政学リスクを含んでおかなければいけないかなということになりますね。」

--ですから1ヵ月ほどの間は結構緊張が走るということですね。
 

・ 米中首脳会談、注目点は?

--今週も重要指標がいっぱいある中で、でもやはり注目なのは米中首脳会談です。週末にトランプ大統領は貿易に関する大統領令を出しましたよね。

《双日総研/吉崎達彦氏》
「ええ、強い姿勢を出してきたわけですね。これはもう言ってみれば、掛け金を釣り上げて、『お前たち何もしないで、ゼロ回答は許さんぞ』、ということなんでしょうね。だいたいトランプさんは発足以来、今週は特に何もなかったねってことは無いですね。また今週もこの米中首脳会談が1つの山場ですね。」

--米中首脳会談、中国はメンツを重視すると言われていますから、やはり待遇をどうするかというのも注目ですね。

「ええ、これは安倍首相と同じマーアラゴというフロリダの別荘地でやりますので、そうすると安倍さんは5回一緒にご飯を食べてますので、これより少ないと問題になるかもしれない。そういうプロトコル的な面でも関心は尽きないですね。」

--そして為替報告書も控えています。そういった面でも中国側がどう対応するかというのはかなり厳しいですね。

「そうですね。ですからアメリカ側の出方は分かっているんですが、中国側の出方が分からないという感じですね。」
 
 
・ 日銀短観の見方

--ということで材料は今日もあるんですけど、何と言っても日銀短観ですね。見どころとしては、マーケットのお立場からは、広木さんどうでしょうか。

《マネックス証券/広木隆氏》
「製造業のDIは改善するわけですけれども、ただ、ちょっと先行きが慎重な見通しで下がってしまう。そうすると足下はいいんだけれど、先行きが低下ということで、相殺されて、まあちょっと相場の材料にはなりづらいですかね。注目は今年度の設備投資計画がまとまってくるので、そこに注目したいと思います。」

--吉崎さんはどういった点ですか。

《双日総研/吉崎達彦氏》
「そうですね。想定為替レートが、前回104円90銭までだったんですけど、これがどの辺りに着地するかですね。全く見通しがつかないので、興味深いと思います。」

--前回の時ってかなり円安の水準だったにもかかわらず、円高で想定レートを出してきましたから・・・。

「今回は若干円高に振れちゃったけれども、どの程度に果たして落ちてくるのかというのがちょっと見えないですよね。」
 
 
・ きょうの経済視点
 
《マネックス証券/広木隆氏》 「AIとの競争」
「今からちょっと前に今後10年前で機械にとって代わられる職業というのがリストアップされて、その中にストラテジストって入ってないかと思って、見て入ってなくて安心したんですけど、今日スタジオに来てみたら、AIがどんどん株式、株価の予想をしていくじゃないですか。そのうちもう呼ばれなくなるんじゃないかと・・・。」

--AIが担うもの、それから人間が担うものがここからかなり役割が選別されてくるんでしょうね。

「そうですね。だから機械にできるものは機械に任せる、それいがに人間ができる仕事って何だろうと、あらためてわれわれ人間の価値をこのAIの登場・普及とともに考えさせられる場面が増えそうですね。」

《双日総研/吉崎達彦氏》 「米国と中国」
「米中首脳会談が今週後半にあるんですけれども、『アメリカと中国』という書名の本がいま出ているんです。岩波書店から松尾文夫さんという人なんですけど、これを読み終えたばっかりなんですが、アメリカと中国との関係って我々から見えてない部分がいっぱいあるんです。歴史も古いし、なんかいろんなことが学べるので、今秋はそういうことに思いをはせる必要がありますね。」
 


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